001)実体の直接的抽象を反省して顕現する自由な力の全体としての概念
002)実体の即自態としての存在 → 対自態としての本質 → 即自対自態としての概念
003)対自における受動的自己自身と能動的自己の擁立 → 存在と力の相互限定 → 原因と結果の因果全体
004)力の因果における主体的思惟 → スピノザ実体論における人格的因果の欠落
005)自己と自己自身の全体 → 普遍と具体の統一 → 自我の純粋概念
006)カント統覚に現れる自我・悟性・概念の根源的同一 → 直観と概念、主観と客観の先後問題 → 概念の実在性問題
007)無内容な類に対する先天的綜合(理性)の要請 → カント弁証論がもたらした理性の役割の否定
008)存在・本質・概念の遷移における実在性擁立 → カテゴリーの即自対自的考察における実在性の産出
009)命題一般の真偽不定 → 真理命題における真理認定 → 肯定判断における真理擁立 → 客観的カテゴリー擁立
010)存在を否定する本質を否定する理念 → 偶然な概念を否定する必然的概念を否定する自由な概念
011)偶然な即自概念としての主観 → 偶然を廃棄した必然の対自概念としての客観 → 客観的形式に基づく主観的自由の成立
第一篇 主観性
第一章 概念
11a)概念の即自態としての存在 → 対自による本質分離 → 主語述語を結合する主観判断 → 主観判断を結合する推論
11b)形式的悟性における自己同一な普遍 → 普遍と区別された特殊 → 普遍と特殊を結合した具体的判断
A.普遍
11Aa)本質を媒介にして存在に復帰する概念の自己同一 → 存在と本質の分離と結合を媒介する絶対無としての普遍
11Ab)質を持つ全体としての具体的普遍 → 質分離による具体的普遍の類的抽象化 → 分離質としての具体的普遍の種的特殊化
11Ac)全体種としての類、および部分類としての種 → 否定一般としての特殊
11Ad)特殊を否定した抽象的普遍としての“である”(存在) → 無内容な形式としての普遍 → 無形式な内容としての特殊
B.特殊
11Ba)普遍の限定化、および特殊の無限定化 → 特殊の実体としての抽象的普遍 → 特殊全体としての抽象的普遍の具体化
11Bb)対自が実現する普遍の部分分離、および特殊の全体統一 → 即自態概念の即自対自態への復帰
11Bc)具体的述語による抽象的主語の修飾 → 悟性による具体的述語の普遍化 → 普遍述語による特殊主語の修飾への転化
11Bd)普遍化した具体的述語としての種の擁立 → 述語結合による主語の具体的普遍化 → 普遍限定に転じた述語の特殊限定
C.具体
11Ca)対象の判明性を成す第三者的特徴 → 対象の組成内容と異なる単純概念(類) → 複数の単純性に構成される複合概念(種)
11Cb)二概念の区別に伴う矛盾(全体) → 区別の消失に伴う複合の単純化 → 相関しない二概念における単なる対概念化(部分)
11Cc)単純な全体としての普遍、部分または複合としての特殊、複合の全体としての具体
11Cd)対概念間における従属 → 従属の消失に伴う矛盾する対概念の同化 → 矛盾する対概念の同位化
11Ce)普遍・特殊・具体の単複量的抽象 → 抽象の矛盾と同位における三者の質的具体化
11Cf)普遍を否定した特殊 → 特殊を否定した具体 → 自己復帰した普遍としての具体
11Cg)具体的普遍としての抽象的普遍 → 具体的特殊としての可能な普遍(形式的推論) → 普遍と特殊の具体化に伴う具体の抽象(個物)
11Ch)指摘に留まる個物の自己反省 → 個物の自己自身としての具体
第二章 判断
12a)具体的存在を限定する概念 → 限定する概念の最初の実在としての判断 → 既にして全体限定(推論)を本性とする個々の判断
12b)全体から分裂した二項としての主語述語 → 命題における主語に対する従属の無い述語 → 判断における主語に対する述語の従属
12c)判断における具体的主語の普遍化と普遍的述語の具体化 → 主語述語の同一 → 命題における主語を包括する述語に現れる量的不一致
12d)主語述語の同一を擁立する推論
12e)判断における主語に対する述語の従属、逆に主語を包括する述語、および主語述語の同一の矛盾 → 判断の自己展開の諸形態
→ 抽象的普遍にある具体的主語と特殊な具体的述語を結合する限定存在の直接判断
→ 二者の質を廃棄した命題式の量的一致を擁立する表象の反省判断
→ 実体と現象の本質的一致を擁立する本質の無条件判断
