このシルバーウィークは、ツィッターでもつぶやいてましたが、前半は乗鞍へ登山に出かけていました。後半はというと、昨日はゴルフヴァリアントの1年点検にVWのディーラーへ行ってきました。1年点検と言っても、2時間ほどと言うので、お店の待ち時間を利用して、「UP!」の試乗を行ってきました。
この「UP!」というクルマ、VWのラインナップの中で最小の車で、スリーサイズは全長3,545mm、全幅1,650mm、全高1,495mmしかないんですね。軽自動車の全長が3,395mmなので、軽自動車より一回り大きいだけ、マーチやヴィッツと比べても一回り小さいクルマなのです。排気量は999cc、つまりリッターカー。昔、ボクが免許取りたての頃は1Lのマーチに乗っていたので、最新式のリッターカーとはどんなものなのか興味津々です。
外観はこんな感じ。VWのマークがなければ、トヨタの「パッソ」と見間違いそうな平凡なデザインですね。同じサイズの「FIAT500」なんかは個性の塊みたいなクルマですが、こちらは実用重視のデザイン。実際、中に乗りこんでも前席も後席も必要十分な空間が確保されていて、ガマンを強いられることはなさそうです。そういえば、以前代車で↓の写真の「ルポ」を借りたことがありました。
「ルポ」のスリーサイズは全長3,525mm、全幅1,640mm、全高1,475mmなので、「UP!」と比べればほんの少しだけ小さいだけ。でも1.4Lのエンジンを積む関係からボンネットが長く、キャビンは小さいので、後席はミニマムだった記憶があります。そもそも3ドアだから、前席重視のパッケージングだったんしょうね。デザインは、「ルポ」の方がドイツ車らしい風格を備えている気がしますが…
エンジンはいまどきの3気筒。少し前まで3気筒といえば、軽自動車専用のイメージがあったけど、最近はBMWでも3気筒のエンジンが積まれているくらいだから、エンジンのダウンサイジングってこれからも進んで行く気配です。
で、そろそろ試乗の話を・・・
この「UP!」の最大の特徴で最大の曲者がこのミッションと思います。VWでは「ASG」と言われるこのミッション、要はマニュアルのクラッチ操作を自動で行ってくれる装置なのですが、オートマのように変速を自動で行ってくれるから、AT限定免許でも乗れるというマニュアルを知ってる者からすると、非常にややこしいミッションなのです。この手のミッションは初めてなので、ディーラーの方の説明を受けます。
とりあえずシフトをNからDへ倒すと普通のオートマモード、もう一回Dへ倒すとマニュアルモードということなので、普通のオートマモードで走り出します。すると、シフトアップ時にタイムラグが、長くてすごい違和感を感じる。こりゃ相当出来の悪いクルマだよ。で、もう一回シフトを倒してマニュアルモードで走ってみる。先ほどのオートマモードと比べれば、随分とスムーズな変速だけど、やっぱり違和感がある。何か変なミッションだなぁと思いつつ、よく考えてみれば、クラッチが自動なんだから、変速時に一旦アクセルオフしたらどうなるのだろうと思って、実行してみると、スコンと入った。
たまに会社でマニュアルの軽トラに乗ることのあるボクですが、半クラの時間がなく、スコン、スコンとギアが入っていくのは、気持ちがいい。要はこのクルマ、マニュアル車だと思えば、合点が行くことが分かり、以後、シフトアップ、シフトダウンの時は、一旦、アクセルオフしてから+又は-へシフトを倒すことにしました。ちなみに慣れた後で再び市街地走行でオートマモードで走りましたが、やっぱりこのシフト時のタイムラグ、気になって仕方がない。少しの間でも運転してるボクが酔ってきて、もし真剣にAT限定免許でこのクルマの購入を検討されている方がおられたら、必ず試乗をおススメします。
クルマなんてコツを掴めばこちらのもの。この新感覚のミッションを操って、いつもの奈良県のヘリポートまでのコースを走ります。市街地を抜けると奈良県のヘリポートまではワインディング路。そもそもリッターカーの「UP!」がそれほどの走りをするなんて期待はしていません。しかも後ろはベンツのSLK、「煽られるの確定やな」と思いつつ、急勾配区間に入ると、予想外に力強い加速。まぁエンジン音はそれなりだけど、急勾配をものともせず、グングン上がっていきます。「後ろのベンツは?」、全く付いて来れない様子(単に付いてきていないだけ?)。昔乗ってたマーチとは異次元の感覚、ホントにリッターカーなのかと思わせる走りに正直ビックリ‼です。タイムリーな話題でVWの不正が世界的な問題になってるけど、1Lのエンジンじゃなくて、1.5Lのエンジンでも積んでるのかと思わされました。ちなみに馬力は75馬力です。急勾配の次のコーナーの続く区間も気持ちのいい走り。もちろん試乗車なので、常識のある範囲だけど、足回りもしっかりしてる。ちなみに試乗車は「ハイアップ!」だったので、ノーマルグレードと比べると太いタイヤを履いているのが利いているのかもしれません。
いつものように奈良県のヘリポート。来場者は皆無の様で、今日もヘリコプターの姿はなし。まぁクルマをじっくり観察するのには適した環境です。インテリア、このクルマのカラーが水色だったので、車内のあちこちの鉄板むき出しの部分も水色。たしかに「ルポ」もこんな感じだったけど、ここまで多用されていなかったな。ちょっと手の触れそうな部分は、プロテクトシートを貼っておくほうが傷が付かなくて良さそうかも?ドアの開閉はドイツ車そのもののどっしりした感触。こんな小さいクルマでもこの感触が出せるのだから剛性感は相当のもの。
