古伊万里は器形が最も大切ですが、この器形も比較的に珍しいようです。鉢ですがいわゆる鍔がついていてその縁は小さく立ち上がっています。時代的には中期から後期のあいだになります(18世紀後半)。この時期はまだ古伊万里本来の味わいが残されています。
絵柄は見込みが松竹梅と平凡ですが、面白いは形の波と千鳥の数です。また、このように千鳥がはっきりと描かれているのは意外に珍しいようです。外側にも千鳥模様はありますので、総計で40羽ほどが認められます。柄のポイントはいつものように、千鳥の数×一羽の面積=千鳥模様の大きな総面積となりますので、そういう意味ではユニークと思います。