2022年3月15~16日乗鞍岳PW報告
関西大学体育会ワンダーフォーゲル部
・参加メンバー
PL-OB(A)、SL-2回生Y、2回生N、2回生I
・総括OB(A)
我が部では冬期においては立山、白馬乗鞍、乗鞍岳をベースに雪上訓練を実施しているが、今回は事前1月21日22日にOB(A)がコース偵察を行いリスク評価した前提条件で乗鞍岳一帯にてPWを実施した。本来であれば部員全員参加の活動で、正規合宿として計画するのが望ましかったと思われるが、部員間にて山に対する意欲が大きく違っており、意欲ない者が事前準備を疎かにした状態で活動参加となると事故の要因となりえるのではないかと考え、今回は事前の準備に積極的に取り組める有志での活動実施とした。たまたま好天での活動を実施することができたが、積雪期の活動というものには、停滞・沈殿、悪天候での撤退などの可能性が高いという認識を持ってもらう必要もある。
・行動内容
3月15日火曜日
14時00分ブルーリゾート乗鞍リフト始発点1477m入山・体操・入山連絡
15時00分かもしか平標高2000mテントサイト到着後テント設営弱層テスト(表面の層は雨が降った後に固まった様な状態になっていた。踏むとパキパキと割れるような雪質であった。)
16時00分天気図作成、食当
17時00分ミーティング
17時30分夕食
19時00分就寝
3月16日水曜日
4時00分起床
5時40分体操・出発
6時50分ツアーコース2330m付近にてダウン1当部OB位ヶ原山荘管理人のMさんに会い挨拶を行う。Mさんは所用のためそのまま下山される
8時00分トイレ付近2600mにてダウン2
アイスバーン地帯突入の前に滑落停止アイゼン歩行の確認を行う。
10時10分剣ヶ峰3025m
11時00分トイレ付近2600mにてダウン3
12時20分テントサイト1かもしか平2000mにてダウン4テント撤去
14時35分ブルーリゾート乗鞍リフト始発点1478mにて下山連絡・解散式
・気象報告
・雪の状態が変化に富んだコースであった。コース上にて3か所死亡雪崩事故が発生しているため、部の活動を実施する場合には対策を2重3重にする必要がある。雪崩に関しては那須高原の死亡事故発生以来学生登山においては特に対策が必要と思われる分野であるので部としての雪崩対策指針の策定も急務である。天候は安定していたが位ヶ原~剣ヶ峰エリアは体が吹き飛ばされるくらいの爆風エリアである。ネットに溢れる個人山行レポートなどでは悪天候時での行動登頂も見られるが我が部においては悪天候時の剣ヶ峰アタックに関しては禁止したほうがよいのではないかと思われる。無謀なアタック・前進を実施してはいけないというルール作りなども積極的に協議を重ねたい。
3月15日
14時00分標高1480mリフト始発点
気温7度:晴れ:風力2:風向西:雲向東:積雲:ざらめ雪
3月16日
5時40分2000mかもしか平
気温0度:晴れ(ガス):風力3:風向西北西:雲向:東南東:巻層雲:しまり雪
夜間は放射冷却により雪面が固くなっていた
8時00分2600mトイレ付近
気温2度:晴れ:風力6:風向北西:雲向:東:巻層雲:しまり雪一部氷化
10時10分3025m剣ヶ峰
気温-3度:晴れ:風力7:風向北西:雲向:東:巻層雲:アイスバーン
シリセードで下山中パトロール隊より注意を受ける2300m付近にて(アイゼンをつけたままだった為)トラブル回避の為、部の活動ではグリセード、シリセードは控えた方が賢明であると思われる。滑落停止に関しても実施する場合は絶対に安全を確保できる場所で行う必要がある。
13時00分2000mかもしか平テントサイト1
気温5度:晴れ:風力1:風向西:雲向:南東:巻層雲:ざらめ雪
・装備報告
この山域ではやはり山スキーでの行動をするのが効率良いと感じた。次年度はスキー場にて訓練実施後入山するという計画を組んでもらいたい。
・衛生報告
ミーティングでパルスオキシメーターを使用してSp02の計測を実施したが、数値低下しているメンバーがいた。疲労・過労の初期症状であり高山病の要因ともなりえる。各自忙しいと思うが入山前の体力回復に努めるのも山行成功の重要な要素である。
・食糧報告
不必要な食料が多かったのではないかと思われる。燃料節約の為水を歩荷したが、水作り経験もあまりないため、テントサイトで水作りをしたほうが良かった