安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

透きとおった風

2009年11月04日 | 月刊ブログ
 この数日は、11月とは思えないほどの寒さが押し寄せ、真冬並みの寒さになりました。テレビのニュースでは、紅葉に雪が積もって真っ赤な山が一夜にして真っ白な風景に変わったという報道がなされていました。その色の変化の報道に日本人らしい美意識をも感じます。今月の写真は色とりどりの「ゴシキトウガラシ」です。
 先日、当校では公務員初中級7ヵ月コースと上級コースの修了式を執り行いました。
 式終了後、修了生を代表して上級コースの男性にスピーチをお願いしていたのですが、7月の上級試験に合格が決まっているその学生は、言葉の中で、「自ら動く」ということを話してくれました。その学生は、一つめの試験に1次合格後、2次の面接試験に備え練習をするために、担当の教員に自分から予約を取りに行かないといけないのですが、なかなかそれができずにとうとう不安なまま2次試験を受け、やはり不合格になった話をしました。
 私たちは学生に「自ら動く」ことを日頃から話をしています。社会に出ると一番大切なことの一つだからです。いつも「待ち」の姿勢では、受け身では仕事ができないことをわかってほしいと思っています。
 その学生は、続けて、二つめの試験では、勇気を持って「自ら動く」ことを実践したそうです。担当教員は、夜遅くまで面接練習をし、休みの日も、試験当日の朝まで練習をしてあげたそうです。学生は見事2次試験に合格をし内定を勝ち取りました。私たち教員がいくら話をしてもなかなか説得力がないことも、実際経験した学生の「自ら動く」という言葉は、100倍の効果があったようです。最後に学生は「ありがとうございました」と結びました。合格したことと、そして「自ら動く」ことを体験させてもらったことに。
 その後、それぞれの担当教科の教員があいさつをしたのですが、その中で私は、その学生に、こちらこそ「ありがとうございました」とお礼を言いました。そのように感じてくれたことに対して、そして、そのことをこれから経験する在校生の前で話をしてくれたことに対して。
 私は、修了に際して孔子のことばを引用してお話しをしました。
「子曰く、三人で行くとき必ず我が師あり 其の善き者を択びてこれに従い 其の善からざる者はこれを改む。」
 三人で行動をするときは、きっとその中に自分の師となる人がいる。善なる人を選んでそのよいところを手本とし、不善なる人を見ては、わが身に振り返ってそうならないように改めることだ、ということです。
 これからは先生から何かを教えてもらうということはなくなります。そして、自分の周りにいる人が先生となる人なのだということです。自分の師となる人は、日々の暮らしの中で出会う人の中にいるのかもしれません。
 私は、その日、その学生から、いろんなことを教えてもらいました。
 さわやかな秋の透明の風が吹いた一日でした。

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