しとしとぴっちゃん雨の日は、家出したあのコも何処かで濡れているかしら
そう思いを馳せたのも、もうずいぶん前になりますが、
ちょっとしたきっかけで思い出した、そのコのいた日々。
momoが来る数年前まで、我が家のみんなを笑顔にしていたのは亀さんでした。
ある日、20センチ近くになった体で、土の中にトンネルを掘って
どこかへ旅に出たド根性亀のゼニボン。
写真はPCに2枚、アルバムに1枚だけ。
記憶も遠くあいまいですが、ちょっと書いてみたくなりました。
よろしければお付き合いください。
♪ 懸垂~ 懸垂~ 見たかゼニボンの懸垂~ ♪
よく歌って応援したものです
思い出したきっかけは、里山の手入れをしているグループで出かけた交流会の会場で手にした季刊冊子でした。
里山の冊子なのに特集記事が亀。
無知なわたしには、ちょいと?マークが浮かびましたが、読んでみると
日本本土に古くから棲んでいる淡水亀はニホンイシガメ、クサガメ、それとスッポンなのだそうです。
わたしは子供の頃にその亀たちと出会った経験はない代わりに
かなり幼い頃に一度だけお祭りで買ってもらった亀を部屋の中で放して遊んだ記憶があります。
あっという間に何処かにいなくなってしまいましたが
お祭りで売っているミドリガメが、本当は『ミシシッピアカミミガメ』という名だと知ったのは、大人になってから、
息子が小学生の時に、お友達とお祭りに出かけ、少ない小遣いから共同出資して買ってきて、
2軒の家を行き来させて飼うと言われたときでした。
息子たちは洗面器に島が付いたような亀用ハウスも買ってきて
亀300円+容器400円で小遣いをほとんど使い果たし、
綿菓子や焼きそばを食べたいのを我慢して買ってきたんだと熱意を口々に訴えます。
家族ぐるみの付き合いのある友達でしたから、さっそく両親4人も揃っての話し合いになりましたが
どう考えても亀を行き来させるのは可愛そうです。
それで、どちらかというと動物飼育経験のある我が家で飼うことになり
お友達も世話をしに来るということで決着しました。
来た時の倍くらいになった頃
秋祭りだったので、冬はこんなに小さな体で冬眠するの? 生きていけるの?
わからないことだらけなので、亀好きなわたしの友人に相談すると(ネット環境もまだ先の話でした)、
お祭りの亀はろくな餌をもらってないから、冬眠させたら死んじゃうよ、起こしておくように!
そのためのヒーターやらバスキングライトが要る、それと水を回すポンプも。
などなどアドバイスを受けた通りに揃えると、なんだか15000円くらいかかった覚えがあります。
すくすく大きくなるゼニボンに合わせてガラスのケースも大きくなり
大きなガラスケースは息子の手に余りたびたび割ってしまうので
ついには大きなプラスティックの衣装ケースを使うようになりました。
何でもそうかもしれませんが、一緒に暮らしてみないとわからないですね。
ゼニボンは本当に意外な姿をたくさん見せてくれました。
まず、足が早い!
水換えのとき、部屋の中を駆け回る速さにびっくり。
テレビ台の下に入られたら捕まえるのが大変!と捕まえると
必死にもがいて「離せ 離せ~」と言っているみたいで
気づけばわたしも楽しく世話を焼いている始末
おやつ用に小さな干しエビを見つけてきたときのこと。
「危険ですから指であげないで箸であげてください」と書いてあるのに
愛着がわいていたわたしが試しに指であげてみると、そっと顔を近づけてきて
パクっというよりアムっと優しい感じで口を開けて食べるのです。
それでエビを指であげるのはすっかり楽しみになっていましたが
一回だけ、わたしの指にゼニボンの口が当たってしまったことがありました。
怪我などするわけもないくらい軽~く当たっただけなのに、
慌てて首を竦め「ごめんなさい」と謝るように見上げてきたゼニボン。
呼べば振り向くゼニボン。
本当に懐いてかわいい亀でした。
日向ぼっこが大好きなゼニボンを衣装ケースごと外に出して、
上に網を乗せて近所の買い物など当たり前になった頃
ある日帰宅すると網が落ちてケースは空っぽでした。
うそ~ ゼニボン どこいったの?
