安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

春のおとずれ

2009年04月01日 | 月刊ブログ
 例年より1週間も早く桜が満開になりました。
 公園にいた幼い子どもが、その小さな手の中の桜の花びらを、大事そうにお母さんに見せていました。ほのぼのと暖かい春の光景です。
 いつの間にかまたやわらかな季節が巡ってきて、新しい生活が始まろうとしています。
 この春、進学し家を離れることになった末娘は、転居する前日まで、中学や高校の友人たちと別れを惜しんでいました。進学をする人も就職で遠くに行く人も、また地元でそれを見送る人も、新しい生活への期待と不安が入り交じって、テンションがいつもより少しだけ上がっているようです。
 一足先に関東に就職していった娘の友人からは、毎日のように電話やメールが入り、「寂しい、帰りたい」という新しい生活の話を、娘は聞いてあげているようです。
 遠い昔、自分が家を離れたときのことを思い出してしまいました。やはり花冷えのする4月、一人でぽつんと寮の一室にいたことを覚えています。
 学生時代、同じ寮で仲良くなった友人が5人いて、2年後寮を出て移るときも同じアパートに入りました。学部もクラスも違っていたのに、学校から戻るとまるで家族のようにほっとして、その日あったことをお互いに話したり、お茶を飲んだり、テレビ見たりして過ごしました。卒業してからは、それぞれが家庭を持ったこともありなかなか会う機会がなく、ただ年賀状のやりとりが今も続いています。
 その中で一人だけ誰とも音信不通になっていた友人と、先日本当に久しぶりに会うことができました。今までその友人のことを真剣に捜していなかったことに最近気がつき、ちょうどその友人の郷里に行ったこともあり、少ない手がかりをたどって行ってみることにしました。
 そして、ずいぶんと月日が経っていたのに、その日、私は、その友人と会うことができたのです。
 仕事中だった友人を見つけると、私は、周りのことをすっかり忘れてその友人めがけて駆け寄ってしまいました。名前を呼ぶとその友人はびっくりしたのと同時に、私のことがわかると、目にいっぱいの涙をためて「うそでしょう」と言ったまま絶句していました。
 いろいろと事情があったのだと思いますが、これまで会えなかった時間は嘘のように消え去り、つい昨日まで毎日会っていたような、そんな会話ができました。時間を越えた心の繋がりがあったからなのだろうと思います。
 時間がなくて、ゆっくり話はできませんでしたが、これから連絡が取れるようになったことで、私は心のつかえが取れていくようでした。
 ちょうど七分咲の桜のころの出来事でした。
 春は、人が水辺に行きたがる季節だそうです。蕩々と流れる水の潤いを得ることで新たな生活や挑戦に向かって進むことができるのかもしれません。
 不安や喜びや期待や・・・いろんな思いがあふれ出る季節、春のおとずれです。

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