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季節は移り変わり、もうすっかり初夏の陽気です。先日の梅雨入り宣言を聴いても、なかなか雨が降らず、日中の気温とは裏腹に、朝夕の風は肌に心地よくそよいでいます。
ガイダンスなど高校に出向いていくときには、なるだけ時間がかからない近道を選んで運転します。この長崎県は山ばかりで、緑の中を縫っていくことがほとんどです。
道沿いに、今年初めての紫陽花を見ました。谷の田んぼには田植え用の水がもうすでに張ってあり、田植えが済んでいるところもあります。今の時期に田植えが行われるのだな、などと思いながら、クーラーを切って、ひんやりとした森の風を頬に受けて走っていきます。
学校では、もうそろそろ公務員試験の願書の提出時期になります。
私が出向いて公務員のガイダンスを行う高校でも、3年生は受験態勢に入って行っています。併願の仕方などアドバイスを行うと、一生懸命話を聞いてくれます。作文の添削をしたり、体力試験の話をしたり、最終合格までの道のりの大変さを、きちんと話します。
高校でのガイダンスでは、そこに初対面の生徒たちがいます。私は初めに自己紹介をして、聞いている人たちに質問をするところから始めます。「何年生ですか?」「公務員ってどんな仕事があるか知っていますか?」「高総体、どうだった?」など。
答えてくれたことに対しては、必ず「ありがとうございます。」と言うようにしています。まずは、信頼関係の構築からですね。短時間であっても、その時間や空間を共有するためには、いい印象で始めなければなりません。堅苦しい話だけでなく、興味を持ってもらえる卒業生の話や、講座に来ている同じ年齢の高校生の話、その高校出身の先輩の話、など、聞いている人たちが微笑んでくれるように努めています。
1時間から2,3時間の時もありますが、帰りには、生徒たちは、それぞれ笑顔で「ありがとうございました。」と言ってくれます。私の方からは「頑張ってね!」と言葉が交わせるほど、いい感じで終わることができれば、私のプレゼンテーションは成功です。
この時期、たくさんの人と会って、話して、公務員のこと、本校のことをPRして、心に留めてもらうことが、今の私の仕事です。
ある高校生が、「去年もきましたよね。『夢は計画』、覚えていますよ。」と声を掛けてくれました。ほんわかと暖かい気持ちになりました。
そんな時は、本当に仕事のやりがいを感じます。
今月の写真は、タンポポの穂綿です。この穂綿はどんな仕組みで作られるのか、不思議です。ちょっと調べてみました。
タンポポは朝開花し、夕方花を閉じます。タンポポは一つの花ではなく、舌状花と呼ばれる小さな花が円盤状に集まり、頭花を形成しています。
春の日に黄色い花を満開にし、その時期が過ぎると、いったん花を閉じてしまいます。
それから数日間、まるで眠っているかのように静かにその時を待っています。取り囲む大きめのガクが枯れていきます。そしてまた少しずつ開花するように先端が緩んできます。すると、閉じたガクからはまあるく形作られた綿毛が現れました。それぞれに種子を付けたたくさんの綿毛は、今の季節のそよぐ風に乗って、未知の地に飛んでいきそこで根付き、次の世代を作り上げていくのです。自己では決して移動することができない植物が、どのような方法で子孫をつなげていくかは、遠い昔、学校の理科の時間で教えてもらった記憶があります。
果てしない年月を経て、自然界の様々な現象が作られたことに、ため息が出てきます。
タンポポは、また、生命力の強い植物でアスファルトの裂け目から生えることもあり、1メートル近くもある長い根を持っているといいます。草取りの時、どおりでなかなか抜けなかったわけです。
私も、今いるところに根を降ろして、どんと構えて生きていきたいと思います。相田みつをさんが言っているように「夢はでっかく、根は深く」、これからの自分を支えられる太くて長い根っこを作っていきたいと思います。
学生たちは、夢を実現させるための準備期をこの学校で過ごしていきます。人生の根を深く伸ばすためにも、今を頑張ってほしいと思います。
Photp by mizutani