政治家にとって言葉の力はもっとも大切なもの。
その語り伝える力をまったく持たない菅総理が、今、会見を開いている。
いつも通り、官僚の書いた作文を一本調子で読むだけの会見。いまさら、この政治家に心に響く喋りを求めようとも思わないが、見ているこっちが恥ずかしくなる。
東京にまた「緊急事態」を発出するという。
五輪を強行開催する、その東京にだ。
「出歩くな」「人流を止めよう」と呼びかけながら、世界中から人々を招き入れる。そんな矛盾したことを平気でやる政治をだれも信用しない。
「安全安心」をひとつ覚えで繰り返す滑稽さも恥ずかしい。
喋る力がないだけか、記者の質問にまともに答える覚悟も能力もない。
喋りは心があってこそ人の心に響く。
響かないのは、心がないからに他ならない。