暫定版:関西大学体育会ワンダーフォーゲル部活動報告

登山、自転車、積雪期登山などを中心とした活動を実施してます。

2024年度8月夏期合宿(男子)延長班報告書より

2024-09-23 21:27:22 | 現役活動報告

 

<総括>  

文責 PL3回生T

今回の合宿では同時進行していた本合宿班においてエスケープ並びにエスケープ中の滑落事故が発生した上、近年稀に見る勢力の台風10号接近によって延長班もエスケープせざるを得ない状況になるなど難しい判断を多く迫られる結果となった。まず、本合宿班のエスケープ及びエスケープ中の事故に関しては班間での情報共有不足により2日目行動中に初めて監督経由で知る事態となりパーティー内で混乱を招く事態となってしまった。これは2パーティーで行う山行においてあってはならない事であり、テン場出発前に必ずパーティー間で情報交換を行うなどの再発防止策を講じる必要があると考える。次に台風10号接近によるエスケープであるが、エスケープに至った経緯は別途まとめるとして 結果として班員全員が気力・体力共にまだある状態で本来7泊8日であった行程を4泊5日に短縮してエスケープせざるを得なくなったのは非常に悔しいものであった。しかし、下山後27日より台風10号の直撃は免れたものの 台風による湿った空気の流入により東海地方を中心に大雨が降り続き林道が閉鎖、公共交通機関も機能不全に陥っている状況を鑑みるとエスケープの判断は間違っていなかったと言えるであろう。また、エスケープをしたとはいえ正規合宿としてはコロナ禍後最長の4泊5日で獲得標高5000m水平距離にして44kmものかなりハードな行程をほぼCT通りに完踏できたのは班員各自の今までの努力故にである。故に班員各自には、この合宿を通して学んだ事、このハードな行程を完踏したという自信を持って今後の活動も頑張って貰いたい。

 

<エスケープの経緯>

文責 PL3回生T

台風の発生情報を初めて確認したのは2日目23日8:35頃の兎岳避難小屋においてであった。この時点での台風進路予想は28日未明に関西~東海地方付近に近年稀に見る勢力の台風が上陸しその影響で27~29は大雨・暴風が予想されるというものであった。この時点で天候悪化までの猶予は最低3日あり、予定通りに百間洞山の家方向に進んでも最短2日でエスケープ出来る状態であった為2日目は予定通り行程を進める判断とした。百間洞山の家では電波が入らなかった為 次に台風情報を確認したのは24日7:30頃の赤石岳山頂であった、この時の台風進路予想は前日に比べ若干西にズレつつあったが大きくは変わらないものであったその為最短エスケープが可能な赤石小屋経由のエスケープは不要と判断し3日目も予定通り荒川小屋までの行程を進める事とした。荒川小屋では電波が入る為、改めて夕方頃に台風情報を確認の上小屋の方にも相談を行った。その時点での判断材料としては、台風進路は西にずれつつ四国付近に上陸予想も 近年稀に見る勢力の為東海地方においても影響を受け27日未明より大雨・暴風予想でありこの状態は暫く続く可能性がある為27日から2~4日ほどは行動不能になる可能性が高い。また、小屋の方の情報としてこの規模の台風の場合 例年通りだと林道が台風上陸前より予防通行止めを行い 台風が過ぎ去った後も流入土砂の排除などが完了するまでかなりの間通行止めされ例え下山したとしても身動きが取れなくなる可能性が高いというものもあった。これを踏まえると、予備日(3日)を全消化しても完走できるか分からない上台風通過後に下山しても帰阪出来るか分からないという状況を踏まえると台風上陸前に下山を完了し帰阪するのが最良という判断となった。この場合、考えうるエスケープ経路として千枚小屋経由の26日椹島下山&帰阪 三伏峠経由の27日越路ゲート下山&帰阪があり。どちらも最終日小屋を飛ばせば1日短縮して下山可能というものであった。27日は大雨が確実視される状況においては、三伏峠小屋でテン泊しての27日下山という案はまず最初に排除された そうすると残ったのは25or26に千枚小屋経由で椹島に下山する案か 26に三伏峠経由で下山する案であった。この状況下で、三伏峠経由であれば26日に長時間行動をする必要があるにも関わらず26日の天候が確実に大丈夫だと言える保証がないということ、千枚小屋経由であれば最短25日降りれる上 26日下山であれば本合宿班が本来使う予定だったバスの予約枠とタクシーを使えるという状況であった。それら情報を踏まえて班員全員と話し合い その上でPL判断として千枚小屋経由椹島下山のエスケープを選択し、その旨を監督・大阪本部に24日18時頃連絡するに至った。

 

<反省と改善>

文責 SL3回生K

(反省)

  1. 本合宿班との連携がうまく取れていなかったため、山行中に本合宿班がエスケープしたことを知りパーティーメンバーが動揺。指揮の低下に繋がった。
  2. 雨天時における岩場、ガレ場歩行が未熟であったため滑る部員が多くいた。また、下りにおいて多くの時間を費やした。

 

(改善)

  1. 別パーティーと連携をとるためテント場などにおいて連絡をよく取り合う。
  2. 歩行技術の向上。

<行動日程> 

文責 1回生N

8月22日 

時間 

場所・行動内容 

所要時間 

6:25

行動開始

 

6:55

小会所小屋跡・ダウン1

0:30

7:05

同上・出発

0:10

7:50

聖沢吊橋・ダウン2

0:45

8:00

同上・出発

0:10

8:40

1592m地点・ダウン3

0:40

8:45

同上・出発

0:05

9:25

1835m地点・ダウン4

0:40

9:30

同上・出発

0:05

10:00

乗越・ダウン5

0:30

10:15

同上・出発

0:15

11:10

滝見台・ダウン6

0:55

11:20

同上・出発

0:10

11:55

2188m地点・ダウン7

0:35

12:00

同上・出発

0:05

12:25

聖平小屋・行動終了

0:25

 

