先週から、北部九州では大雨の被害が出て、被災された方々には、まだまだ心配の日々が続いていることと思います。
自然の破壊力は、体験した人のみがその驚異を切実なものとして捉えることができます。特に予想外の天災には一瞬にして明暗が分かれ、判断力以前の、人の力ではどうしようもできない自然の脅威を見せつけられます。
私も今までに二度、水の恐ろしさを体験しました。小学生の時には、近くの川が氾濫し、まるで海の中にいるように道も庭も田んぼもすっぽり埋まってしまいました。その中を高台まで腿までの水の中を、叔父の手にしがみつくようにして非難しました。私は、とうとう恐怖で泣き出してしまいました。
幼い時のその経験は、今までいつも自然と共に生活していた私に、自然に対する畏怖の念を抱かせることになりました。
テレビで災害の報道を見るたびに、あの時の恐怖が蘇ってきます。子供の時だったからこそ、いつまでもトラウマが消えないのだと思います。被災された現地の方々にはいかばかりかと察します。一日も早い復興と、平穏な日々が戻ることを祈らざるを得ません。
先日、学校に夜間講座の説明を聞きたいと社会人を経験した人が来校しました。その人は、昨年本校夜間講座から上級科に入学をし、努力の甲斐あり公務員になった本校学生のの幼なじみでした。民間企業に就職したその社会人の彼は、公務員になった友人たちが皆イキイキしているから、自分も出遅れたけど公務員にチャレンジしたいと言っていました。
彼は、あの時友人たちと一緒に自分も受験すればよかった、と話していました。「若い時の1年2年はすぐに挽回することができます!思い立った時が始める時ですよ。」と私は話して、まだ決して遅くはないことを強調しました。彼は、何回もあの時やっていれば、と口に出していました。そして、前職での辛かったことを、「今まで大した努力もせずここまで来たことのツケが回った」とも言っていました。自信を無くしてしまっているのだなと思いました。
よく、「後悔の一番は、やらなかったこと!」と言います。それだったら、成功の確率が1%でもあるなら、やってみることですよね。彼は、今年、いい結果が出なければ、来年4月からココに入学する、とも言っていました。
何かを吹っ切らないと、次へ進めないことがほとんどです。まだ、引きずっている間は、大きな一歩はなかなか踏み出せなし、決断ができないのです、きっと。
先日は、県北の大学生のインターンシップ事前セミナーのマナー講習をお引き受けして、講演を行いました。実習直前ということで、皆さん真剣に取り組んでいました。これから40年間の仕事を選ばなければならないのですが、このようなインターンシップ制度があれば企業とのマッチングもうまくいくことでしょう。私たちの長崎デュアル専門学校もこのシステムで行っていて、継続的に成果を挙げているところです。
当日は、留学生が一人、受付のお手伝いをしていました。笑顔が素敵で、私が近づくと物おじせず、大きな声で一生懸命話そうとしていました。講習中、挨拶や敬語の練習の時も、片言の日本語でも周りよりもグンと大きな声で発声していました。彼女について詳しいことはわかりませんが、留学生でありながらインターンシップ実習に参加し、このようなイベントに進んで受付のお手伝いをする積極性に、私は感服してしまいました。終了後、最後まで残った彼女に、「がんばってね」と声を掛けたら、彼女は、何度も「頑張ります!ありがとうございました!」と言って帰っていきました。異国から来た彼女にとって、この日本は、この佐世保は、どのように映っているのだろうかと、ふと思いました。
心理学者のエリクソンが、「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。」と言っています。
いろんな意味を含んでいるこの言葉を、私は、講演などの時によく引用します。どの人にも、一様に、確実に、未来はあるのです。
今月の花は、サンパラソルです。鮮やかな赤が、太陽の赤と重なって見えます。今週は、「梅雨明け宣言」が聞けそうです。
Photo by mizutani