在郷軍人会は点呼をして各種の催しを行ってておりました。要は全員集合でございます。そこでは各種の教育も行われました。ここにお示ししているチラシは昭和11年6月の点呼の際に用いられました資料でございまして、仮想敵国の兵力を解説して、教育をしたわけでございます。
主な国の兵力ですが、極東蘇軍総兵力が二十数万人(内、歩兵師団十数個、騎兵師団二から三個)、北支諸軍二十数万、中央軍約八十七万、旧東北軍約十三万、辺境軍約三十万、西南軍約十六万、中共軍約二十万と恐ろしい大軍に囲まれていたことが分ります。しかし、この時点では日本陸軍は中国との大戦争が始まるのは予期していなかったものと思われます。