ただ気になったのは、フロントガラスにダッシュボードの写り込みが多い点。慣れの問題かもしれないけど、この日のような快晴の場合は改良して欲しいと思いました。
かわいいメーター類とかわいいエアコン、オーディオ操作部。タコメーターなんてすごく小さくて、走行中なんてほとんど見れなかった気がします。速度計下の控えめなディスプレィには、今何速に入っているか表示されるのですが、マニュアルモードで走行中、これまた小さい文字で「↑」って表示されて、シフトアップの時期を教えてくれます。
雑誌の紹介写真で、普通のクルマと何か違うなと思ってたセンターの操作部。通常はそのセンター操作部の上にエアコンの吹き出し口が前にあるのが、上に向いてたので何かが違うと思ったのでした。ボクの乗ってる「ゴルフヴァリアントⅤ」の場合はこの部分、前と上にあってどちらから風を出すか選べるけど、「UP!」の場合は上固定なんですね。ちなみにエアコンはマニュアルなので、ダイヤル式。この方式が一番分かりやすくていいですね。試乗車のグレードは、シートヒーターも装備されているので、onoffスイッチもあります。
前席のシートはヘッドレストが固定になったタイプ。乗る前はボディが小さいからシートも小さそうと思ったけど、実際座って運転してみたら十分なサイズで問題なし。先に書いたように後席も必要十分な広さでつま先が前席のシートの下に入るので、長時間の乗車でも問題なさそう。
気になったというか、衝撃的だったのはむしろ↓の写真の機構かな?
シートのリフトアップのレバーは外側にあるのに、リクライニングのレバーはなぜか内側にあって、しかもダイヤル式でない!VWのクルマってリクライニングはすべてダイヤル式で細かい調整が可能と思っていたのに、日本車と同じような機能になっているとは…チルトステアリング機能が付いてるから、ドライビングポジションは問題なく決まるけど、意外でした。レバー、内側にあるということは5ドアはいいとしても、3ドアはどうなんでしょうか?後席に入る時、不便じゃないかなぁって思います。
トランクは感心させられましたね。最近はVW車に限らず、他の欧州車も後席の倒し方が、ダブルフォールディングからシングルフォールディングになって、どうしても後席を倒した時の後席の段差や傾斜が気になる(自転車を積む時)けど、「UP!」の後席はシングルフォールディングながら、荷室とフラットになって傾斜が発生せず、日本車のよう。しかも荷室にはサブトランクがあって、結構容量があるから使い勝手よさそう。小さいクルマだからこんな配慮はうれしいですね。
大方のカー雑誌が取り上げているように、後席の窓が外側に少ししか開かない(昔の2ドアのような開き方でカッコいいと思うのはボクだけでしょうか?)とか、運転席から助手席の窓が開けないとか、フェールキャップが軽トラと同じように鍵式だとか、フットレストが無いとか、ハッチバックゲートの内側に取っ手が無くて、閉める時はボディを持つ必要があるとか、ボンネットの内貼りが無いとか、まぁ「ゴルフ」あたりと比べると正直?と思わせる場面もありましたが、これが「UP!」というクルマの個性なんでしょうね。「ルポ」は「ゴルフ」の小さい版って言った感じだったけど、それと同じ感覚で「UP!」に乗るとショックを受けてしまうかもしれません。でもそれ以上に「ASG」というミッションが面白くて、この感覚、一度味わってしまえば、オートマ車なんて退屈で仕方がないと思わせるほど。SUVチックに仕上げた「クロスUP!」というグレードも出てきて(ボク的にはルーフレールが付いたのでサイクルキャリアが付けれるのがありがたい)、このサイズだから味わえる独特の世界が、この「UP!」というクルマにはあると思います。
キーカバーのピンク色がかわいい。これが純正?オプション?
市街地を走っていると、FMラジオからユーミンの「ひこうき雲」が流れてきました。よく見ればオーディオのディスプレイは小さくて、レトロな感じ。市街地を走ってる限り車内は静かだから、ユーミンの音楽を聞きながら、お気に入りのスポットを探してドライブするっていうのが、この「UP!」というクルマにはお似合いなのかもしれません。
ディーラーへ戻り、我が「ゴルフヴァリアントⅤ」の1年点検が終わったので受け取ります。さすが「UP!」に乗った後では、重厚感のあるクルマだなぁって思いますね。ミッションだけ「ASG」に取り替えてもらえないかな(笑)。今回、半年前から気になっていた低速時の運転席ドアの何かが引っ掛かるような低い音を点検してもらいました。点検結果、↑の部分写真のゴムの劣化ということが分かり、分解の上、グリスアップと内側にスポンジを取り付けてもらうことで無事解消!補修個所は↑の写真で黒くなっている部分です。
走行距離は最近、乗鞍へ2回出かけて伸びたけど、それでも33,000km。もう8年乗ったけど、故障という故障はなし。前回の乗鞍からの帰りの燃費は、約16km/Lとカタログ値以上の燃費を叩き出してるし、なかなか快調なクルマです。
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