2017年9月3日(日)
白馬大雪渓を登る
9月3日(日)~4日(月)の日程で、8月に続き再び白馬岳に登ってきました。 ちょうど一か月前の白馬岳山行の後には「しばらく白馬はいいわ。」と思っていたのですが、ひと月経ちあの稜線のお花たちも秋のお花に変わっているだろうなぁ、と思うと無性に再訪したい気持ちにかられました。 この日程は以前より yukoさんが是非出かけたいと希望していたこともあり、yukoさんの希望地優先だと思っていましたが、8月に白馬に行けなかった yukoさんは白馬に行きたいみたい。 いぇ~い!(*^^)v
ただし、今回のルートは大雪渓を登り栂池に降りるというもの。 「大雪渓」という響きは私にはとても怖いものがあったのですが、色々な話を聞いたり、レポを読んだりしているうちに、逆に非常に興味が湧いてきました。 大雪渓の良い時期は過ぎ、コンディションは良くないようですが、まだ登れるようなので行ってみましょう!
3日朝は早朝に出発したほうが良いということで、2日の夜は前泊。 3日はあまり天気が良くない予報だったものの朝起きて歯を磨きながら外を見ると、なんとモルゲンロートの山々! あら。 何だか幸先良い!
栂池ロープウェイの駐車場に車を停め、猿倉まではタクシーで。
日曜日でしたが朝6時で駐車場はガラガラでした。
登山届を提出したら行きますよ~!(6:55)
猿倉荘の標高が 1,250m。 歩き始めるとブナやカンバなどの森がきれいです。
栂池自然園は標高約 1,900m。 八方池山荘は 1,850m。
白馬でこのような森を歩くのは初めてなんですね。
その分山頂までの標高差は増すわけですが、大丈夫だろか。
白馬尻までの林道を歩いていると木々の間から見えてきました!
いやぁ~、素晴らしいなぁ~!!
白馬尻小屋までは一時間ちょっと歩きます。
レイジンソウ?
白馬尻小屋が見えてきました!
ヤマハハコがまだきれい。 右端のピンクはカライトソウ?
photo by トレッキングさん
到着しました~!! ここで小休憩。 8:15
そういえば、今回はバテ&高山病防止のため栄養補給に気を付けようと考えてきました。 秘策は「食べられなくなる前に食べる!」w
朝も早起きでしたが、パン一個とバナナと野菜ジュースを詰め込みました。 おやつも小まめに摂るように心がけました。 加えてトレッキングさんがぶどう糖のキャンディーを持ってきてくれて、ちょくちょくいただきました。 高山病対策の薬も服用していました。 これは前回も使ったのですが。。。
最近は普段の山行でもエネルギー補給、疲労回復のためにクエン酸やアミノ酸サプリを飲んでいますが、なんだか良いように感じます。 けれどやはり食事はとても大切だと今回本当に感じました。 具合が悪くなる前に食物で栄養補給をしていたせいか夜になってもバテることなく、以前まで感じていた高山病のような症状もまったく感じませんでした。 その時々の体調もあり、今回はたまたまだったのかもしれませんが、実際とても快適で、山荘での食事もすべて食べられ本当に良かったのです。
オオレイジンソウもたくさん!
オオバミゾホオズキ
いよいよ大雪渓のすぐ近くにやって来ました。
見ると中央の雪のない所からは下に川が流れているのが見えます。 大きく空洞のようになっているのです。
「紅ガラからは絶対に外れず、ピンポイントで歩いて」という注意書きも見たので、とても緊張します。
ただ、雪渓の周りは雪が溶けたばかりの場所からお花が咲き始めているようで、
初秋のこの時期だというのにまだまだ春の目覚めを見ることができます。
ミヤマタンポポ
だいぶ上部からのスタートだそうです。 9:15
雪渓中央へは歩いていけません。 端の方をそろりそろりと登ってゆきます。
登るとすぐに雪のない斜面を歩きます。 何度かこのような繰り返し。
手前のイガイガはなんでしょう? 奥の白いものは広大なオニシモツケの群落。
登ります。 右雪渓中央には横向きに大きなクラック。
白馬尻で少し感じていた雨がだんだん強くなってきました。
バラバラと降ってくるわけではありませんが、時折サァ~、と降り付けます。
視界もだいぶ悪くなって、周囲はほとんど見えなくなりました。
見る物もないので、落石に耳をすませ、足元に注意して淡々と登っていると。。。
突然サァ~ッと雲が流れてゆき、雪渓両脇の斜面が一瞬で現れました!
これには本当に驚かされました!!
この後も雲はまた押し寄せてきたり、引いて行ったり。
気が付けば雪渓のだいぶ上部まで来ていました。
その後すぐに右側の斜面にとりつき、アイゼンを外して山頂への稜線まで一気に登ります。
辿り着いた右側の斜面は 葱平( ねぶかっぴら)付近。 お花がたくさん咲いています。
本当にたくさん咲いていたうす紫色のミソガワソウ。
先がピンク色なのはクロトウヒレン。
葱平( ねぶかっぴら)の名前の由来となったシロウマアサツキ?
雪渓上部の薙ぎのような所を横切ってゆきます。 水も流れていて緊張。
雪が削り取ってゆく荒々しい斜面。 もっと広範囲で撮りたいのですが、大きくて近くて収まりきらない。
タカネナデシコもまだ見られました。
遠く雪の近くにはウマノアシガタでしょうか、大きな群落。
トリカブトは今を盛りに。
そして、ミヤマアケボノソウ! 残念ながら下の方の一輪しか咲いていませんが。
上部の方の雪渓が崩落し、雪の下は大きな空洞なのが良くわかります。
手前にはお花畑がひろがります。
ミヤマクワガタ
ヨツバシオガマもまだこんなにたくさん咲いていました!
標高が上がるほどお花の面積が広がり、うわぁ~と見入ってしまいます!
12:55。 ようやく避難小屋まで来ました。 大雪渓通過からここまで3時間40分。
避難小屋内部はとても狭く、きちきちで4人くらいが座れるようになっています。
外は寒いし雨も降るかもしれないので、室内でお昼ご飯をいただきました。
体調は良く、お昼ご飯もしっかり食べられました。 つづく。
雪渓上部の薙ぎのような所の木で渡された橋のところが小雪渓で本来、左側から右側に雪渓を横切る場所でしたので秋道歩きが多く避難小屋までが遠く感じました。
初夏に大雪渓から行ったらお花畑や白馬の稜線に花がいっぱいで先に進むこと出来ないだろうなっと思ったほど、この時期でもお花が有りましたね。
秋の花も楽しめました。
お陰様で私も少しずつ花の名前が分かるように成りました。
今回は本当に調子よくて、自分もとても楽しく過ごせました!
もちろん具合が悪くなっても「また来たい!」と思うほどですから、
自分も懲りないなぁ、と思いますが、
それ程ひどい症状ではないということだと思いますので、
なるべく放っておいてください。
そこが小雪渓だったのですね!
だとするとずいぶん急斜面のトラバースだと思いますが、
もっと雪があればそうでもないのかな?
この時期でもまだまだ思った以上にお花があって、
雨でカメラを封印している時間が無ければもっと時間がかかりましたね。w
初夏ならなおさらですねぇ~。
山荘で待っていてくれれば結構ですので、また行きましょう!
今年もアイゼンを装着せずにトラバースしようとした登山者が滑落事故を起こしてます。
白馬岳だより
http://www.hakuba-sanso.co.jp/hakubasanso/archives/4023
ステップ切りのお仕事、ありがたいですね。
谷川岳に登った時も雪面はきれいに整備されていましたね。