散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

司馬作品が次々映画化・峠・燃えよ剣

2019年05月30日 | 司馬さん
司馬作品が映像化されるのは嬉しいのですが、

燃えよ剣は岡田、原田コンビで「関ヶ原」と同じです。嫌な予感がします。

峠は役所広司です。素晴らしい役者さんですが、年齢が違います。峠の河井継之助は幕末段階で41歳です。役所広司さんは63歳です。41というと山本耕史さんとかオダギリジョーさんの年齢です。
長谷川博己も41歳。

燃えよ剣は何回か映像化されています。峠は初めてでしょうが、河井継之助自体は何度か描かれています。

燃えよ剣は新選組ですね。唐突ですが、新選組ものが苦手です。内部抗争ばっかりなのです。仲間同士で殺し合いばかりしている。殺伐としています。

峠は河井継之助だけだとちと華に欠けるというか。

敵に華があればいいのですが、敵は山県有朋と岩村と江戸の村田蔵六です。西郷が行った時には北越戦争は終わっています。

史実のしばりがあるので、冒険もしにくい。

十一番目の志士あたりならば、主人公が架空の人物なので冒険もできます。




岡田版・白い巨塔に感謝する・いいところを書く

2019年05月30日 | 白い巨塔
いだてん、を見ていないので、ネタに困る感じもあります。そういう時に「現代ドラマの大河ドラマ」とでもいうべき「白い巨塔」をリメイクしてくれたことに大いなる感謝です。ついでに唐沢版も早送りながら見たので、楽しめました。

感謝の気持ちで岡田版の「いいとこ」を書きます。

1、音楽にもいいところが

私は音楽に詳しくないのですが、ピアソラ風の部分はいい。ピアソラなのか兼松さんの作曲なのかはわかりません。「ラビリンス」という桜井幸子さんのドラマを思い出しました。

2、里見先生の優しさと自然体

社会派ドラマとして「見ない」ならば、里見先生は自然体でいい感じです。江口さんは財前とともに主演なので熱かった。
特に最終話。なんで他の病院の内科医がずっと財前専属で診ているのか、という疑問は残りつつも、実にいい先生だった。ヒューマンドラマとしては最終話は大成功です。
柳原に対しても学位の面倒をみると実に親切。東佐枝子の告白を、それとわかりつつ、自然に受け止め受け流す感じも良かったと思います。

3、柳原先生

伊藤英明さんは、本当のことを言った後もずっとオドオドしてました。満島さんはふっきったように信念を取り戻し、原作通り無医村に行きます。
その前に野田華子と深い関係になるのですが、「すみません」「いいえ」という演出。野田華子さんの包容力、母性が魅力的でした。
昭和の昼メロみたいでしたが、実は昭和の昼メロを見たことがないので断定はできません、ただ「懐かしい感じ」がしました。

4、東佐枝子

矢田亜希子さんは好きですが、唐沢版の佐枝子さんはデリカシーに欠ける部分があります。奥ゆかしさにかけている。自然と自己中心的なのです。で、里見妻は苦悩します。
飯豊まりえさんの佐枝子は奥ゆかしい。最後に日本から出ていくことを前提に(田宮版ではネパール)、里見に愛を「遠まわしに」告白します。
「そこには里見先生のような方もいるかも知れない」
少しまごつく松山さんをまっすぐに見つめ、「さようなら、里見先生」、、、実にいい演出です。

5、亀やん 地に生きる庶民

風と共に去りぬの主人公は、最後に「タラの大地とともに生きる」ことを誓います。
この亀山君子の旦那、町工場の亀やんはまさに「大阪の大地とともに生きる庶民」です。
人間は金でなんとなると思っている財前又一の首を締め上げ「正々堂々生きてきた俺はお前らみたいなやり方は大嫌いなんじゃ!」と叫びます。
地とともに生きる庶民の正直さ、清廉さを象徴していました。

というわけで、いいとこも多い。岡田版白い巨塔に感謝です。

財前教授の総回診です。白い巨塔。現実にはどうなのか。

2019年05月30日 | 白い巨塔
特に唐沢版では、総回診がクローズアップされます。毎回、教授の総回診ですという出だしで始まります。

長いこと大学病院に入院したことはありません。家族もない。だから実際が分かりません。

実際の外科医が書いたものを読むと、総回診はある、そうです。

ただし
①アナウンスはない
②横に広がるなんてありえない
③先頭は教授ではない
④階段ダッシュで教授を追いかけたりはしない
⑤厳粛な雰囲気ではない
⑥患者の前で治療方針を論議したりしない

そうです。

横に広がらないのは「通行の邪魔」だから。リハビリで歩いている人。点滴つけて歩いている人がいるわけです。横に広がったりすると「先生邪魔」と看護婦に注意されるそうです。

実際は「細長く縦になって、廊下のはしを歩く」そうです。カルテはノートパソコン、ノートパソコン載せて歩く姿は僕も総合病院で見たことがあります。

患者の前で論議をしない、なんてのは当然ですね。そんなことされたら不安で仕方なくなる。

手術で「メス」とかもないそうです。メスは丁寧な扱いが必要だし、そもそも「メス下さい」「メス返します」と敬語を使うそうです。特にメスは落としたりすると怪我をするので、下さい、返しますと貴重品のように扱うようです。

前に小さな手術を局部麻酔で受けました。そういえば医師と看護師の会話はなかった。自然と計画通り器具を渡して返していたのだと思います。

開けてみたら術前診断と違って病巣が広がっているなんてこともほぼないそうです。むろん急に術式を変えたりもしない。ほぼ計画通りの病巣で、計画通りに手術をこなすようです。

