夢色

集めてるもの 見たもの 書きたいものを 思いついた時に。
基本ネタバレ注意。
火月 神の気まぐれ よろずメモ。

2007-11-01 | あ行

久しぶりの雨が
静かに空気を濡らす
人のいない道に 鮮やかな落ち葉が集まり
ささやき 顔見合わせては 微笑む
気配に耳そばだてて 歩く
ひとつ ひとつ
やわらかな土を踏む音だけが
足元から伝わり 体を満たしていく
ひとり だけど 不思議
ひとり じゃない
冬が待機する 気だるい朝
満ち足りた気分で
ひとり 
歩く


秋雨

2007-10-07 | あ行

気付かぬ顔で   雨はやさしく降り続く
今 君が 密やかに 深く溜息をついた
透明な空気を震わせ
さざなみの様に広がり
僕の発せられる瞬間の言葉は 静かに崩れ去る
雨が守り続ける漆黒の帳が
このままどうか 君を暖め続けますように
この夜に

泣かないで
泣かないで


朧月

2007-04-07 | あ行

はる おぼろ
淡く あわく
誰を 包む?
ただ ひっそりと
ネオンに紛れて
誰を 待つ?
緩い風 さらさらと
花びら散って
夜桜

ふわり

今再び 月日(とき)は流れて
はる おぼろ
その儚さ故に
誰を守るのか
今宵もまた 疲れて眠る
彼の人のもとへ
ひと束の光

桜 ひとひら

                      はらり───


Answer me.

2007-02-11 | あ行

貴方の最大の過ちは
いつでもこれが 最終段階
 という事に
気付かないこと


その返事一つで引き金が
引かれるのか 留まるのか
日々瞬間 チャンスは一度きり

さぁ

 今度は  
  どちら?


運命

2007-02-03 | あ行

大切なものを失くした貴女が
再びを恐れた時
まるで小さな少女の様に 一瞬
心細そうな目をしたから
この胸が痛むのです
貴女の心が少しでも安らぐのなら
いつか散る この命
今しばし
貴女の側へと 留めましょう
貴女の涙が
私の頬を濡らす時まで───


合図

2006-12-29 | あ行

足元に横たわるボーダーライン
凍え切れそうな 灯
変わる風向きは ひそか
体中が沸騰し始める
音の鳴らない 開始のピストル


全ては 気付くかどうか

この
目隠しされた世界で


おやすみのうた

2006-12-25 | あ行

水色のアクアリウム
ゆらり ゆらりと 私
うつら うつらと あなた
オルゴールは途切れることのない 金のしずくを
ワルツに乗せて
宙から光が雪のごとく
白     ふんわり ガラスのそと


ひとつ 息を吐くたびに
ひとつ 泡を数えて
ひとつ 取り戻す
心のカケラ
ひとつ 取り戻す
ココロの力




安心して
おやすみ


いつの日か・・・

2006-12-24 | あ行

いつの日か   つかれたよ と  君が言ったなら───


君の居場所は 思い出の中
声を掛けても ちっともこっちを見やしない
人の気も知らないで好き勝手に遊んでさ
おかげでいつも 覚えているのは
・・・楽しかったことばかり
もう二度と出会えることなんてない
暗闇の中 見えなくて必死に寄り添った
内緒の夜

時が進むごとに
君の全てが違う何かにすり替わる
誰かとめてよ そんなの嫌なんだ

君が望むなら 千の言葉を言うよ
たとえ気休めでも 君が心強くあるなら
どんな理不尽な事でも 探して言うよ
───君が   つかれた と   言うまでは

ゆっくりと冷える明日
君が付けた傷跡が僕のあかし
最後の最後にすべり込んだのが
僕だったなら
果てのない願い


僕は 夢に見る
広い広い空の下  風に 水に 光に 吹かれる君を
ちらと瞳に映りこむ僕を
僕は 夢を見る───