→ 無条件判断を主観と扱い、概念の実在を問う主観の概念判断
A.限定存在の直接判断
A1.肯定判断
12A1a)“これはあれである” → 主語が述語に従属する内属判断 → 形式における主語は具体、述語は普遍
12A1b)“具体は普遍である” → 主語述語ともに無の欠如した抽象 → 肯定判断 → 内容における主語の普遍、述語の具体
12A1c)“普遍は具体である” → 述語を主語が包括する包括判断 → 内属判断との矛盾 → 主語述語ともに特殊にした同一命題
A2.否定判断
12A2a)内属判断・包括判断における主語述語の不一致 → 肯定判断の否定 → 否定判断
12A2b形式における“具体は普遍ではない” → 述語の限定 → 形式的な“主語は普遍ではない”
12A2c)内容における“普遍は具体ではない” → 主語の限定 → 内容的な“主語は具体ではない”
12A2d)肯定判断における主語述語の同一の否定 → 抽象的普遍<主語<具体的内容 → “主語は特殊である”
A3.無限判断
12A3a)否定判断における主語述語の不一致 → “主語は述語ではない” → 判断一般を否定する否定的無限判断
12A3b)否定的無限判断に従う否定判断の否定 → 擁立した判断(推論)としての肯定的無限判断 → “普遍は普遍である”
B.表象の反省判断
12Ba)具体主語が述語普遍に従属する内属判断 → 具体的限定存在の質的判断 → 普遍的限定存在の無限判断への展開
12Bb)個別述語を類主語が包括する包括判断 → 具体的表象の量的判断
B1.単称判断
12B1a)“ソクラテスは人間である” → 具体表象と普遍表象の結合 → 主語述語の不一致に対する主語(具体表象)限定
12B1b)主語の量的縮小限定 →単称の否定
B2.特称判断
12B2a)“或るソクラテスは人間である” → “或る具体は或る特定の本質である” → 特称主語における変わらぬ述語不一致
12B2b)主語の量的拡大限定 →特称の否定
B3.全称判断
12B3a)“全てのソクラテスは人間である” → “全ての具体は或る特定の本質である” → 主語の完全限定具体化
12B3b)具体であった主語の完全限定による普遍化 → 即自対自存在としての客観的普遍 → 具体を総括した経験的蓋然
12B3c)単称判断主語の述語普遍への従属 → 全称判断述語の主語普遍への従属 → 主語述語の内属関係逆転
→ 前提として現れる類 → “個別は類に属する”
C.本質の無条件判断
12Ca)全称判断による客観的普遍の擁立 → 擁立された本質の実体的偶有 → 特殊な客観的普遍の擁立
C1.定言判断
12C1a)類と種と具体の三種を主語とする各種判断 → 定言判断と反省判断と直接判断 → 主語の述語普遍への従属の反転
12C1b)述語の存在としての主語 → 主語述語の内属関係の不定 → 主語述語の形式的同一 → 繋辞としての存在の必然化
C2.仮言判断
12C2a)“主語は述語である” → 述語の主語普遍への従属 → 主語普遍固有の述語としての存在 → “Aは存在”(Aがある)
12C2b)主語自己の根拠としての自己自身の擁立 → 他者に従属する主語普遍の特殊化 → 定言の否定 → “BならばA”
C3.選言判断
12C2a)仮言による主語の部分限定の否定 → 肯定・否定の仮言の全体における定言の具体化 → 仮言の再定言化
12C3b)仮言の否定としての選言 → “AはBかC” → 仮言の完成としての選言 → “AならばBかC”
12C3c)選言主語における類の擁立 → 種間の同一原理としての類 → 類間の反対対立と種間の矛盾対立
12C3d)反対対立と矛盾対立の相互移行 → 類と種の多層化
12C3e)原理的同一における欠落種の不可能 → 主語と述語が癒着した概念
D.主観の概念判断
12Da)定言主語における抽象的普遍 → 仮言主語における特殊普遍 → 主観 → 選言主語における具体的普遍 → 客観
12Db)具体の統一に留まる選言の主語 → 具体的概念としての未完成 → 選言における主語述語の非同一
12Dc)概念判断による主語述語の結合定言 → 相変わらずの主観判断 → 判断の推論への転化
D1.実然判断
12D1a)個物を対象にした直観の主観的感情 → 感性的表象に対する美的価値判断 → 選言主語に無関心な恣意的定言
D2.蓋然判断
12D2a)表象を対象にした悟性の主観的断言 → 悟性的本質に対する善的価値判断 → 選言主語に関する特称かつ仮言の様相
D3.必然判断
