鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

第何話が好き?―作者の選ぶベスト10(前)

連載小説『アルフェリオン』、これまでに公開が済んだ44話までのうち、読者の皆様が一番好きな回は第何話?(^^;) ふと思い立って、あくまで作者個人の好みによるベスト10を選んでみました。

順位は、必ずしも出来具合とは関係ありません。また、ストーリー展開上は非常に重要な話であっても、ベスト10に入っていない回もあります。「印象に残った回」のベスト10等々となれば、今回とはまったく違う結果になり得ます。

まず今回は第10位~6位までを挙げてみました。

 ◇ ◇

■ 10位 第1話「白銀のアルマ・ヴィオ」

記念すべき第1話が10位というのもなんですが…。まだ初回なので、登場キャラも少なく、これといったストーリーの劇的な展開もないですからね。

とはいえ、『アルフェリオン』という物語のもつ独特の世界観や感傷的な雰囲気は最初から良く出ていると思います。そこを評価して第10位に。第1話を読み進めていくにつれ、一見、物語のパーツやキャラなどについては良くも悪くも既視感のあるもののオンパレード(笑)なのに、そのくせ寄せ集めた全体としては、どんな話とも雰囲気が意外に違っているというか…。

初回というだけあって時間をかけて中身が練られているせいか、お話の構成にも無理や無駄がなく、他の回と比べ、文体も比較的よく出来ている方ではないでしょうか(笑)。

■ 9位 第43話「レーイ」

最近書いた回の中では、気に入っています。イーヴァとレプトリアを相手に奮闘するカヴァリアン。広義の「巨大ロボット」物の戦闘シーンを活字のみで描写するのは本当に大変ですが、この回の戦闘は、私が書いた中ではなかなかよく書けている部類に入ると思います。

地味に熱い、レーイの隠れ熱血ぶりが心ゆくまで味わえます(笑)。何やら過去の回想シーンまで出てきて。そういえば、特定のキャラの名前がサブタイトルになっている回は、いまのところ第43話だけです。主人公より先にレーイの名がサブタイになるとは…。さすが、真の主人公?(違います)

これまで清純で生真面目であったカセリナが壊れて狂気をむき出しにしたり、最後までカセリナを守ってレーイに立ち向かうザックスの戦いぶり、あるいはイーヴァの覚醒など、読ませる場面は多いです。

■ 8位 第18話「暗雲、来たりて」

何と言っても、少年主人公の「成長」がメインの回なのでしょう。ナッソス公爵との議論の中で、次第に己の生きる意味や戦う理由について思索していくルキアン。こういう地味回にこそ、ルキアンの魅力が発揮されていたりします(^_^)。

とはいえ、他の見所もいっぱいです。冒頭の旧世界人の「日記」に書かれた思わせぶりな内容から、旧世界滅亡の謎にかかわるクレヴィスとシャリオの会話へ。「沈黙の詩」に予言された世界の終末、旧世界の滅亡に関わった「紅蓮の闇の翼」、エインザールの赤いアルマ・ヴィオに関する伏線が徐々に明らかに。

戦いの中でのカリオスとミシュアスの初顔合わせ、好敵手になりそうな予感? また、特務機装隊の機体である不気味なインシディスの群れと、これを一蹴するパラス騎士団の圧倒的な強さ。そしてパラス騎士団と対峙するアレス。主人公のルキアンは地味な役回りに徹していますが、彼以外のキャラが繰り広げる戦闘シーンもなかなかよく書けていると思います。

■ 7位 第33話「星々の胎動」

こういう、謎の新勢力登場!といった回は、書き手の側としては楽しいものです(^^;)。現世界の大乱の背後に存在する、旧世界以来の人と人ならぬ者との因縁の戦いについても、この回で新たな情報が一挙に出て参りました。

星を読み、ルキアンをはじめ、カリオス、グレイル、イアラという「御子」たちの動向を占うアマリア。御子のリーダー的な貫禄があります。彼女とフォリオムの会話の中にも、人ならぬ存在との戦いについての伏線が出てきていますね。

また、戦いを終えたグレイルや、王に到着していわくありげな便利屋に助けられたアレスについても描かれ、まさに様々な「星」たちが今後に向かって胎動しているような様相。

しかし、肝心の主人公のルキアンは、この回には空気だという…。

■ 6位 第26話「孤軍」

カリオスにスポットライトを当てた回です。彼の戦いぶりや、漠然としながらも苦渋に満ちた過去の回想。いや、実はカリオスも真の主人公みたいなキャラですからね。この回で、リューヌの他にもパラディーヴァが存在し、ルキアン以外のマスターもいる、ということが判明しました。

カリオスの戦いの裏で、ルキアンとシャリオの問答も印象的。戦うこと、正義、平和、人生、そういったものに関する二人の思いが綴られてゆきます。シャリオさんは、地味なシーンでの登場が多いですけど、いい仕事をしますね(笑)。

ラストの場面も好きです――樹海の奥に開けたいにしえの遺跡、そこにたたずむ美少年テュフォン、旧世界の滅亡と現世界の行く末を暗示する壁画。謎に満ち、それでいて美しいシーンでした。実は、物語の結末への伏線としても、一二を争うほど重要な場面なのです(そうは見えないと思いますが…^^;)。

ちなみに偶然ですけど、この「孤軍」の回をはじめ、第31話「御子」や第19話「序曲」を含め、二文字のサブタイをもつ回にはこれまで興味深い話が多く、ハズレがありません。「二文字回」は当たるというジンクスがあるのかもしれません(笑)。そういえば、次回46話「深淵」も二文字のサブタイですが…。

続く
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