
ちかごろさびしがり屋のこんちゃんのために、こん部屋を解放している。
人間がいて、起きて活動している間だけ。
寝るときは、オレコが出入りするたびに、こんが緊張してしまうので、閉めている。
緊張するだけならいいが、ついでに「ここはわしの場所なので」と、署名活動を行うのだ。

ジャッジャッジャーと。そうなると飼い主は飛び起きて「署名」をきれいにふき取らねばならない。
短い睡眠時間がもっと短くなる。わたしが不健康になると犬たちの生活の質が悪くなる。
だから閉めておく。前置きが長い。

ある日のこと。
数日会社にこもっていたおとうさんが、お風呂と着替えに帰ってきた。
オレコはとても喜んで、きゃっきゃとはしゃぐ。

この日もこん部屋を開放していたので、騒ぎを聞きつけて、
なんじゃなんじゃと、出てきたこんちゃん。

「おとうさんじゃ!」
と初めはびっくり。

「おとうさんじゃ~」
うれしそうに眺める。オレコが甘えているのをじーっと見ている。

「おれこちゃん、よかったのう」
じーっと見ている。

自分も行くのかな、と思ったら、
くるりと背を向け、お部屋にすたすた。
追いかけてぱしゃり。
いつのまにかお父さんが大好きになったこんちゃんは、
本当は自分も甘えたいんだけれど、お父さんが大好きなオレコのために、
身を引くように、部屋に戻っていったのでした。
本当は身を引くというのではなくて、オレコに意地悪されるのが、
こわかったんじゃないかと思うけど、とぼとぼ歩いていく姿は、
なんだか哀愁を帯びていて、ちょっと切ない。

このあとお父さんがお部屋にきて、こんちゃんと遊んでくれました。
お手をしたり、手をなめてくれたそうです。
ちなみにお世話がかりのわたしは、こんちゃんになめてもらったことは、
多分ないんじゃないかと思います。
忙しいのもあるけども、あんまりお世話しないお父さんが人気なのは、
なんだか納得いかない、というよりも、なんでなの~、とさびしい気持ち。
おとうさんは大きくて、けものみたいだから、ボスみたいで安心するのかな。