わたしの住んでいる街と 隣の街の境に
猫を交えた ちっちゃい思い出の場所があります。
雨が降ったり止んだりの今日は その時の写真を探してみることにしました。
その道は 何年か前までは仕事に行くために毎日通っていました。
今は 月に一度通るか通らないかという程度ですが、
通ると 必ずあの日のことを思い出すのです。
3年前の3月。
息子に2着目のスーツを買うために 自転車で一緒に走っていた時でした。
一緒に走るといっても、息子は十数メートルも先を走っていて会話なんてままならずでしたが
ここに来ると自転車に跨ったまま「ほれ」と指をさして顔を向けてきました。
毎日通っていても 猫を見かけることもなかったのに
塀の上に2匹並んでいるなんて・・
息子がスマホで写真を撮り始めたので わたしも携帯を出していると
「写真撮ってるの~?」と言う声が聞こえました。
振り向くと、鮮やかな青いセーターに黄色い毛糸の帽子を被ったおばあさんが
ベージュ色の猫を抱いてニコニコと近づいてきました。
「絵本から飛び出してきたようなおばあちゃん」
通勤の途中に何回か見かけて そう思っていたおばあちゃんでした。
森の中でも何でもない ただの街中の普通の道でしたが
やっぱり そのおばあちゃんの登場の仕方は童話の一場面のようでした。
「ここのおうちの方ですか?」内心(似合うな~)と思いながらきいてみると
「ちがうよ」と言った後、ツンとおすまし顔になって
「ねぇ、わたしたちも写真撮ってよ」と ベージュの猫さんを抱き直すのです。
息子が一緒なのと 塀の上に猫を見つけたことで なんだか愉快な気分になっていたわたしは
「はい、じゃぁ撮りますよ」と2~3回シャッターを押しました。
なのに、おばあさんは写真を見もしないで「はい、ありがとね」と
また来た方へ すたこらさっさと行ってしまったのです。
あらあら・・・でも毎日通る道ですから また会えるだろうくらいの気持ちで
わたしたちもスーツ屋さんに向かいました。
家に帰って一番よく撮れた写真をプリントアウトすると
翌日から持ち歩いていたのですが・・・。
そのまま3年4ヶ月が経ちました。
あの道を通るたびに また猫が塀の上に並んでいないかと目を向けるのですが
塀の下の草むらにすら姿を見ることはないので、
あの日はよほど特別な日だったようです。
今日 ノートに挟んだ写真で 久しぶりにおばあちゃんとご対面してみると
とてもとても懐かしい気持ちが湧いてきて
また写真を持って 自転車で通ってみようかなとか 思っているのです。
猫を交えた ちっちゃい思い出の場所があります。
雨が降ったり止んだりの今日は その時の写真を探してみることにしました。
その道は 何年か前までは仕事に行くために毎日通っていました。
今は 月に一度通るか通らないかという程度ですが、
通ると 必ずあの日のことを思い出すのです。
3年前の3月。
息子に2着目のスーツを買うために 自転車で一緒に走っていた時でした。
一緒に走るといっても、息子は十数メートルも先を走っていて会話なんてままならずでしたが
ここに来ると自転車に跨ったまま「ほれ」と指をさして顔を向けてきました。
毎日通っていても 猫を見かけることもなかったのに
塀の上に2匹並んでいるなんて・・
息子がスマホで写真を撮り始めたので わたしも携帯を出していると
「写真撮ってるの~?」と言う声が聞こえました。
振り向くと、鮮やかな青いセーターに黄色い毛糸の帽子を被ったおばあさんが
ベージュ色の猫を抱いてニコニコと近づいてきました。
「絵本から飛び出してきたようなおばあちゃん」
通勤の途中に何回か見かけて そう思っていたおばあちゃんでした。
森の中でも何でもない ただの街中の普通の道でしたが
やっぱり そのおばあちゃんの登場の仕方は童話の一場面のようでした。
「ここのおうちの方ですか?」内心(似合うな~)と思いながらきいてみると
「ちがうよ」と言った後、ツンとおすまし顔になって
「ねぇ、わたしたちも写真撮ってよ」と ベージュの猫さんを抱き直すのです。
息子が一緒なのと 塀の上に猫を見つけたことで なんだか愉快な気分になっていたわたしは
「はい、じゃぁ撮りますよ」と2~3回シャッターを押しました。
なのに、おばあさんは写真を見もしないで「はい、ありがとね」と
また来た方へ すたこらさっさと行ってしまったのです。
あらあら・・・でも毎日通る道ですから また会えるだろうくらいの気持ちで
わたしたちもスーツ屋さんに向かいました。
家に帰って一番よく撮れた写真をプリントアウトすると
翌日から持ち歩いていたのですが・・・。
そのまま3年4ヶ月が経ちました。
あの道を通るたびに また猫が塀の上に並んでいないかと目を向けるのですが
塀の下の草むらにすら姿を見ることはないので、
あの日はよほど特別な日だったようです。
今日 ノートに挟んだ写真で 久しぶりにおばあちゃんとご対面してみると
とてもとても懐かしい気持ちが湧いてきて
また写真を持って 自転車で通ってみようかなとか 思っているのです。