KAYO MATSUSHIMA HP

ペンギン×アート作家 松島佳世のブログです。
展覧会情報と創作の日々の様子を書きます

ルソー夢×ペンギン、壁画になる その7

2023-06-24 18:43:00 | 壁画ルソー夢ペンギン

[カーボン下書き編]

2023年1月11日から東大阪のサンコーインダストリー株式会社さんに通いだしました。

まずは壁面のグリッドに合わせて下書きを貼っていきました。貼るなんて簡単だと思っていたのですが、紙が重い!なおかつでかい!

紙は私の身長ぐらいあるし、壁面の上部は私の身長を超えているので台に載って片方をテープで止めても、もう片方がずれるなんてざら。もしかした下絵は元々考えていたように小さいサイズをたくさん用意したがよかったかもしれない…と思ったけどあとの祭り。

誰か~~~と叫びたいけど、社員の皆様のお仕事の邪魔なだけなので四苦八苦しながら半日かけて貼りました。

ふぅ



この段階で、とある社員さんに「ピカソのゲルニカみたい」と言われました。

白黒だし大きいからその方はゲルニカを想像したと思うのですが、実は構想段階でとある仕掛けをしているので当たらずも遠からずなのでした。

私の意図したことをわかったからではないことは重々承知していますが、ゲルニカと言われたことはうれしかったです。(この件はまた後ほど書きます)

次はのりでつなぎ合わせて大きくしたカーボン紙を間にはさんで9Hのかたい鉛筆でなぞっていきます。



この作業、簡単に見えますが、いや作業としては単純だけど線が多いのでもう大変。

カーボン紙が落ちないように押さえるのもめちゃ大変。



線もカーボン紙をめくってみないと引けてるかどうかわからないので不安になって二重にひいてしまったり、後で確認すると引いてないところもあって直接壁面に線を書いたりしました。



1番困ったのはかたい板にかたい鉛筆で描くので手がすぐ痛くなることでした。

この頃は他の仕事もかなり抱えていたので通うのは週一でした。それでも下書きは4枚だから1月中には終わると思っていたらなんのなんの。なかなか作業が終わらず結局2月半ばまでかかりました。

ふぅ(2回目)



下書きを無事に終えて思ったこと。

写すだけでもこんなに大変なんやから、元々ここで下書きを作成しようとしていた甘い考えだった自分でてこーいΣ(-᷅_-᷄๑)

でした(笑)

さて、次から着色です。

色を塗り出したら早く終わる〜🎵

と本気で思っていたどこまでも考えの甘い私です(笑)

下書きを剥がされると困るので(単に貼り直すのが大変だから)完成するまではずっとこれを壁面に貼っていました↓

もちろん触る方なんてどなたもいませんでした。



つづく

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ルソー夢×ペンギン、壁画になる その6

2023-06-24 16:29:00 | 壁画ルソー夢ペンギン

壁画制作話の続きです。

現実の壁画制作は佳境に入っていますが、制作過程の忘備録ということでお付き合いください。

自宅での下書き制作も完了して、いよいよ次は現場で制作するちょっと前(2023年今年の正月)まで遡ります。

制作を始める前に私が初めに取った行動は植物園に行くことでした(笑)

「楽園のカンヴァス」でルソーがモデルのヤドヴィカ(夢に描かれた女性)に「ここは暑いでしょう?この絵を描いているせいかもしれません」と言ったからです。

ジャングルは湿度が高くて暑いんや…

ご存じの通りルソーは実際にジャングルには行ってません。そのころできたパリの植物園に行って植物を描き始めたのでした。

私もジャングルに行ったことはありません。

私も植物園に行けばその湿度や暑さを追体験ができるのではないかと思ったのです。

行ったところは京都府立植物園(外観の写真を撮り忘れております)



外は1月の凍てつく寒さの京都だというのに暑くて湿気っていました(当然なんですが)

ムシムシ

モワモワ

水分を含んだ独特の空気感

ルソーがテンションが上がったのもわかる巨大植物たちだらけでした。

植物に詳しい人ならルソーが描いた植物がなにかわかるのかもしれませんが、私にはさっぱりわかりません。

植物園で天井まで生い茂る巨木や床に生えてる草などを見ながらこれかな?あれが近いかな?と見て回りました。

いつしかルソーの気持ちになり、このジャングルに潜む動物たちが見えてくる気がしました。


以前からあちこち植物園には行っていましたが、ルソー目線で見てみるとあらためて感動と驚きの連続で面白かったです。

ちょうど今は朝ドラ「らんまん」で牧野富太郎の話をやっていますが、実は私は幼いころ彼の伝記を読んで以来のファンです。石版画も持っています。

富太郎ならルソーの描いた植物は全部わかるんだろうなと思いつつ、個々の植物の描きわけは私では無理なので、せめて、それまでパリで見たこともない植物に初めてふれてワクワクしたルソーの感性を描けたらと思いました。

もちろん湿度も(笑)

これで予習はばっちり。次はいよいよ現場制作に臨みます。

この辺りまでは春までには終わるよね〜簡単簡単♫と余裕をかましておりました。

つづく

牧野富太郎の図鑑の本物のリトグラフ(石版画)です。

ドラマのせいできっと今は高値になっているはず。もっと買っとけばよかったです。







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