周りは植物のプランターに囲まれていますが、そこに落ちてもいません。
するとプランターと塀の隙間からなにやら音が聴こえてくるので、そっとどかしてみると
15センチほどの幅で土があるその場所で、ゼニボンの前半身が穴に潜って、お尻が揺れていました。
なんと、自分で穴を掘り進んでいるのです。
つるつる滑るプラスティックのケースから脱出したのも
穴を掘るスピードにも驚きました。
ガラスケースが割れて仮に入れた小さいケースでは
いつもこうして鍛錬を欠かさなかったゼニボン。
首も手足も甲羅から抜けてしまうんじゃないかと心配になるほど伸ばしていたゼニボン。
それなのに甲羅干しする姿を見たくて、また同じ油断をしてしまったわたしの前から
いなくなってしまいました。
今でも通っている 猫がいた病院 の池には
こんなふうに亀もたくさんいて
ここにはいるはずのないゼニボンを思い出します。
入院していた時、よく亀の池を見に行きました。
中にはド根性亀がいて、こんな石垣をよじ登るので、見ていると元気がもらえたのです。
あるとき、池の前のベンチで本を読んでいるとパカポコと何かを叩く音がしました。
目を向けると、石垣の上には猫がいて、やっと登ってきた亀に猫パンチを見舞っているところでした。
かわいそうな亀はドボンと池に落ちました。
と、ところがです。
何事もなかったように、亀はまた「ここが登りやすいんじゃ」とでも言うように
同じ石垣に手をかけ、またよじ登り始めました。
さすがに猫の手の届くところまでは時間がかかりますし、わたしが咎めたせいで猫はどこかへ行ってしまい
猫に叩かれなくても、バランスを崩して背中から豪快に池に落ちていく亀を飽きもせず見ていたことを思い出しました。
ゼニボンもその池の亀たちもみんなミドリガメでした。
まさかその亀たちが『侵略的外来種』なんていう、宇宙からやってきたワルモノのように呼ばれ
駆除の対象になっているなんて、無知なわたしは数年前まで知りませんでした。
その冊子には在来種の減少や人の暮らしへの影響について、どれだけ問題があるかということと、
殺処分されるということも書いてありました。
が~ん、殺処分です。
そもそも1950年代後半にペットとして人が持ち込み、長く親しんできた経緯があるので
処分する側の心理的負担は軽くない・・・
その先はちょっと・・・読めないままです。
天敵のいない日本でこの世の天国と亀生を謳歌するミシシッピアカミミガメたち。
どこかの水路にたどり着いて、ゼニボンもまだどこかで生きている。
生きていて欲しい。
今でもそう願っています。
害獣と呼ばれるようなってしまったたくさんの動物たち。
対策を考える時に、せめて元々の責任が人間にあることを忘れずに
そう願うばかりです。
呼ぶと来るよ
甲羅干し大好き
また会いにいくね~
ゼニボンちゃん かわいいデスね なんだか なんども読ませていただくうちに ウルウルになってしまいました~
亀さんも懐くんですね ・・ちょっと噛んでしまって謝るしぐさをして
呼べば振り向いてくれるなんてかわいいゼニボンちゃん
首も手足もめいっぱいのばして鍛錬して本当に愛おしいです
ミドリガメがミシシッピアカミミガメ ということを今、初めて知りました
しかも「侵略的外来種」として駆除の対象になっているなんて信じられません=
カメを殺処分ですか
ねこじゃらさんも読まれたかな 昨日でしたか朝日新聞に、沖縄?天然記念物のうさぎを猫が襲うので捕殺(捕獲して殺す)もいたしかたない との記事がありました
うさぎを助けるために猫を殺す 憮然としますがこれも
ねこじゃらさんがおっしゃるように元々は、すべては人間が悪い 私たちの責任なんだ ということを忘れずに
そしてその責任をちきんととらなければいけないと感じます
ゼニボンちゃん どこかできっと きっと生きていますよ 私もそう願います 祈ります
ねこじゃらさん素敵なお話 ありがとうございます
感動しました
新聞の記事、わたしもとても嫌な気持ちで読みました。
アマミノクロウサギは人間にとって特別天然記念物でも、猫からすれば「にく〜!」.「ご馳走!」でしかなく、どちらも同じ大切なひとつの命であることに変わらない筈ですよね。
野ネコとして生きていかざるをえないのも、元々は身勝手な人間のせいだというのに、殺処分なんて(T-T)ヒドイ!です。
ゼニボンのこと、ありがとうございます。
一見、無表情に見える亀さんですが、一緒に暮らすと本当に楽しくて、癒されました。
momoとそらと一緒にいたら、どんなふうだったんでしょうね。
きっと、もっとドタバタですよね^_^
見てみたかったです。
首輪のない猫さん、今日もありがとうございました。