夢色

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火月 神の気まぐれ よろずメモ。

<ギュスターヴ・モロー展 @ あべのハルカス美術館>

2019-07-25 | Luck

 ギュスターヴ・モローの展覧会なんて、珍しいなぁと思いますが、私には嬉しい限り
モローのお家の螺旋階段の写真に一目惚れして、卒業旅行でパリに行った時に、一人で美術館行ったっけ
久しぶりにゆっくりと作品を観ることが出来ました。

モローが描いた女性像を通して、彼にとっての「ファム・ファタル」は何だったのか、というテーマの展覧会です。
眼をしっかりと描き込んだ作品もあれば、試作品かの如くに表情を描かないものもあったりして。
目玉は、「一角獣」と「出現」です。
出現以前に、サロメをクローズアップして色々な構図を考えていたり、服の装飾とか、処刑人のデザインを練習したり、いろんな作品がありました。
出現はよく観たら、オリエンタルな細かい模様が描き込まれていて、印刷では気付いてなかったので、生で観れて良かったです。
私が好きだったのは、同じテーマでもサロメがおそらくヨハネの首をお盆に乗せて持っていく、その背後にヨハネの体と処刑人が残される光景がある、そんな作品でした。
サロメの表情がはっきりと伺うことが出来ないところが、ミステリアスでした。
「一角獣」は、ほんと細かい服の模様やアクセサリーなどがオシャレ。
奥で座る、ぼやけた女性の姿がありますが、その隣にも一角獣がいるのかなぁ?とか思って観てました。

あとは、「トロイアの城壁に立つヘレネ」とか、「神秘の花」、「レダ」が好きでした。
レダのなかでも、恍惚の表情が すごく伝わるアングルの作品が好き。
同じテーマでいろいろ描いてあるから、タイトルが一緒になっちゃうのだけど
神秘の花は、聖母マリアが凛とした雰囲気で佇み、でもその足元には数多の殉教者たちの死骸が積み重なるという。
聖母なのか、悪女なのか・・・。
そこが私は逆に恐ろしいなと思った。

女性の二面性というか、相反する価値が同居する、そんな「女性の性」を描こうとした画家なんだと思います。
 館内はそこまで混んでなくて、ゆっくりと細かい所まで見て回ることが出来て、良かったです



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