それは昭和時代のアルマイトの家庭用の食器です。年季の入った業者さまが恐れも知らずに売っているので、売れるのかと恐る恐る伺いますと、まとめて買っていく人がいるくらいで人気があるとのことです。ただし、アルマイトの入れ物はあまり味が感じられませんでしたので、やめました。
その代わりに、この鉄の小さな御品が出ていましたので、求めました。そしたら売り手のおじさんがこれ買ってどうするのと真顔で聞いてきましたので、この質問には呆れました。鉄味でしょ、鉄味と思わず余計な事を言ってしまいました。「そうだね、鉄味だねえ。」と返事が返ってきたので、おとぼけは止めんかとムカッと来て、後味の悪いことでございました。