鉢木は42ページの長い物語だ。余計なことを書いてある部分が少なくわりと理解しやすい。
北条時頼は旅僧となって諸国を巡っていたが信濃の国で冬となり、大雪で前後が弁えることが出来なくなったので一先ず民家を探して泊めてもらうことにしたが、見つけた民家に断られた。
民家の奥さんの機転で主人は思い直して僧の後を追った。
家が貧しくて十分なおもてなしが出来ない。夜が更けて寒くなったので、大事にしていた鉢の木を薪にした。
僧が主人の名を聞くと、佐野の源左衛門常世と名乗った。
今は落ちぶれてはいるけど元は立派な武士だった。いざ鎌倉にことあれば真っ先にかけ参じて、云々。
間狂言 網掛けした部分で狂言師が登場する。狂言師も一役買って出る。
それが本当かどうか確かめるために時頼は鎌倉へ帰ると関八州の所侍を集めた。
常世は時頼のもとへ呼び出され、首を取られるのかとおもったが、
思いがけずご褒美を貰うことになった。加賀に梅田。越中に桜井。上野に松枝。
こんなに遠くに領地を貰ってどうやって管理していくのか。
北条時頼とは本当にいた人物らしい。引退後は本当に旅僧となって諸国を巡って視察して歩いていたらしい。生きていたのは1227年から1263年と載っているので計算すると36年間しか生きていなかったことになる。ストーリーの内容からして50歳を過ぎていると思っていたら意外と若かったのだね。今の20代、30代は政治家としてはまだひよっ子なのだろうけどね。さて、佐野源左衛門尉常世とは何歳だったのだろう。