PROM.22 言うべきか、言わざるべきか、

6歳の命救った虐待通報
母ら「パチンコ行く」監禁容疑

全裸で浴室に・・・「危なかった」
響きわたる叫び声/3回目通報で発覚

産経新聞3月1日付（大阪6版）社会面記事です。



社会面というと、
普段、あまり真剣に読む方ではなく、

この記事も、見出しを見て、
正直、ああ、またか、
くらいにしか思わなかった。

の、だけれど、
何故か、たまたま全文読む気になって目を通すと、
「3回目通報で発覚」という太字の後に、

〈幼い子供を監禁した理由について、2人は「パチンコが好きで、パチンコに行くために監禁した。負けた分を取り返しに行かざるを得なかった」と供述した。
枚方署などによると、家族５人は昨年１２月ごろから現場の民家に住み始めた。母親と内縁の夫は無職。母親は知的障害があり、生活保護を受給していた〉

とありました。

そうなのか・・・

さらりと流しても良かったのだけれど、
最後まで読み終えて、
どうにも釈然としない気分になりました。

記者に、特に意図があるわけではなく、
警察発表を元に書いただけなんだろうけど、

「母親は知的障害があり、生活保護を受給していた」

記事全体の中で、
ソコが果たして必要な情報なんだろうか？

逆に、もしソコに触れるのなら、

母親は、もともとパチンコ好きで、虐待を繰り返していたのか、
「内縁の夫」と暮らし始めたのは何時なのか、

捜査幹部の口を借りているものの、
悪質性を強調したいのなら、
その辺りの事情をもっと詳しく書かなきゃいけないんじゃないか？

そんな疑問というか、違和感というか、
「困ったな」
という気分になってしまって、何かスッキリしません。

知的障害と言っても軽度から重度まで様々あります。

場合によっては、
警察の事情聴取に、
全て「ハイ」と答えてしまうこともあります。

何か事件が起きた時、
わざわざ「母親は健常者だ」と書いてあったらオカシイでしょ。

ちなみにWeb版では、
同じ部分がこうなってました。

〈なぜ幼い子供３人を家の中で監禁していたのか。２人は同署の調べに対し、「パチンコが好きで、パチンコに行くために子供たちを監禁した。負けた分を取り返しに行かざるを得なかった」と身勝手な動機を口にした。
　同署などによると、５人は昨年１２月ごろから現場の民家に住み始めた。母親と内縁の夫はいずれも無職。母親は知的障害があるため、生活保護を受給しており、保護費をパチンコにつぎ込んでいたとみられる〉
（産経WEST:〝パチンコ狂〟親のひどすぎる虐待　全裸浴室監禁、排泄バケツ…危機にさらされた幼子３人の命
　→http://www.sankei.com/west/news/160224/wst1602240007-n1.html）

紙面よりは多少詳しいのですが、

前夫との離婚、内縁の夫との関係、
生活保護費の受給、パチンコ好き、虐待、

などなど、
時系列にそった説明がなく、
やっぱりスッキリしませんね。

知的障害や生活保護に触れるな、
とは言いませんが、

それが、
全体の中で必要な情報なのかどうか、どの程度書くのか、
バランスを考えてほしい。

この事件は大事に至らず、
その点は良かったと素直に思いますが。