『《ドン・キホーテ》見参! 狂気を失った者たちへ』桑原聡 水声社(2016)*1
4月23日、サンジョルディの日。
・・・なんですが、定着しているとは言い難いですね。
というか、日本・カタルーニャ友好親善協会さんが言うには、
〈カタルーニャの伝統 サン・ジョルディの日は、日本でのプロモーションが国外では初めてでしたが、今では日本だけでなく、世界各国で祝われるようになりました。また、この日はユネスコの「世界本の日」にも指定され、広く本の日として発展をとげつつあります〉(句点は引用者)
なんだそうです(*2)。
う〜ん・・・
この「日本・カタルーニャ友好親善協会」自体が1985年発足ということで、
「サンジョルディの日」は、その2、3年後くらいで認知されてた気がします。
少なくとも、書店に足を運ぶことのある人に関しては。
その後、
ユネスコが便乗(?)して「世界図書・著作権デー(World Book and Copyright Day)」=「世界本の日」と定めたり(1995)、
あるいは国(文部科学省)が「子ども読書の日」と言い出したり(2001)、
別段悪いことでもないのだけれど、いろんなところが我田引水。
その割に、やっぱり広く一般に広まっているとは言い難い、みたいな、
何ともやるせない感じです(*3)。
で、いきなり閑話休題。
〈汝の正気の死が汝の狂気の生よりも価値があるとどうして言えるのか?〉
前にチラとご紹介したことがあるのだけれど、
『《ドン・キホーテ》見参! 狂気を失った者たちへ』の「あとがき」にありました。
ミゲル・デ・ウナムーノという人が書いた、
『ドン・キホーテとサンチョの生涯』という本からの引用と思われます。
人の言葉って、
こうやって伝わって行くのだなあと思うわけだけれど、
それが本の持つ意味だとも思うのだけれど、
ネットで繋がっていくのと、
さて、本質的な違いがあるのか、ないのか、
今年、サンジョルディの日は日曜日。
ネット遮断して物思いに沈んでみますか。
ということで、やや短めですが、今日はここまで。
*1)水声社:《ドン・キホーテ》見参! 狂気を失った者たちへ
→http://www.suiseisha.net/blog/?p=5797
*2)日本・カタルーニャ友好親善協会:サンジョルディの日
→http://www.ajac.ne.jp/stjordi.html
*3)国立国会図書館 国際子ども図書館:子どもと本に関する記念日
→http://www.kodomo.go.jp/info/anniversary/
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
〈縦書きの文字を追うという行為には意思が必要になるのかもしれない。文字を追うという意思があってこそ、頭に入ってくるんじゃないだろうか〉
ああ、そういうところはあるかもね、と少し思いました。
(産経新聞4/22大阪6版)
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