既発のハイブリッド・ヴァージョンと比べてもちょっと微妙。既発のほうが好きな人が多そうな感じがします(もうDIO関係はネタ切れの感が...)。それより、このジャケは酷くない?使い回しにはガッカリ。
以下、メーカーインフォ抜粋。
【ディスク1:10月5日サンノゼ公演】
まず登場するのは、サンノゼ公演。公式『HOLY DIVER』のデラックス・エディションにも採用されたサウンドボードですが、本作はその公式盤やFM放送よりも長い発掘プレFMマスター。かつてPower Gateレーベルの『HOLLY COLLECTION』として登場した長尺サウンドボードで、放送では(公式盤でも)聴けなかった「Straight Through The Heart」「Stargazer」「Heaven And Hell」やギーソロ、ドラムソロも収録。このディスクは、その決定的なサウンドボードを最新・細心リマスター・バージョンで磨き上げたものなのです。
元々、この発掘サウンドボードはオフィシャル級のクオリティを誇るのですが、“1983年”は超絶サウンドボードの大豊作年。他の超傑作たちに比べると、ややサウンドが平板でモサッとしたサウンドでもありました。そこで『CALIFORNIA TRILOGY』では、短いFM放送と組み合わせることで「ベストテイク集」を指向したのです。それはそれで素晴らしかったのですが、“プレFM版”と“放送版”はミックスが異なっていた。そのため、1本のライヴアルバムとして聴くと曲によってサウンドが微妙に変わり、FM放送の大歓声が突然飛び込んでくるなど、違和感もあったのです。
本作は、そんな『CALIFORNIA TRILOGY』とは異なり、一気貫通の“プレFM版”を最新リマスターで向上を図ったもの。その効果はバツグン! ヘッドホンで聴くと格段にステレオ感が増し、スネア1発でさえ、本来あるべき正しい位置・方向になっているのが分かる。もちろん、サウンドも鮮やかに生まれ変わり、他の傑作群にも引けを取らない完全オフィシャル級サウンドにして、マスター切り替えの違和感もゼロの決定盤に仕上がっています。
【ディスク2:10月7日サンタモニカ公演】
続くサンタモニカ公演こそ、最高の超アップグレード! 実はこのライヴ、長年2つのエアチェック録音が知られていました。1つは長尺放送ながらノイズまみれ、もう1つは音が良いものの、短い放送。『CALIFORNIA TRILOGY』では、その双方を組み合わせた「ベストテイク集」を目指していました。
しかし、その後になって長尺版放送の放送原盤が発掘。しかも、当時の放送を聴いていた人しか知らなかったDJまで入った完全版だったのです。本作は、その完全版をリマスター収録しています。リマスターとは言っても、それは極わずかにあった針パチを除去し、ディスク1・3と統一感を持たせただけ。それだけで済むほど、この発掘マスターは凄まじかったのです。実際、そのクオリティは幾多の既発を軽ーく凌駕。これまでの最高峰『CALIFORNIA TRILOGY』でさえ、各種放送の瞬間最高テイクをツギハギしたために曲によってノイズが噴出していていましたが、それも皆無。統一感にしても、瞬間最高値にしても、すべての既発を圧倒している。まさに完全オフィシャル級……いえ、それ以上。実のところ、DIOはウェンディが今いちクオリティにこだわっていないため、たとえ公式発掘でもブート級なことが珍しくない。そんな歯がゆいオフィシャルを一蹴してしまうほどに素晴らしいのです。
【ディスク3:12月28日フレズノ公演】
最後に登場するのは、“1983年の最長放送”の誉れ高きフレズノ公演。他放送にはない「Don't Talk To Strangers」や長尺バージョンの「Heaven And Hell」も収録された超極上サウンドボードです。これまた『CALIFORNIA TRILOGY』以降に発掘された未使用プレFMの放送原盤からダイレクトにデジタル化。この放送は既発エアチェックも超ハイクオリティだっただけにサンタモニカ公演ほどのアップグレードぶりではありませんが、原盤起こしだけに間違いなく“頂点”。これ以上はありません。
ただし、決定放送とは言っても、放送自体に欠点があった。それは「Heaven And Hell」のリプライズ部分。放送局側が大雑把でブツッと突然ぶった切られる編集になっていたのです。それも放送の真実ではあるものの、ここまで失点皆無のノーヒットノーランが続いてきただけに、できれば完全試合に持ち込みたい。本作では放送局のブツ切り編集をシームレスに繋げ、パーフェクトなライヴアルバムに仕上げました。