第二編 客観性
2a)概念論が標榜する客観を媒介にする概念の理念への転化 → デカルト式神の存在証明との類比
2b)判断が擁立する概念の抽象的実在 → 推論が擁立する抽象的実在の客観
2c)推論の述語が示す主観 → 主観が擁立する客観の非実在
2d)抽象的普遍が示す非主観 → 非主観が擁立する客観の実在
2e)感覚の主観実在と異なる客観実在 → 感覚の主観実在の総和に留まるカントとスピノザ
2f)自我に対立する絶対的真理としての客観、および主観の恣意的偶然に対立する即自対自的原理としての客観
2g)客観の二義的対立がもたらす客観の自己展開の諸形態
→ 直接的客観として個々に自立した主観の単なる総体にすぎない機械観
→ 直接的客観の自立を廃棄し、個々の主観を統一する主観法の化合観
→ 個々の主観法の目的を擁立し、個々の主観法を統一する主観法全体の目的観
→ 主観的目的を廃棄し、実現を通じて外的合目的から内的合目的に転じた目的の理念
第一章 機械観
21a)個々に自立した直接的客観の外面的相関の総体としての機械観
21b)直接的客観の内面から遊離した外面的相関 → 機械観における個々の直接的客観の自由の欠落
21c)全体の部分にすぎない個別 → 一つの客観の放射口にすぎない単子(モナド)
21d)個別を限定する全体の無限定 → 全体の無限定を限定する個別としての自己
21e)無限定を限定する第二の全体としての自己の無限定 → 無限反復する原因追及
21f)単子論における原因追及の放棄 → 一つの客観による主観の決定論
A.形式的機械過程
21Aa)原因と結果が同一の表象的因果 → 形式的機械過程 → 原因と結果の共有中間辞としての普遍
21Ab)中間辞の非共有 → 非同一な中間辞が擁立する個別 → 二者の部分的共通を成す中間辞としての特殊
21Ac)同一と非同一を通じた自立客観の表面的変化 → 原因と結果の非同一における因果の復活
B.実在的機械過程
21Ba)原因と結果が非同一の表面的因果 → 実在的機械過程 → 二者の共通中間辞にすぎない普遍
21Bb)自立しない普遍と自立する個別 → 恣意的主観にすぎない個別 → 二者間の強制力を成す普遍
21Bc)個別の没落と普遍の自立 → 普遍の力としての運命 → 運命としての類
21Bd)生物個体における運命の欠落 → 客観的運命と主観的自我の分離の欠落 → 客観的自己の否定
21Be)客観的運命の受容 → 主観的自己の否定 → 客観的主観的自己肯定としての法Gesetz
C.絶対的機械観
21Ca)並存する直接的客観を貫通する客観的普遍 → 本質としての類 → 非本質としての個別
21Cb)形式的普遍としての外面的当為(べき)に対する実在的普遍としての内在的傾向Streben
21Cc)外面的秩序と異なる内在的形式としての原理
21Cd)個別を貫通する類 → 絶対的中心物体としての類の分裂 → 相対的中心物体としての種
21Ce)個別と種の中間辞として現れる類 → 推論第三格「具体-普遍-特殊」
21Cf)推論第三格の結論から特殊を中間辞として現れる推論第一格「具体-特殊-普遍」
21Cg)推論第三格と第一格の類比から具体を中間辞として現れる推論第二格「特殊-具体-普遍」
D.自由な機械観
21Da)推論の全体が形成する自由な機械観 → 推論の根本規定に現れる客観的普遍
21Db)外面的秩序の内在的客観規定への転化 → 法Gesetz → 外面的実在と区別された観念的実在
21Dc)法による主観的個体の即自対自的な生動態の限定 → 機械過程を廃棄した自由な必然
21Dd)全体の中の自立的個体に過ぎない直接的客観 → 直接的客観が示す内在的傾向Strebenの反転
21De)直接的客観の相互対立の客観化 → 自由な機械観の化合観への推移
第二章 化合観
22a)無限定な直接的客観の全体としての機械観 → 機械観が限定した普遍的客観の全体としての化合観
22b)化合観に現れる普遍的原理による実存の包摂 → 内的全体としての普遍の即自存在の外化
22c)機械観の対他に対する化合観の対自 → 普遍的原理の特殊化 → 類の実在擁立としての化合
A.直接的化合過程
22Aa)並存する直接的客観の外面的結合 → 中間辞を全体とする判断の二項の親和
22Ab)親和二項による特殊な中間辞の擁立 → 二項の概念の実存対立の中和 → 内面的有機結合
B.実在的化合過程
22Ba)中和客観を媒介にした二項の対自 → 二項を媒介にした中和客観の対自 → 三項全体の擁立
22Bb)二項の否定的統一としての中和客観 → 二項を度量とする度量体系 → 二項の元素としての純化
22Bc)他方を特殊な普遍とする二項と中和客観の三項対立 → 恣意的な特殊な普遍 → 抽象的三項関係
22Bd)直接的客観を中間辞にした抽象的三項関係の具体化 → 主観的な直接的客観の限界内にある三項関係
22Be)普遍を中間辞にした具体的三項関係の擁立 → 外面的中和から分裂した二項の内面的中和
C.目的因への飛躍