12D3a)概念を対象にした理性の主観的断言 → 擁立された概念に対する真偽判断 → 選言主語に普遍的に関わる理性的承認
12D3b)類と具体を統一した事Sacheとしての主語を根拠にした個物の否定的原理
12D3c)具体主語と普遍述語を結合した判断形式から離れた普遍の主語述語結合
12D3d)主語述語が不一致な判断形式に対する主語述語の即自的な内容同一の回復
12D3e)必然判断における普遍の主語述語の差異 → 主観的な特殊普遍の主語 → 主語に対する限定力の擁立 → 推論
第三章 推論
13a)悟性による概念の選言限定 → 概念の自己に対する自己自身の表面的結合 → 自己自身を自己に統一する理性の推論
13b)主語述語を結合する中間辞(繋辞) → 中間辞による述概念の主概念への統一としての推論
→ 質的に直接的諸限定と普遍の一致を擁立する限定存在の定言的推論
→ 限定存在の具体限定を廃棄し、量的に二項の外面的一致を擁立する反省の蓋然的推論
→ 反省の特殊限定を廃棄し、実体と現象の本質的一致を擁立する必然的推論
A.限定存在の定言的推論
13Aa)小前提“これはそれである”と大前提“それはあれである”から成る三段推理 → 省略形の推論“これはあれである”
A1.推論第一格(具体-特殊-普遍)
13A1a)具体-普遍の二段論法の独断 → 具体-特殊-普遍の形式的推論 → 限定存在の直接的内容限定の質的推論
13A1b)前提された中間辞の特殊 → 特殊の媒介を表現する接続詞 → 接続詞による独断の推論化
13A1c)無限定な個物 → 特殊による質的限定 一般化した質的限定としての普遍
13A1d)経験的偶然に従う特殊と普遍の抽出 → 中間辞の偶然に従う推論の偶然 → 中間辞の必然に従う推論の必然
13A1e)推論形式「具体-特殊-普遍」における「具体-特殊」の小前提と「特殊-普遍」の大前提
13A1f)「具体-普遍」の結論判断に対する「具体-特殊」の小前提・「特殊-普遍」大前提の推論形式の分解
13A1g)分解の終端に現れる「具体-特殊」の小前提の分解 → 「具体-普遍-特殊」の推論第三格
13A1h)分解の終端に現れる「特殊-普遍」の大前提の分解 → 「特殊-具体-普遍」の推論第二格
A2.推論第二格(特殊-具体-普遍)
13A2a)第二格における主語特殊と述語普遍の連繋の根拠 → 連繋を媒介する中間辞に擁立される直接的具体
13A2b)「特殊-具体-普遍」の小前提「特殊-具体」 → 主語特殊の具体への直接化 → 特殊の直接性の擁立
13A2c)「特殊-具体-普遍」の大前提「具体-普遍」 → 述語具体の特殊への拡張 → 具体の直接性の廃棄
13A2d)第二格中間辞における特殊と普遍の否定的統一 → 判断の直接性を廃棄する第二格の推論としての原初性
13A2e)小前提における特殊の普遍化、および大前提における普遍の特殊化 → 第二格における第一格の具体化
13A2f)第一格の経験的結論「具体-普遍」と小命題「具体-特殊」の否定 → 第一格の前提となる第二格
13A2g)第一格が擁立した正当な具体を中間辞にする第二格 → 第二格が擁立した正当な特殊を中間辞にする第一格
13A2h)第二格結論「特殊-普遍」における特殊と普遍の同格化 → 第二格が擁立した中間辞の廃棄
13A2i)第二格中間辞の抽象的普遍化 → 中間辞の「である」(存在)への推移 → 第二格の主語述語結合の空虚化
13A2j)第二格中間辞の具体に対する推論の補足 → 第三格推論「具体-普遍-特殊」
A3.推論第三格(具体-普遍-特殊)
13A3a)第三格における主語具体と述語特殊の連繋の根拠 → 連繋を媒介する中間辞に擁立される直接的普遍
13A3b)「具体-普遍-特殊」の小前提「具体-普遍」 → 主語具体の普遍への拡張 → 具体の直接性の擁立
13A3c)「具体-普遍-特殊」の大前提「普遍-特殊」 → 述語特殊の普遍への直接化 → 普遍の直接性の廃棄
13A3d)第三格大前提「普遍=特殊」の偽 → 「普遍≠特殊」の真 → 限定として変わらない「普遍-特殊」の真
13A3e)第一格で述語に限定される無限定な主語具体 → 無内容な普遍にすぎない具体
13A3f)第二格で述語に限定される無限定な主語特殊 → 無内容な普遍にすぎない特殊 → 第一格と同等の具体
13A3g)第一格と第二格の述語普遍 → 無限定な主語を限定する普遍的具体としての特殊
13A3h)第一格と第二格の実質的内容としての「具体-特殊」 → 第一格と第二格の前提として現れる第三格