「細長く縦になって歩く」のは当然ですね。病人がヨロヨロ歩いているのだから、広がるわけがない。しかしそれでは「ドラマにはならない」わけです。

昨日見た夢を漱石風にアレンジしてみる

2019年05月30日 | 日記
気がつくと僕は女をおぶって歩いている。香水の香りがする。どうやら若い女らしい。背中に豊かな乳房の重みを感じる。でも女は顔を僕の首筋にぴったりつけているので顔も見えないし、誰かもわからない。
「バラが綺麗ね」と女が突然言う。
まわりは暗闇である。バラが見えるわけはない。と思って見てみるとまっくらな闇の中でバラの赤い色だけがはっきりと見えている。
バラを見ていたら是非とも女の正体を確かめなくてはいけない気がしてきた。たしかめないとこの先生きてはいけないような気がしてきた。
「君は誰だい」と僕は聞いてみた。
「誰って、わかってるじゃないの。あなたは精神科医でしょ」と女は言う。
「精神科医だってなにもかもがわかるわけじゃない」
「ふーん、そう」と言ったきり女は黙っている。
しかたないから僕は女をおぶったままバラの咲く道を歩き続けていった。
「明美だったんじゃないの。あたしは。」と女はまた突然言う。
そういわれると明美のような気持ちになってくる。
明美は友人の紹介で出逢った女だ。たしかIT関係の会社で営業をしているとか言っていた。凄く綺麗な子で、話が面白かった。
「精神科の医者なんかやってると自分もおかしくなるでしょ」
と女は急に変なことを言い出した。
するとだんだん不安になってくる。僕は正常なのか。異常なのか。判然としなくなってくる。
とにかくおかしな女だ。
きっと明美じゃないのだろう。だから。
「君は明美さんじゃないだろ。嘘をいってはいけないよ」と僕は言った。
「嘘って、嘘をついてるのはあなたじゃない。あの時は傷ついたのよ。物凄く。」と女は静かに言う。
こうなると、たまらなく女がこわくなってきた。早く目的地について女を降ろしたいのだが、自分がどこに向かって歩いているのかもわからない。前を見ると小さな光があって、道の周りのバラは今度は黄色い色に変わっている。
「いったいいつになったらこの道は終わるんだい」と僕は聞いた。
女は首筋のあたりで、にやりと笑って、その後少しすすり泣いた。
それから首をぐいと伸ばして顔を僕の正面に向け、あの女の声でこう言った。
「終わるわけないじゃない。まだはじまったばかりなんだから」
するととたんに、女の体がふっと軽くなった。と思ったら、すぐにズンと重くなって、僕の罪が全て分かった
僕は限りない哀しみに涙をながしながら、重く切ない女の体を背負って、今度は紫色に光始めたバラの咲く道を、どこまでも永遠に歩き続けていた。

白い巨塔の感想を、沢山書いて思ったこと。

2019年05月30日 | 白い巨塔
私のように、基本的に文字だけで、考察や感想を書いている人間は少ないようです。

・ツイッターの感想が多い。
・ツイッターの感想を「まとめ」ている方も多い。
・白い巨塔に特化して、画像を用いながら、考察や感想を書いている方も多い。
・最後は宣伝につなげる方も多い。

「文字だけで」感想を書いている方の意見を参考にしたかったのですが、少ないですね。

私もツイッターのアカウントは持っていますが、ほぼ使いません。字数制限が面倒だからです。

あと画像もどうもうまく載せられません。テクニックの問題です。

ネットは進化してるのか、退化しているのか、と考えました。

白い巨塔・遺言のパロディ・同意はしないが面白い

2019年05月30日 | 白い巨塔
どなたかの投稿の中におもしろいものがありました。
わたしはジャニーズにはこだわらないので、同意はしませんが、面白いので転用させていただきます。

フジテレビへ

このドラマをもって僕の局としての最後の仕事とする。
まず、僕の失敗を解明するために、TBSに本作の視聴をお願いしたい。
以下に、ドラマについての愚見を述べる。
ヒットドラマを考える際、第一選択はあくまでジャニーズである
という考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、
キャスト決定の時点でミスマッチや設定との齟齬をきたした作品症例
がしばしば見受けられる。
その場合には、脚本を含む設定改変が必要となるが、
残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからのドラマの飛躍は、ジャニーズ以外の起用の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない局であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君にはドラマの発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、ジャニーズよる主演がこの世からなくなることを
信じている。
ひいては、僕の屍を解説の後、君の月9の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。
なお、自らドラマ製作の第一線にある局が上手く映像化できず、
五夜連続で死すことを心より恥じる。                     

テレ朝

なお、原文は以下の通りです。

里見へ

この手紙をもって僕の医師としての最後の仕事とする。
まず、僕の病態を解明するために、大河内教授に病理解剖をお願いしたい。
以下に、癌治療についての愚見を述べる。
癌の根治を考える際、第一選択はあくまで手術であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、
発見した時点で転移や播種をきたした進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、抗癌剤を含む全身治療が必要となるが、
残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの癌治療の飛躍は、手術以外の治療法の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない医師であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には癌治療の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、癌による死がこの世からなくなることを信じている。
ひいては、僕の屍を病理解剖の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。
なお、自ら癌治療の第一線にある者が早期発見できず、手術不能の癌で死すことを心より恥じる。