沖縄の中でもなにかと比較される宮古島、八重山。
唄の八重山、武の宮古と沖縄では昔から言われている。
八重山は唄者(ウタシャー)が多く、宮古島は気の荒い人が多い。
(酒飲みが多い)
そんなふうに思われているが八重山でも飲み会では
全員がグラスを上げて「オール乾杯」とやっているのをよく見る。
宮古島が酒の島と言われる由縁は「オトーリ」という
宮古島独特の飲み方があるからだろう。
飲み会のメンバー間で、泡盛の水割りをオトーリグラスと呼ばれる
小さなグラスに注いでまずは「親」と呼ばれる座の中心の人から口上を
述べて一気に飲み干し、全員に同じグラスを回していくというもの。
全員に回れば次に「親」が代わって同じように全員に回す。
これが際限なく飲み続けるという飲み方。
一気飲みのオール乾杯ではなく、親がいて口上を述べてという
しきたりにそって飲む。
もともとオトーリは島の神事から始まったもので、五穀豊穣を
祈願するために捧げた貴重な酒を、その場にいる人たちに平等に
分け合って飲む作法であったといわれている。
雨乞いで神様に願うとき、そして恵の雨が降ったときもオトーリは回る。
以前、大きな台風が近づいて避難警報が出された。
このときにそのときの市長が避難所に指定されていた市役所で
オトーリを回して問題となった。あのときの台風は進路をそれて、
宮古島に大きな被害が出なかった。
なんとなく、言っちゃいけないけれど、市長の気持ちが少しわかる…