またしても吸い殻を捨てる人を見かけたある日のことだ。
すぐそれを拾って、落とし主を追いかけてみた。数m前を行くその人の後ろから肩をたたく。
「もしもし、落し物ですよ」
振り返ったその人が、不思議そうな顔をする。
「これ、あなたが先ほど道に落されたのに、気付いていらっしゃらなかったようなので」
吸い殻をさし出すと、落し主は、驚いたような顔で手を出し、それを受け取った。
「あ、ありがとうございます。すいません」
最後には戸惑ったようすで礼を口にした。
筆者が実際にやってみたときの話である。
今朝の朝刊に載っていたコラム。
「こら!こんなとこに捨てるな」と怒鳴るのも一つ。
「すみません。こんなとこに捨てないでください」と言うのも一つ。
でもこんなやり方もあるんだ。 一度試してみよう。勇気ががいるけど。
大概の場合は見て見ぬ振りをするのが普通ではないか。
ダメだね。ここは勇気をもって・・・。
車の窓から平気で灰皿ごとひっくり返して行く人がいるけど、こんな人には恐くて言えない。