まずは、軍事郵便の判子が打ってありまして、検閲者の印もあります。戦地から送られた軍事郵便に間違いございますせん。この葉書は絵葉書でありまして、図案は野戦病院というタイトルでございます。入院患者と看護婦の様子が描かれておりまして、画家は和田三造であります。最近upしました嫩江(のんこう)の絵を描いた方でございます。今回は絵の方は省略いたしました。貴重な絵柄ですのでそれでは次回に回します。
朝日(新聞)のマークがありまして、この絵葉書は軍人に無料で配布された御品と思います。新民駐屯の歩兵32ノ2と明記ありまして、山形の霞城連隊と分かります。消印は昭和7年でありますので満州事変の真っただ中でございます。軍事郵便を見るときは宛先の住所が大切でありまして、やはり山形県人に宛てております。
内容ですが、暑中見舞いの御礼状です。満蒙名物の夏の暑さが酷いが、「格別に頑健そのもので日毎の勤務と討伐に余念なし」とのことであります。新民は奉天の北西にあります。地図もupしましたのでご参考までに。この鉄道は奉天-山海関(奉山線)でございます。