角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#121 危険は付き物、程度の問題。

2016-03-05 07:41:23 | そうなの?
ピラミッドやタワーの高さ規制、
果ては、組体操そのものを廃止する動きがあるとかで、

正直、
ああ、またか、規制や廃止じゃ何の解決にもならんだろ、
くらいに思ってました。

が、これはさすがに、「うわっ」です。

〈体操着姿の男子中学生が次々に積み重なると、その高さは5メートル以上に達した。直後、生徒らによる“山”は勢いよく崩壊。下敷きになり歩くことさえままならない生徒2人に、保護者からは拍手が送られた-。
動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された、昨年9月の大阪府八尾市の市立中でのアクシデントだ。10段ピラミッドが崩れ、1人が骨折の重傷、5人が軽傷を負うという、あまりに深刻な事故だった〉



(産経WEST:安全優先か一体感か…組み体操の規制強化に教育現場で賛否分かれる
 →http://www.sankei.com/west/news/160301/wst1603010050-n1.html

字面を追うだけだと、
今ひとつ「深刻」さが伝わってこないので、
件の動画を。

【衝撃動画】組体操10段ピラミッド崩壊事故


・・・凍りますね。

この段階では、
骨折に至ってるのかどうか分からず、

お客さんたち(保護者のはずですが)も、
「うんうん、失敗しちゃったけどよく頑張ったね」な人と、
「あの子たち、大丈夫なの?」と心配している人とが、
ないまぜになってる、といった雰囲気です。

確かに、
成功していれば、さぞ壮観だったろうなあ、
という気はします。

おそらくは、そこを目指したんでしょう。
主に大人が。見栄で。

一方に、そういうイケイケな大人がいて、
反動で、一切合切ダメな大人が出てくる。
どちらも幼稚であることに変わりはありませんね。

そうなると「ばっかり報道」に勤しむのが、
日本のメディアの悪癖なんですが、
この記事は、知りたかったことを教えてくれました。

〈日本スポーツ振興センター(JSC)によると、26年度に組み体操で小中高生が災害共済給付を受けた件数は8592件。ただ23~26年度の跳び箱事故での受給件数は毎年2万件超で推移しており、さらに26年度には、バスケットボール(部活動を除く)での骨折も約2万4千件あった〉

そうなんです。
組体操だけが危険なんじゃないんです。

卑近な例ですが、
「一致団結するため」の長縄跳びでさえ、
縄にひっかかって転んで骨折することがあるんです。
(恥ずかしながら、ウチの長女)

それで、長縄跳びは危険だから廃止せよ、
なんて言い出したら笑っちゃいますよね。

「体力、仲間意識、そして集中力の向上。
 組み体操でしか学べないことがある」
かどうかは微妙ですが、

「事故の背景には教諭の指導力の低下がある」
というのは、その通りだと思います。

この機に乗じて、
「組体操自体を廃止せよ」なんて言ってるのは、
そもそも体育嫌いか、
個人的に、よほど嫌な思い出がある人なんでしょう。

こんにゃくゼリー、ダイオキシン、放射線・・・

他との比較もなしに、
あたかもソレだけが危険であるかのように思い込む、
危険なもの、ことは、ゼロでなけりゃ気がすまない、

そいうの、いい加減止めた方が良いですね。
ツマラナイ世の中になっていくだけですよ。


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