13A3i)無内容な普遍を中間辞にした具体と特殊の連繋 → 具体と特殊の同格化 → 第三格が擁立した中間辞の廃棄
A4.推論第四格(普遍-普遍-普遍)
13A3a)推論の二項と中間辞の質を廃棄した量的同等 → 連繋を媒介する中間辞に擁立される抽象的普遍
13A3b)二項の量的同一における二項の質的同一の排除 → 形式的推論としての三段論法
13A3c)普遍を含む具体の普遍、または具体を含む普遍の具体における二項の質的同一 → 特殊の中間辞擁立
13A3d)形式的推論における質的無限定な中間辞 → 量的同一な二項の恣意的な質的同一の成立
B.反省の蓋然的推論
13Ba)質的推論による中間辞の具体化 → 二項を統一する全体としての類 → 具体や普遍と異なる特殊な個別の総体
B1.総体の推論
13B1a)推論形式に分解された全称判断 → 中間辞に現れる特殊な総体 → 蓋然な総体に従う蓋然な推論
B2.帰納の推論
13B2a)限定存在の推論における大小二前提と結論の相互前提 → 反省の推論における結論を前提にした総体中間辞
13B2b)空虚な推論の仮象 → 中間辞に現れる無前提な具体の総体 → 主観の経験的推論
13B2c)総体の推論での「具体-特殊-普遍」 → 帰納の推論での「普遍-具体-特殊」
13B2d)「普遍-具体」において普遍を代替する具体経験 → 推論における類の存在前提
B3.類比の推論
13B3a)具体としての帰納の中間辞を普遍化した類比の推論 → 主語の具体への復帰とその特殊に転じた述語
13B3b)類比の推論での「具体-普遍-特殊」 → 中間辞の蓋然的普遍、および大前提が含む帰納の蓋然
13B3c)包括関係が逆転した「普遍-特殊」 → 内容多数に従う蓋然的普遍 → 外面的反省の限界
13B3d)具体を否定する小前提「具体-普遍」、および普遍を否定する大前提「普遍-特殊」 → 特殊と普遍の同等化
13B3e)結論「具体-特殊」における具体と普遍の否定 → 内容多数に従う蓋然的普遍に対する類の普遍としての擁立
13B3f)蓋然の彼岸に露呈する必然 → 必然を前提する蓋然 → 検証を前提する推論
13B3g)真偽不定を含む何らかの検証の実在 → 検証が実在が示す結論の実在 → 必然の実在
13Ca)質的推論での中間辞の抽象的全体 → 量的推論での中間辞の具体的類 → 抽象的包括関係の全体となった推論
C1.定言の推論
13C1a)擁立された類に対する個別の包摂的相関 → 中間辞に種を擁立した定言 → 「個別-種-類」の推論
C2.仮言の推論
13C2a)「種-類」の無根拠な定言の否定 → 類を根拠づける直接的具体 → 類の実在を条件にした定言
13C2b)「類-個別」を条件にした「個別-種」 → 「類-個別-種」の推論 → 主語の制約に従う述語の必然
13C2c)類の実在と種の実在の同一 → 仮言における類と種の区別の消失
C3.選言の推論
13C3a)仮言の全体における定言の具体化と普遍化 → 仮言推論の主語の完全限定
13C3b)小前提の否定選言による主語の具体限定、大前提の肯定選言による主語の類的普遍限定 → 結論の特殊限定
13C3c)類的一覧否定と類的一覧肯定が結論する種的限定 → 「個別-類-種」の推論
13C3d)小前提と結論の主語の同一 → 「種-類-個別」の推論との同格
13C3e)小前提と大前提の同格 → 仮言推論「類-個別-種」、「類-種-個別」の定言との同格
13C3f)小前提と大前提と結論における主語の同一 → 推論とならない選言推論 → 選言推論における必然の廃棄
13C3g)選言推論の「類-類-類」推移 → 仮言における主観「類-個別」と客観「個別-種」の否定的統一の否定
13C3h)仮言における主客分裂の止揚 → 推論を根拠としない概念の自立 → 実在化した客観的概念 → 事Sache
ヘーゲル大論理学 概念論 解題
概念論 要約 ・・・ 概念論の論理展開全体 第一篇 主観性 第二篇 客観性 第三篇 理念
ヘーゲル大論理学 概念論 解題
1.存在論・本質論・概念論の各章の対応
(1)第一章 即自的質
(2)第二章 対自的量
(3)第三章 復帰した質
2.民主主義の哲学的規定
(1)独断と対話
(2)カント不可知論と弁証法
3.独断と媒介
(1)媒介的真の弁証法
(2)目的論的価値
(3)ヘーゲル的真の瓦解
(4)唯物論の反撃
(5)自由の生成
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