22Ca)「具体-普遍」の機械観と「特殊-普遍」の化合観 → 二つの推論の根拠に現れる恣意的中間辞
22Cb)二つの推論が結論する具体的普遍 → 具体的普遍を根拠にする推論第三格「具体-特殊」の成立
22Cc)「具体-特殊」での述語普遍の欠落 → 推論第三格における無根拠の外観 → 飛躍の外観
22Cd)第一格と第二格の恣意的中間辞の普遍の恣意 → 前提された普遍 → 結論を前提する同語反復
22Ce)普遍の実在前提 → 根拠としての全体の実在 → 推論を可能にする根拠としての全体
22Cf)化合観の中間辞を成す具体 → 普遍と区別された具体の実存 → 普遍として自律する特殊
22Cg)機械観の非自律的具体と化合観の自律的特殊が同一である矛盾 → 第三格に従う普遍的具体
22Ch)機械観における原因と結果の同一 → 化合観における類から自由な個別 → 原因と結果の非同一
22Ci)特殊と普遍の非同一 → 自由な個別における特殊原因としての目的
第三章 目的観
23a)作用因としての機械観の外面的限定 → 宿命論・運命論 → 目的観の目的因としての内面的限定
23b)機械観における混合式判断に留まる否定的統一 → 化合観における中和式推論としての否定的統一
23c)自然全体を目的にする化合論 → 機械観の延長に留まる化合観 → 目的の如き結果の擁立
23d)機械観の真理としての目的観 → 機械観における偶然にすぎない自由と目的観における恣意的自由
23e)価値としての自由 → 自然の外面的合目的を離脱する自由の内面的合目的 → 必然と自由の対立
23f)人間に無関心な法(反定立)と人間のための自由(定立) → カント弁証論における二律背反の許容
23g)不可知な客観法と可知な主観格率 → 中間辞に擁立された目的
A.主観的目的
23Aa)化合観が擁立した外面的客観 → 主観が自己と客観の中間辞に擁立する主観的目的 → 主観の衝動
23Ab)作用因の偽の彼岸としての目的因 → 作用因を媒介とした自己原因としての目的因
23Ac)偽から推論される目的の真 → 自己に反発する偽を内に含む真 → 自己否定関係に現れる特殊
23Ad)個別客観にとって外面的な普遍的主観の内面的反省 → 外面的客観と主観的目的の廃棄と合一
23Ae)実現した目的における客観と主観の否定的統一 → 直接的客観に限定された特殊概念の擁立
B.外的手段
23Ba)直接的客観により主観的目的として自己を限定した目的主観 → 前提された直接的客観 → 作用因
23Bb)作用因と区別される目的因としての主観的目的 → 目的の外面と内面の分裂
23Bc)反省「直接的客観-作用因-主観的目的」 → 二重否定された直接的客観の自己復帰
23Bd)作用因の目的因化 → 中間辞にある作用因の媒介項化 → 推論「主観的目的-手段-直接的客観」
23Be)目的に無関心な直接的客観にすぎない外的手段 → 外面的小前提「主観的目的-手段」に従う形式的推論
C.内的手段
23Ca)主観的目的と区別される外的手段 → 目的に従属する客観としての手段 → 目的限定された客観
23Cb)推論「主観的目的-目的限定-直接的客観」 → 目的限定として中間辞に現れる内的手段
23Cc)「主観的目的-手段」の形式性の廃棄 → 目的限定が実現する手段の自己目的化 → 目的未達成の帰結
23Cd)手段の媒介としての自己限定 → 手段の目的限定における自己廃棄 → 目的限定された直接的客観の実現
23Ce)機械論の目的を原因にして目的に帰結する目的論への転化 → 原因と結果、自己と他者の区別の廃棄
D.理念
23D4a)「主観的目的-手段限定-直接的客観」が実現する結果の手段化 → 目的論の形式を得た機械論
23Db)中間辞の手段の実質的欠落 → 手段にすぎない直接的客観 → 結果の直接的客観の消費による目的実現
23Dc)直接的客観を手段として要し、かつ直接的客観と異なる目的 → 「主観的目的-直接的客観-実現目的」
23Dd)目的の実在を成す手段の廃棄 → 二重否定された主観的目的の自己復帰
23De)目的を手段として自己実現する作用因と直接的客観を手段として自己実現する目的因の交互作用
23Df)交互作用の全体として自己復帰した直接的客観 → 客観化した概念 → 目的関係の廃棄
23Dg)概念の当為(べき)に留まる即自態から自己同一な全体としての即自対自態への転化 → 理念
ヘーゲル大論理学 概念論 解題
概念論 要約 ・・・ 概念論の論理展開全体 第一篇 主観性 第二篇 客観性 第三篇 理念
ヘーゲル大論理学 概念論 解題
1.存在論・本質論・概念論の各章の対応
(1)第一章 即自的質
(2)第二章 対自的量
(3)第三章 復帰した質
2.民主主義の哲学的規定
(1)独断と対話
(2)カント不可知論と弁証法
3.独断と媒介
(1)媒介的真の弁証法
(2)目的論的価値
(3)ヘーゲル的真の瓦解
(4)唯物論の反撃
(5)自由の生成
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます