この作品も大コレクターから頂きました。まことにありがとうございました。またよろしくお願いします。
芒の原に狸が腹をみせて上目遣いです。その視線の先に三日月が昇っています。なんとも屈託のない様子です。現代絵画に見られる、緊張感に満ち溢れて必死に作者の個性を際立たせようという作為があまり感じられません。
ユーモアさえも十分に感じられます。おそらくはこの作者は狸に自分の生き方を映しているのだと思います。画ですからテクニックが必要無いわけはないでしょう。しかし、画家はもはやそのような技術を突き抜けて無意識の内に自由に表現できる境遇にあるように見えます。