2016年8月9日(火)
前日8日、シュクルイのコルに建つヴィエイユ小屋に到着、モン・チェティフに登り小屋に宿泊。 夜はラックブラン小屋に続き星空の撮影をしたので寝たのは12時近くでしたが、こちらイタリア側から見るモンテ・ビアンコ山群は朝日を受ける位置にあるため、早朝撮影には絶好のロケーションです。 もちろんそのためにTL鈴木さんがシャモニーとクールマイユールを選んだわけです。
9日朝は4時ごろ(4時半ごろ?)小屋を出発して1時間ほど歩いた撮影地まで出発。 もちろん外はまだ真っ暗。 みんなヘッドランプを着けての暗闇歩き。 しかし、明るくなってくるとあいにくの空模様。。。
もっともこの旅行前には日程全てが悪天候予報だったのに、ここまで連日良い天気が続いたことは本当に幸運だったわけです。 最後の日の朝くらい天気が悪くったって文句は言えません。
上の写真は雲が濃くかかっている辺りがモンテ・ビアンコ山頂、手前右の針峰群がエギュ・ノアール・ド・プトレイ(プトレイの黒い針峰)。
右の方にダン・デ・ジュアン(Dent du Geant 4,013m)のある針峰群。 ダン・デ・ジュアンとは「巨人の歯」と言う意味だそうで、左の方に出っ張った岩峰のみをダン・デ・ジュアンと呼ぶそうです。 もちろんこのような岩峰に登りに来る人たちもたくさんいるわけです。
この日の夜明けが6時15分ごろ。 途中、講師の柏倉さんとTL鈴木さんがお湯を沸かして作ってくれたコーヒーをいただいたり、撮影の話などしながら、雲が切れて朝日が差し込むのではないか、空が焼けるのではないか、と待っていましたがそうなることはなく、むしろ小雨がぱらつき始め、日の出後急いで撤収、ということになりました。
それでも雲がかかった山を見るのも美しく、また気温も凍えるほど寒くはなく良かったです。 前日のモン・チェティフとは反対側の山の方に歩いて来られたので、違う山の景色も楽しめました。
帰り道、たくさんの黄色の花が咲いていました。
ウマノアシガタやウメバチソウ(のような花)もたくさん咲いていました。
小屋に戻って朝食です!
シリアルとパン。 シリアルにはヨーグルトとフルーツを乗せました。
すると飲み物にチョコレート登場!w
あんなに天気が悪かったのに空が晴れ渡ってきました!
なのでここで柏倉さんによるポートレート講習会を行い、
その後みんなで記念撮影もしました。
ヴィエイユ小屋も楽しかったな。 また来たいなぁ。。。
そして。。。山を下りて街へ向かいます。
ロープウェイを下りてすぐの所にクールマイユールの古い街並みが残された場所があります。
この日山には雲がかかっていたので、最終日でもありますし、
この後は街歩きとショッピングをすることに決まりました。
これは昔の洗濯場。
たぶん何かのお店でしょうが、きれいにしてあります。
普通のお宅のようでも玄関や窓にそれぞれ工夫された飾りがあったりします。
この道は車も通ります。
大通りに戻りました。 左上がモン・チェティフですよ。
この後お昼ご飯を食べ、バスで1時間ほど行った古代ローマ遺跡の街、アオスタへ向かいました。
紀元前25年、ローマ帝国軍により征服、支配されたこの地にはたくさんの古代ローマの遺跡が残されおり、
「アルプスのローマ」と呼ばれているそうです。
当時の遺跡をそのまま保存、活用している町並みは圧巻です。
メインストリートには高級ブランド店から地元のお土産屋さん、レストラン、ジェラート屋さんなど。
レストランの前にはこんなものが!
「触らないで!」とイタリア語、フランス語で書かれた紙が置かれていました。
TLから「荷物からは目を離さないで。」と言われましたが、
この展示物が荒らされていない様子を見ても「ものすごく危険な感じ」は無いように思われました。
旬のポルチーニ。 食べたかったなぁ。
通りの先にはアウグストゥスの凱旋門。
再びメインストリートを戻りながらショッピング。
ここには特産のフォンティーナチーズがあるとのこと。 少し買って持ち帰りましたが、さっぱりしていてそのまま食べても調理しても美味しかった!
また、刺繍や機織りの産地でもあるということで、可愛い布製品の小物もたくさん売られていました。
教会です。
大理石の柱が美しい。
こちらは入場料が必要ですが、古代遺跡の劇場が見られます。
古代遺跡の向こうには、天気が良ければこれまた圧巻の山々が望めるはずです。
ここは平地なので遠くの山は見えないそうですが、アオスタの街も周囲にはたくさんのスキーリゾートがあるそうで、
それらのリフトやゴンドラに乗ればスイス、イタリア、フランスの高い山々は一望だそうですよ。
お土産屋さん。
photo by Kさん
そして歩き疲れたらジェラート。w
イタリアですからピスタチオのジェラート。 それにカシューナッツも付けてダブルで濃厚。w
両手に持っていますが、ひとつはお友達のですよ。w
楽しかった一日も終わり最後の晩餐。
サラダ、ピザ、パスタ、デザート、をお腹いっぱい頂きました。
前菜はリゾットでした。 これがアルデンテでねぇ!
