安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

期待に応える

2014年02月08日 | 月刊ブログ
 節分の豆まきが終わると立春です。暦の上では春となりますが、寒さはこれからが本番です。
 ソチオリンピックが開幕し、世界の冬の祭典が開催されています。スポーツ選手として憧れの舞台、オリンピックに日本代表として出場することさえ、選ばれた人であるのに、その中でメダルを獲得するのは、並大抵のことではないでしょう。代表として出場された選手の方々をしっかりと応援しようと思います。
 
 先月、長崎校では、恒例の卒業論文発表会が開催されました。長崎の学校は専門学校としては異例の働きながら単位を取得し、生の現場の知識や技術を取得して就職に繋げるという画期的なカリキュラムです。
 
 発表する学生たちは、2年間この学校で、または実習先で学んだことを発表します。
 学生たちは、実習で体験したことを、時には声を詰まらせて、話します。実習では、よく先輩や上司から叱られ、そのことで落ち込んでしまうと、発表では述べていました。毎年のことながら、私は、この学校以上に充実した2年間を、他では絶対に体験できないと、学生たちにコメントしてきました。
 
 発表の中で、学生たちは、よく「叱られる」という言葉を使っていました。
私は、叱られるのは、きっと期待されているからだと思うのです。家に帰れば、お父さん、お母さん、学校では先生に、そして実習先では上司や先輩に、期待されているから、その期待に応えてくれないことに対してあなたを「叱る」のです。
 
 人には、相手に対して要求水準があって、自分が要求するレベルまで、やってくれないと、憤りを感じたり、期待を裏切られたように感じます。
それは実習中のお客様も例外ではないのです。サービスを生業とするスタッフには特に高い要求水準が課せられます。
 実習中とはいえ、お客様にとっては1スタッフに変わりはなく、高い要求がなされます。誰でも失敗はします、とにこやかに言いながら、プロなんだから失敗なんかしないはずだと、心の中の声が聞こえてくるのです。学生たちは、そんな中で日々実習という名の仕事をしなくてはならないのです。
 私は、学生たちは強くなったと思いました。知識や技術も専門学校生のレベルではありませんもの。自信のようなものも感じました。
 しかし、中にはくじけそうになったり、辞めたいと先生に言って来た人もいたそうです。

 肝心なこと、それは、自分自身が一番、自分に期待をしているということです。自分に掛けたプレッシャーに耐えることができなくなった時に、自己嫌悪に陥り、その現場から逃れたくなるのです。誰でも自分に期待しているんです。

 オリンピック選手に選ばれている人たちは、自分に対する要求水準がとても高いのだろうと思います。だからこそ、世界の頂点で各国のアスリートたちと対等に戦えるのですね。
 SMAPの歌にあるように、その瞬間のために何千時間を使って努力を重ねてきたことなど、聴衆は気づくはずもないのです。そして、自分に対していつも期待し、その期待に応える強さが、記録を作っていくことも、私たちはあまり気づいてはいないんだと思います。
 
 今年79歳になった私の母は、もう軽い認知症を患って2年近くなります。週に3日、デイサービスに行って、自分でもしっかりとしなくてはと思っているようなのですが、症状は、明らかに進行しています。そんな母を見ていると、以前の頼りがいのある強い母を思い出し、今も何でもできるのではないかと期待してしまいます。しかし、現実は自分のことさえままならない状態に直面して、私は、なおさら悲しくなるのです。

 期待をかけるというのは、愛情の表現の一つなのですね。そして期待に応えたいと思う気持ちも。

 論文発表会を終えて、学生たちの達成感に満ちた顔を見ながら、大変だったことも自分の血となり肉となっていることを確信しました。1年生は、先輩の話を聞いて、もう少し期待に応えられるかもしれないと、思ったに違いありません。
入学してくる新入生も、この学校に期待し、成長できるであろう自分に期待して4月を迎えることになるのだと、やはりこちらも新入生に期待してしまいます。

 まずは、ソチからフィギアの団体戦の朗報が舞い込んできました。日本選手の活躍を期待したいと思います。

 photo by mizutani


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