8月23日 

時間 

場所・行動内容 

所要時間 

2:30

聖平小屋・起床

 

3:45

聖平小屋・行動開始

1:15

4:10

薊畑・ダウン1

0:25

4:15

同上・出発

0:05

5:00

小聖岳・ダウン2

0:45

5:10

同上・出発

0:10

5:50

2850m地点・ダウン3

0:40

5:55

同上・出発

0:05

6:25

前聖岳・ダウン4

0:30

6:35

同上・出発

0:10

7:00

2872m地点・ダウン5

0:25

7:05

同上・出発

0:05

7:40

聖兎のコル・ダウン6

0:35

7:55

同上・出発

0:15

8:35

兎岳避難小屋・ダウン7

0:40

8:45

同上・出発

0:10

9:05

兎岳・ダウン8

0:20

9:20

同上・出発

0:15

9:40

2693m地点・ダウン9

0:20

9:45

同上・出発

0:05

10:10

2636m鞍部・ダウン10

0:35

10:20

同上・出発

0:10

10:45

2713m地点・ダウン11

0:25

10:50

同上・出発

0:05

11:10

中盛丸山・ダウン12

0:20

11:30

同上・出発

0:20

12:30

百間洞山の家・行動終了

1:00

 

8月24日

時間 

場所・行動内容 

所要時間 

3:00

百間洞山の家・起床

 

4:30

百間洞山の家・行動開始

1:30

5:15

百間平・ダウン1

0:45

5:25

同上・出発

0:10

6:05

赤石前コル・ダウン2

0:40

6:15

同上・出発

0:10

6:35

2913m地点・ダウン3

0:20

6:40

同上・出発

0:05

7:05

3071m地点・ダウン4

0:25

7:10

同上・出発

0:05

7:30

赤石岳・ダウン5

0:20

7:45

同上・出発

0:15

8:20

小赤石岳・ダウン6

0:35

8:25

同上・出発

0:05

8:55

大聖寺平・ダウン7

0:30

9:00

同上・出発

0:05

9:45

荒川小屋・行動終了

0:45

8月25日

時間 

場所・行動内容 

所要時間 

3:30

荒川小屋・起床

 

4:40

荒川小屋・行動開始

1:10

5:15

2760m地点・ダウン1

0:35

5:20

同上・出発

0:05

5:45

2952m地点・ダウン2

0:25

5:50

同上・出発

0:05

6:10

荒川中岳・ダウン3

0:20

6:15

同上・出発

0:05

6:40

中岳悪沢コル・ダウン4

0:25

6:45

同上・出発

0:05

7:20

悪沢岳・ダウン5

0:35

7:35

同上・出発

0:15

8:30

千枚岳・ダウン6

0:55

8:40

同上・出発

0:10

9:10

千枚小屋・行動終了

0:30

8月26日

時間 

場所・行動内容 

所要時間 

4:00

千枚小屋・起床

 

5:30

千枚小屋・行動開始

1:30

6:45

蕨段・ダウン1

1:15

6:50

同上・出発

0:05

7:45

小石下・ダウン2

0:55

7:55

同上・出発

0:10

9:05

千枚大吊橋・ダウン3

1:10

9:10

同上・出発

0:05

9:20

行動終了

0:10

<気象報告>

 文責 3回生I

一日目の朝、気温は21度前後と涼しく、気温も安定していた。上りの時間がとても長かったので体感温度はかなり高かったと思う。テント場につき小一時間してからかなりの量の雨が降った。

二日目の朝は前日の降水もありじめじめとした感じが残っており、聖岳の手前まで若干の小雨が降っていたが登頂後は天候が回復し、快晴となった。

三日目は二日目の午後同様、雲量3程度の晴れが続いており行動中は比較的暑かった。

四日目、三日目同様快晴が続いた。行動時間も短かったため雨による直接的な影響は出なかったが午後4時過ぎから雨が降り始めた。

五日目

朝から雨が降っていたため起床時間を若干ずらした。

下り基調だったため行動時間は短く、雨も止んだため行動に直接的な影響は出なかった。

 

 

 

 

日時

天気

気温

風向

風力

雲量

雲系

地点

8月22日8時

曇り

18度

南西

1

7

層積雲

聖沢吊橋

8月23日4時

小雨

10度

東南

3

10

不明

薊畑

8月24日5時

晴れ

11度

1

5

不明

百閒洞山の家

8月25日6時

晴れ

14度

北東

3

4

層積雲

荒川中岳

 

<食料報告>                      

文責 1回生S

 

8月22日

夕食 パスタを茹でて,温め不要のミートソースをかけて食べた。

 

8月23日

朝食 お湯を沸かしてカレーメシを食べた。

夕食 米を1人1.2合×6人分の7.2合炊き、レトルトの牛丼を湯煎して食べた。

 

8月24日

朝食 棒ラーメンを湯煎して食べた。

夕食 米を1人1.2合分×6人分の7.2合炊き、レトルトのカレーを湯煎して食べた。

 

8月25日

朝食 お湯を沸かしてカレーメシを食べた。

夕食 米を1人1.2合分×6人分の7.2合炊き、各自のおかずを湯煎して食べた。

 

8月26日

朝食 米を1人0.9合分×6人分の5.4合炊き、各自のおかずを食べた。

<衛生報告>                      

文責 2回生N

衛生では部員2名が靴擦れになり、テーピングを半分、絆創膏を4つ使用した。また個人で持ってきた衛生装備の痛み止めを4錠服用した。

 

<装備報告>

文責 2回生N

ガス缶4つを消費した。

装備の紛失・故障はなかった。

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