雲雀野と郭公の森と

北アルプスと黒部川に育まれた片田舎
の住人の気まぐれ日記
あの「森の近況」の代替として・・・・・

曽根崎心中

2009-02-22 22:08:01 | 雑記
昨日、市の生涯学習課による、特別講演会に参加してきた。
演題は「黒部本『曽根崎心中』を語る」
  講師 近松研究所所長 乾 安代

浄瑠璃にも近松門左衛門にも
ましてや「曽根崎心中」にも興味はないのだが
昨年だったか黒部市内で
「曽根崎心中」の初板正本の完本が発見され話題になっていた。
はたしてそれが、どれほどの意義のあるものか、
一市民として一応理解しておくべきかな、という
心づもりで出かけてみたわけである。

今まで元禄16年に刊行された「曽根崎心中」初板正本の完本は
未発見だったそうで、
①大阪府立中之島図書館所蔵本
②山口大学所蔵本
③甲南女子大学所蔵本
の三点を突き合わせて全体を把握・確認していたそうな。

①は19丁(ページ)の裏表が欠落している。
②は一部改行位置も違っているので初反本ではなく版を
 彫りなおした改訂版とみられる
③は①②にない奥付がある


その点今度発見された黒部本はそのすべてが揃っていて
しかも99%初版正本と研究者によって鑑定されたとのこと。
ただ、保存状態に若干の難点がみられる点と、紙質が
中之島図書館本に比べやや劣っているので、
初版の第2か3刷と思われる。との余計な説明もあった。

地元民の心情とすれば、紙質や保存状態より
本文(内容)の揃っていることが重視されるべきだろう
と思うのだが・・・・・・


会場には現物がケースに入れて展示してあり
(最初の画像はそれを撮影したものです)
また全頁画像処理したものが掲示してあったのですが
ミミズの這った様な水茎の跡も鮮やかな文字はとても読めるはずもなく
とっとと会場を後にしました。

そうそう、
最後に何か質問があったらしてくださいとのことだったが

「鑑定団に出すとどれくらいの値段がつきますか?」


という品のないさもしい質問は
とてもσ(*_* の口から出来なかったので
隣にいた高校時代の同級生に聞かせようとしたが、
彼も嫌だといったので
結局聞けずじまいになってしまった(苦笑)