坂本龍馬を殺したのは幕府見廻り組です。例によって様々な「黒幕説」「陰謀論」がありますが、説得力のあるものはありません。
明治期になって、坂本龍馬はほぼ忘れられた存在になっていましたが、日露戦争直前に皇后の夢枕に立ったとかで話題になり、龍馬ブームが起きたようです。
皇后の夢がそう簡単に外に漏れるわけはないので、土佐派の政治的な動きがそこにはあったのでしょう。
司馬さんが竜馬がゆくを書いたのは昭和37年で、そこから今に至るまで龍馬は大人気です。実は私はさほど魅力を感じないのですが。
暗殺は近江屋で起こっています。
相当危ないことは分かっていたでしょうから、藩邸にいればよかったわけです。でも土佐藩邸には色々理由をつけて入りません。薩摩藩邸への誘いも断っています。
理由は色々とつけてはいますが、藩邸は嫌いなのです。龍馬は郷士です。結局それが命取りになりました。
後藤象二郎の依頼で山内容堂の手紙を春嶽に届けているぐらいですから、藩邸が泊めてくれないということはなかったでしょう、脱藩の罪ももう免除されていた。それでも嫌がった。
となると、
初代藩主である山内一豊の苛烈な長曾我部侍圧迫政策が、結局はまわりまわって、龍馬の死をもたらしたということになります。
一豊が海岸で相撲興行を行って、やってきた長曾我部侍のうち有力なものを虐殺した、というのは「史実ではないだろうな」と思っていたのですが、半分ぐらいは本当のようです。
ちゃんとその時の侍の霊を鎮魂する行事も近年行われています。「相撲」の部分は嘘らしいのですが。
小説「功名が辻」ではこの事件が「オチ」となります。千代は一豊を出世させることが面白く、人生かけてそれをやってきて、結局「虐殺か」ということになり、大きな空虚に襲われます。
そして一豊に言うのです。結局のところ、あなたは国主の器ではなかった、無能な人間が人の上にたつのは罪である。
今手元に小説がないので、正確には違いますが、まあ「そんなこと」を言います。
結局この事件をはじめとする、長曾我部侍強権圧迫政策の「名残り」が幕末まで続き、龍馬をして「藩邸なんぞに泊まるものか」という行動をとらせたわけです。
小説「功名が辻」は千代が一豊を評して「あなたはしょせん馬鹿だった」というところでほぼ終わっています。
初めて読んだとき、そこがたまらなく面白く感じました。
大河ドラマの方は「黒田如水が暗躍し、土佐を早く治めないといけないので、仕方なくやった」ことになってました。
まあどっちもフィクションですから、文句をいう筋でもないですが、小説の方には「身に合わない出世をすると、それ自体が悪害をもたらす」という視点が入っていることは強調したいと思います。
明治期になって、坂本龍馬はほぼ忘れられた存在になっていましたが、日露戦争直前に皇后の夢枕に立ったとかで話題になり、龍馬ブームが起きたようです。
皇后の夢がそう簡単に外に漏れるわけはないので、土佐派の政治的な動きがそこにはあったのでしょう。
司馬さんが竜馬がゆくを書いたのは昭和37年で、そこから今に至るまで龍馬は大人気です。実は私はさほど魅力を感じないのですが。
暗殺は近江屋で起こっています。
相当危ないことは分かっていたでしょうから、藩邸にいればよかったわけです。でも土佐藩邸には色々理由をつけて入りません。薩摩藩邸への誘いも断っています。
理由は色々とつけてはいますが、藩邸は嫌いなのです。龍馬は郷士です。結局それが命取りになりました。
後藤象二郎の依頼で山内容堂の手紙を春嶽に届けているぐらいですから、藩邸が泊めてくれないということはなかったでしょう、脱藩の罪ももう免除されていた。それでも嫌がった。
となると、
初代藩主である山内一豊の苛烈な長曾我部侍圧迫政策が、結局はまわりまわって、龍馬の死をもたらしたということになります。
一豊が海岸で相撲興行を行って、やってきた長曾我部侍のうち有力なものを虐殺した、というのは「史実ではないだろうな」と思っていたのですが、半分ぐらいは本当のようです。
ちゃんとその時の侍の霊を鎮魂する行事も近年行われています。「相撲」の部分は嘘らしいのですが。
小説「功名が辻」ではこの事件が「オチ」となります。千代は一豊を出世させることが面白く、人生かけてそれをやってきて、結局「虐殺か」ということになり、大きな空虚に襲われます。
そして一豊に言うのです。結局のところ、あなたは国主の器ではなかった、無能な人間が人の上にたつのは罪である。
今手元に小説がないので、正確には違いますが、まあ「そんなこと」を言います。
結局この事件をはじめとする、長曾我部侍強権圧迫政策の「名残り」が幕末まで続き、龍馬をして「藩邸なんぞに泊まるものか」という行動をとらせたわけです。
小説「功名が辻」は千代が一豊を評して「あなたはしょせん馬鹿だった」というところでほぼ終わっています。
初めて読んだとき、そこがたまらなく面白く感じました。
大河ドラマの方は「黒田如水が暗躍し、土佐を早く治めないといけないので、仕方なくやった」ことになってました。
まあどっちもフィクションですから、文句をいう筋でもないですが、小説の方には「身に合わない出世をすると、それ自体が悪害をもたらす」という視点が入っていることは強調したいと思います。