寒かったり暖かかったりで体調管理も難しいこの頃です。日によって気温の差は10度もの開きがありました。
立春を過ぎると、梅だよりも聞こえてきました。福岡の太宰府天満宮のご神木「飛梅」も、白い梅の花を咲かせているそうです。正門右に配される飛梅は、菅原道真公が大宰府へ左遷された際に、菅公を慕って一夜のうちに京から空を駆けてきたという伝承をもつご神木で、千年以上の時を経た今も毎年その清香の華を咲かせています。
実家の、娘が就職した年に植えた梅の木も、今年も白い花を咲かせているかなと思いを馳せています。
学校では、年間のカリキュラムのほとんどを終了して、後は卒業式を待つばかりです。
定期試験が終わると、追試や再試、授業を休んだ人は欠課がオーバーしてしまい、この春休みも補講を受けなければなりません。こんなことなら、ちゃんと勉強しておけばよかった、休まず学校に来ておけばよかったなど、きっと思っていることでしょう。
つい先日は、国家一般職に合格していて、まだ内定待ちの学生の、省庁面接の練習を行いました。ピークを過ぎたこの時期には、久しぶりの練習でした。1次筆記試験を高得点で通過できた学生でしたが、この佐世保から面接試験のための関東への移動は、時間も費用も、そして体力も使いました。移動のために裂いた時間は、本来ならば面接の最終チェックをする時間でしたが、すべてがバタバタと過ぎてしまい、面接で言うべきこと、アピールすべきことを逃してしまいました。
しかし、今回は違います。何を訴えてくれば面接官の印象に残るのか、面接官の求めている人材になりうるのかを、しっかりと練りました。必ずや、内定の吉報を持ってきてくれることと思います。
公務員試験が一段落した今思うことは、学生一人ひとりに親身に対応できたかということです。大抵の学生が公務員合格という夢を叶えることができましたが、サポートする側として、求められた以上の力になれたかどうか、自問自答することがあります。
あなたならできる!と激励する言葉として、「You can do it.」という言葉を、アメリカ人はよく使うそうです。日本語では「頑張れ!」という言葉がありますが、頑張っている人に、その言葉は押し付けのように、発する側にも受け取る側にも感じられることがあります。逆にプレッシャーになったりすることもあります。
それに比べてこの「You can do it.」は、期待しているよ、という励ましの言葉として受け取ってもらえるのではないかと思います。善い言葉だと思います。「ずっとあなたのことを見ているよ。」という安心感と、愛情をも感じます。
斎藤孝氏の著書によれば、「You can do it.」は、コミュニケーションの締めにも使えるそうです。褒める時以外にも、「教える」「指示する」「叱る」のあとに、ある種のフォローとして使うことで威力を発揮してくれるといいます。叱られても、「You can do it.」あなたならできる!と締めの言葉があれば、落ち込むより、期待されていることを感じるに違いありません。
公務員を目指す学生たちに、私たちが求めるものは、苦境に直面した時の「粘り」です。もうひと踏ん張りしてほしい時に、「You can do it.」は、きっと効果的に働いてくれるでしょう。日本語で表現しきれない、みんなが知っている言葉だけれど、力強さもあって、ネガティブ志向も撃破してくれそうです。
「日本語でないというワンクッションが、ある種の照れ隠しにもなってもっと気楽に有効活用すべきである。」と斎藤氏は述べていました。なるほど、でした。
卒業式の準備は、各クラスでの卒業アルバム作成から始まります。これまで撮りためておいた学校生活の写真から、自分たちで思い出に残ったシーンをピックアップしてオリジナルのアルバムを作るのです。進級年次生は卒業式後の祝賀会の準備を始めています。ビンゴゲームの景品を買いに行ったり、ウェルカムボードを作ったり、ゆっくり休む時間はありません。もちろん、進級年次生には、この時期にやらなければならない「苦手科目の克服」という課題もあります。この時期の頑張りが、合格へ繋がるのだよと、私たちは毎年言い続けています。卒業年次生には、社会人になるまでのわずかな時間をゆっくりと有意義に過ごしてもらいたいと思っています。
今月の写真は、鮮やかなバラの花です。古代ローマ時代から栽培されていた「オールドローズ」は、品種改良によってその数は数千種に及ぶと言われています。もともと南フランスのガリア地方に自生していたことから「ガリカローズ」と呼ばれ、花びらの赤と白のコントラストと模様は、さらに高貴で、「薔薇」と漢字で書いた方がピッタリです!
photo by mizutani