炭水化物多すぎでしたが、もう本当に美味しかった! やっぱりピザはイタリアだわ、って。w
これだけ毎日ハードだったのに、帰りはホテルまでルームメイトと走って帰りました。ww
食べ過ぎ解消&ちょっと寒かったのです。
翌日は旅程最後の日、9月10日(水)。 出発が朝4時だったか、3時半だったか。 早朝にホテルをバスで出発してスイスのチューリッヒ空港へ。 眠い目をこすりながら荷物を運んでバスの座席に着くのがようやっと。 思い出にふける間もなく眠り込んでしまったかも。
それでも途中目を覚ますと行きにも見たスイスの牧場の景色。 夜が明けたばかりの光の中で美しかったなぁ。 また来たいなぁ。 スイスも良いなぁ、などと思いながら。
photo by TL鈴木さん
ラックブランにて
始めは夢物語のように思えていたこの旅行でした。 小屋泊もあり、山も歩くのに荷物はどうするの?、山の標高は?、登る山にムリは無い?、撮影技術の高い人ばかりだったらどうする?、私のような者が参加して大丈夫なの?、家の都合は?、仕事の都合は?、などなど。
それを調べたり考えたり、周りに説明したりするのが実は面倒なことでもありました。 日々の生活すら忙しく、そんな余裕はない、と。
けれど、とりあえず仕事は夏休み中で夏期講習にも被らずにすむ。 家の事情もクリアになった時点で時間的な制約が無くなった時、このチャンスを逃すのは一生の後悔、と思い踏み切った。 今その決断は正しかったなぁ、と本当に思います。
確かに準備には手間もかかりましたし、下調べは充分には行えなかった。 けれどそれでも一生の良い思い出になった、と思います。
ツアーリーダー鈴木さんや講師の柏倉さんは「一生の思い出に残る一枚を撮りましょう!」と言ってくださいました。 それが撮れたかどうかはわかりませんが。。。以前も言ったように柏倉さんのシェズリー湖での星空の一枚はこのツアーに参加するきっかけとなり、自分でも撮りたかった一枚。 天も味方して撮れた一枚は今となれば奇跡の一枚とも思えます。 あの現場に立てて、あの写真を撮れたことが、この先も「とても幸せなことだった」という思い出として残って行くと思います。
今回柏倉さんのシェズリー湖での写真を見ていなければ、このツアーに参加することは無かったでしょう。 もしくは違う写真が紹介され、その場所に感銘を受けていれば、このツアーではなかったのかもしれません。 「訪ねて行く良い土地」は限りなくたくさんあるでしょうが、私にとってはその一枚が今回の旅との縁になってくれたわけです。
更にはツアーに参加すると「山での写真撮影が好き」という同じ気持ちを持っている仲間に会う事が出来た。
講師の柏倉さんは撮影技術面だけではなく、登山から何気ない話まで気さくに話を伺う事が出来た。
またツアーリーダーの鈴木さんは単なるツアーコンダクターではなく、山登りにも撮影にも精通され、何を聞いても的確に応え、私たちの世話をしてくれた。
現地のガイド白野さんは30年もシャモニーに住んでいらっしゃる経験豊富な山岳ガイドのみならず、人間的にも熱さと柔らかさを兼ね備えた本当に素晴らしい人だった。
素晴らしい景色はもとより、こういう方たちのお陰で旅行中の全てが快適で楽しく充実したものだった。
photo by TL鈴木さん
そして。。。思うのは。。。
海外旅行なので行くと決めるまでに細心の注意と決断とを要し、大金を支払い、現地に着くまでに過剰な期待を持ってしまう。 海外なのでもちろん日本とは違う風景、文化を感じ、刺激を受ける部分もたくさんある。 地球上に生まれた以上、できることであればより多くの国々を、地球のあちこちを見て歩きたいものだ、と思う。 昔熱く感じていたそのような思いを再燃させられた気がしている。
けど、日本にいたってやはり気持ちは同じなのだ。 移動距離や旅立つまでの緊張感は少ないので、過剰ほどの期待は持たないのかもしれないけれど、「登れるだろうか。」「あの花は咲いているだろうか。」「山頂に立ったらどんなだろう? あの山々は見られるだろうか?」「雪はあるだろうか?」「岩場は、ガレ場は、ザレ場はどんなだろうか?」などなど。 ドキドキしてはやる気持ちを抑えられず登山口に向かう気持ちはやっぱり同じなのである。
そして今まで「行けるわけないだろう。」と思っていた山々に連れて行ってくれた仲間たち。 みんなで行って、おしゃべりしながら歩いたり、お昼ご飯を食べたりしながら楽しい思いを分け与えてくれた仲間たち。
もちろん一人で山に入り、静かに、ひとつの花に何十分も時間をかけてじっくり撮ったりすることも楽しくて。 けどそれも今まで仲間が教えてくれた知識や経験が色々生かされている。
そういう方たちに巡り合えた縁がすべて土台となっているなぁ、感謝しなくてはなぁ、と思っています。
日本でもあちこち行きたい所は山だけに山ほどあって困りますが、私は仕事柄、時には海外に出て刺激を受けなければ、という事も実感しました。 基礎体力作りに合わせ、語学学習にも再度力を入れようと考えるこの頃です。(^o^;
果たしてどれだけ続き、効果がでますやら。。。
ダラダラと長くなった旅行記でしたが、読んでくださった皆様、ありがとうございました。m(_ _)m