図書館で素敵な本を見つけました。
といってもお話は、とてもポピュラー。
誰でも知っている『不思議の国のアリス』ですが、
わたしの目が ぴたっと止まってしまったのは
こ、この絵は!
そうです、ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンが描いているではありませんか
ムーミンもアリスも、日本では子ども向けのかわいらしいキャラクターで人気ですが、
オリジナルの挿絵の醸し出す、不細工感や不気味な雰囲気は、
大人になっても、惹かれてしまう、なにか共通点があるのかもしれません。
これは、今から○十年前、高校生だった時に
祖母が誕生日に腕時計を買ってくれるというので選んだものです。
わたし、恥ずかしながらこの時は、まだアリスの本を読んだことも、
ディズニーのアニメ映画を観たこともなく、
故に、この不思議な生き物がネコなのかどうか、
何者なのか、まったくわかっていなかったのです。
ですが、顔をくるくる回して秒を刻む様子が
すっかり気に入ってしまい、これを買ってもらうことにしました。
祖母は、がっかりしたでしょうね。なにしろ、そんな時代でした。
腕時計は元々高価なものでしたし、何十年かは、使い続けることを考えて選ぶだろうと思っていたでしょうから。
そんなキャラ時計は、当時はまだ珍しくて、定期テストなどの時に
机の端にこの時計を置いて、必死に問題を解いていると
見回ってきた先生が注目していたり、
秒針の顔に合わせて首を傾けていたりして、
それを報告した時の祖母は、ちょっと嬉しそうな顔を見せてくれたのを覚えています。
わたしが初めて正体を知ったのは、それから随分経ってからです。
子どもが出来て、ディズニーのビデオを次々に借りていた頃、
コイツは不思議キャラそのままに、堂々と出演していました笑
あ~、アンタ、案外有名なネコだったのね~。
長い付き合いのヘンテコな猫は、時計の中でちょっと自慢気な顔で止まっていました。
娘は特に『不思議の国のアリス』がお気に入りで、
毎日、毎日見て、不思議なコに育ちました笑
その娘が高校2年に、息子が中学2年になる春休み
ひょんなきっかけから、ロンドンへ旅行しました。
家族で行った初めての海外旅行です。
そして今のところ、あれが最後ですが(涙)。
でも、あの時、行っておいてよかった。
今は心底そう思います。
英語をろくに話せないので、アビー・ロードへ行くつもりが
どこかの寂しい駅に着き、目の前が墓地だらけで途方に暮れたり、
ハイドパークのピーター・パンに会ったり、オックスフォードのこの店に行ったり、
あの年齢だから選んだ、あの時にしか出来ない旅行だったと懐かしいです。
オックスフォードには、このショップが目当てで行きました。
これは自分用に買ったお土産で、一度も使わずに、飾ってあるだけの鍋敷き。
このちょっと不気味な味を出しているのが、本場、というか
本来の姿なんでしょうね~。
ですが、トーベ・ヤンソンが描くとは!
わたしの目から落ちたウロコで、図書館の床はキラキラ光って
そんなことはどうでもいいですね
調べてみたら、こんなページを見つけました
コイツをアップにしてみますと・・・
怖~っ 笑
道に迷って、心細くてたまらない時に、こんな顔が木の上に現れて、
「わたしはどちらへ行けばいいの?」と尋ねると
「さぁね~ あっちかもしれないし
こっちかもしれないよね~ 」
なんて正反対を指差されたら、泣きたくなりますね。
時計ですが、ずいぶん前に止まったまま長い年月が流れ、
でも捨てることはできず、
たまに古い時計屋さんがあると、修理出来るか、尋ねてみていました。
ですが、これはもう無理ですねと言われることばかり。
もう直すことは諦めていましたが、そのうちにネットが普及してくると、
ダンナが修理してくれる工房を探し出して、誕生日に直してくれました。
それで、『不思議の国のアリス』に出てくる
あの有名な! チェシャ猫は 笑
「アンタ、頭で立てるかにゃ?」
って、いまだに頭を回し続けているのです。