体調がまだまだ本調子とは言えぬ中、
当たり前だが、仕事は待ってくれないので今週初めから県北へ現地調査へ行って来た。
産直の地元物産店があり、隣に地域の婦人会がやっているような御食事処へと入った。
外での業務で歩くだけなのに、気温が高くすっかりへばっていたので珍しくザルを頼んだ。
今までならどんなに暑くても冷たい麺類は食べることはなく、
うどんにしろ蕎麦にしろ、かけしか頼まなかった。
ざる蕎麦を頼むなんて十数年ぶりのことだ。
冷やし中華は、もしかすると成人になって食ったことがないかもしれない・・・。
去年の年越し蕎麦以来、久しぶりの蕎麦。
あれほど好きだった蕎麦が食えなかった理由がある。
昨年末に出雲へ出張に行った帰り、道の駅で蕎麦を買って帰った。
生蕎麦だったが、冷凍すれば日持ちするとのことだったので年越しそば用にと冷凍した。
大晦日当日、見た目が少なそうだったのですべて茹で一人で食った。
最後は量の多さに少し気分が悪くなり、それ以来蕎麦を見ると具合が悪くなっていた。
カップ麺の蕎麦も食えそうもなく、あまり好きではないうどんを食うようになった。
ところが、暑さのせいもあり不思議とざる蕎麦が美味しそうに感じたので注文。
食べるとあっさり食えたではないか。
地元の婦人会のおば様方が厨房で作られていたのだが、
レストランでは食べられないような素朴な料理ばかり。
中でもちらし寿司は僕のおばぁちゃんが作っていたような寿司で、なんだか懐かしく思えた。
おからも然り、唐揚の横にはサツマイモのてんぷら。
お芋のてんぷらなど、最後に食ったのはいつだったか記憶にないくらいしばらくぶり。
地元感満載の食事処であるが、決して安価ではなかった。
しかし、おばぁちゃんを思い出させてくれるような雰囲気と料理。
お惣菜や居酒屋の食事ばかりの日々を忘れさせてくれた日となった。
圃場の横を調査に歩いているとあちらこちらでウグイスの鳴き声。
姿は見えども鳴き声はする。
先日TVで言っていたが、あの「ほーほけきょ」は縄張りに入ってきたものへの威嚇とのこと。
少しの間耳を澄ませていると、それぞれにちょっとずつ鳴き方が違う。
個体によって上手い下手があるのだと少し微笑ましく思えた。
ここまでは気分良くすんなりと業務を遂行していたのだが、
畦の横に黒くて長い物体が横たわっているのを見て腰が抜けそうになった。(爬虫類が大嫌いの僕)
「わぁ~、へびじゃ・・・」と叫んで少し怯んでいると、
「そういやさっき、斜面に結構でかいマムシがゆっくりと山中へと登っていました」
と、・・・客先の若いやつが言う。
えぇ~~~~~~~~~~~~~
すっかり仕事する意欲がなくなり、もう歩くことがいやになった。
僕の視界にマムシが入らなかったのは良かったのだが、
この場から逃げたい一心でおびえながら仕事を済ませる。
生涯、マムシは二度しかお目にかかってないのだが、
このまま死ぬまで会いたくない・・・、奴である。