■中村祐輔のシカゴ便り~これでいいのか、日本の医薬品貿易赤字額は年間で2.46兆円!
エキサイトニュース 2016年2月6日
https://www.excite.co.jp/news/article/HealthPress_201602_246/
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日本の医薬品貿易赤字は、予想通りの数値だった。
財務省から、2015年度の貿易統計の速報値が公表された。
日本全体の貿易赤字額は2014年の約12.8兆円から、2015年は2.8兆円へと改善している。
もちろん望ましい傾向だ。
それでは医薬品の貿易赤字額はどうなったのか?
なんと、前年度の1.86兆円の赤字から、2.46兆円の赤字と大幅に拡大している。
国全体の貿易赤字と比較すると、医薬品の赤字額は87%に相当する額だ。
医薬品輸出額は1100億円程度増加して健闘しているのだが、輸入額が7000億円増えている。
ボクシングなら、1発打ち返したら、6-7発打ち返され、ボコボコにされているようなものだ。
・乏しすぎる日本の医薬品開発の戦略
赤字額は2000年には2205億円だったが、その後、15年連続で増加し、2015年には10倍以上拡大したことになる。
本当にこのままでいいのか!
1990年代の赤字額は10年間すべて2000億円台だったので、いかにこの分野での日本の競争力が損なわれているのかが一目瞭然だ。
日本医療健康開発機構1)なるものを発足させたが、この著しい競争力の劣化にどのように対応しようとしているのか、ほとんど見えてこない。
研究で求められる戦略と薬剤開発に求められる戦略とは大きく異なるのだが、すべて同じ物差しで計ろうとしているのではないだろうか?
大学研究者の論文を書くためのロジックとは、全く異なるロジックを組み立てて推進しなければ、この医薬品貿易赤字は、さらに拡大することはあっても、縮小できる可能性は少ない。
オンコセラピー・サイエンス社がもっと頑張るしかない。
ここまで来ると、日本は新規薬剤など開発せず、ジェネリック医薬品で医療をまかなえばいいという声もあがってきそうだ。
もちろん、欧米では治療薬が手に入り、日本では手が届かない、これではG7を開催する国だと誇りに思えるはずもない。
しかし、医薬品開発を進めるには、日本の戦略は乏しく、投入する資源も限られている。
まるで、昭和18年以降の太平洋戦争の様相だ。
このままでは、頑張っている人たちの心の糸も切れてしまうのではと心配だ。
自国の国民を治療するための医薬品をここまで海外に依存していいのか!
医薬品の開発戦争は、人の命を救うための闘いだ。
この闘いに参加せずして、日本人の誇りが保てるのか!
日本国としての矜持の問題だ。
ちっぽけな面子や学閥など捨てて、若者たちよ、声をあげよ!。
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中村祐輔のシカゴ便り~これでいいのか、日本の医薬品貿易赤字額は年間で2.46兆円!
エキサイトニュース 2016年2月6日
https://www.excite.co.jp/news/article/HealthPress_201602_246/
■医薬品輸入超過5年連続2兆円超?パラダイムシフトに遅れた日本
アゴラ 2019.07.29 中村祐輔(医学者)
https://agora-web.jp/archives/2040618.html
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今年の上半期の貿易統計値が公表された。
上半期の医薬品輸入額は約1兆4916億円に対して、輸出額は3642億円であるので、1兆1274億円の赤字となる。
下半期の赤字も同程度とすると年間で約2兆2500億円の赤字になる。
このままでは、5年連続の医薬品貿易赤字2兆円超えがほぼ確実である。
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医薬品輸入超過5年連続2兆円超?パラダイムシフトに遅れた日本
アゴラ 2019.07.29 中村祐輔(医学者)
https://agora-web.jp/archives/2040618.html