唯物論者

唯物論の再構築

ローレンツ変換式

2011-11-23 00:11:10 | 相対性理論

 ローレンツ変換式は、静止慣性系Sの時空座標(x,t)で、速度vで移動する移動慣性系S’の時空座標(x’,t’)を表現する式である。導出要領を以下に示す。

最初に、以下の式を前提する。

  x/t x’/t’       ・・・前提式1:異なる慣性系での光速の同一式

上記式は、x成分だけで見た空間成分と時間成分の関係式になっている。三次元空間の場合の上記式は、もっぱら以下で表現される。

  x +y +z =c
  x’ +y’ +z’ =ct’

もし上記の一般式の形で表示するなら、前提式1は次の式になる。

  x =c                ・・・前提式2
  x’=ct’               ・・・前提式3

ここで移動慣性系S’の移動速度vをx軸正方向と考え、tおよびxに正値をとるなら、前提式1は次のようになる。

  x/t x’/t’ c          ・・・前提式4

また上記式の分子分母を逆にすると、次のようになる。

  t/x t’/x’ 1/c        ・・・前提式5

さらに前提式2と前提式3の二式の減算で、次の式も得られる。

  x-x’ = t’      ・・・前提式6

 移動慣性系S’の時間進行の差異を無視した場合、慣性系S’の空間座標は、静止慣性系Sの空間座標が移動したものにすぎない。つまりx’は、下記のようにxのt秒後の値となる。ただしここではまだ、t’とtの関係を不問にする。xの値は、移動慣性系S’の移動速度vに対応して、次のように表される。

   x’=x-vt

ここでストレートに移動慣性系S’の空間座標が、静止慣性系Sの一定の伸縮空間座標となるのを想定すると、上記式は伸縮率γを用いて次のように表される。

   x’=γ(x-vt)          ・・・式a:空間座標変換式1

以下要領で前提式4に式aを代入して、時間座標変換式1を導出する。

  x/t=x’/t’
  x/t=γ(x-vt)/t’       ・・・x’に式aを代入
    t’=γ(x-vt)t/x
    t’=γ(t-vt/x)
    t’=γ(t-vx・t/x)    ・・・右辺第二項の分子分母にxを乗算
    t’=γ(t-vx/c)      ・・・前提式5を代入。 式b:時間座標変換式1

 ここで前提式6に式aと式bを代入し、伸縮率γをcとxとtで表現すると、以下のようになる。

                     x-x’=c-ct’
               x-(γ(x-vt))=c-c(γ(t-vx/c))
                x-γ(x-vt)=c-cγ(t-vx/c
    cγ(t-vx/c-γ(x-vt)=c-x
     γ(c(t-vx/c-(x-vt))=c-x
    γ(c(t-2tvx/c+v/c)-(x-2tvx+v))=c-x
        γ((c-2tvx+v/c)-(x-2tvx+v))=c-x
           γ(c-2tvx+v/c-x+2tvx-v)=c-x
                   γ(c+v/c-x-v)=c-x
                    γ(c-v-x+x/c)=c-x
                  γ(t(c-v)-x(1-v/c))=c-x
                  γ(t(c-v)-x/c(c-v))=c-x
                        γ(c-v)(t-x/c)=c-x
                      γ(c-v)(c-x)/c=c-x
                     γ(c-v)/c=1
                               γ=1/((c-v)/c))
                                γ=±1/((c-v)/c
                                γ=±1/(1-v/c

伸縮率γは正値なので、γ=1/(1-v/c)という値を得られる。

したがって、暫定の式aの空間座標変換式1、および式bの時間座標変換式1は、以下となる。

   x’=1/(1-v/c)・(x-vt)       ・・・空間座標変換式
   t’=1/(1-v/c)・(t-vx/c)    ・・・時間座標変換式

(2011/11/23)


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