安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

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2009年12月03日 | 月刊ブログ
 長崎市に向かうときや祖父母がいた川棚町に行くときに、大村湾沿いの国道を車で走ります。幼い頃海を眺めながら生活をしていたせいか、季節毎に変わる海の色や、太陽を受けて銀色に輝く様子には特にその移り変わりに目を奪われてしまいます。
 先日は、学生たちと学校近くの公園を清掃しました。一時期よりも落ち葉が少なくなって、もうすぐ冬が来ることを教えてくれているようでした。夜にはきらきらとイルミネーションが光り、街はすっかりクリスマスモードです。
 10月から私は、インターネット通信で生中継される、東京慶応丸の内シティキャンパス実施の講演『させぼ夕学講座』を受講しています。このような地方にいながらにしてリアルタイムでいろんな一流講師のお話が聴ける画期的な企画なので、毎回楽しみにしています。
 先週の講演は、曹洞宗の僧侶の南直哉師でした。お話しの中で、人の一番の幸せは、「あなたがいるだけでいい」と思われること。損得を越えてその人自身の存在を認められることが人としての最高の幸せだということです。反対に、人としての一番の苦は、人から認められないこと、無視をされることだとおっしゃっていました。「『私』という困難」の演題で、自分の存在を問うような意味深いお話しでした。
 今、公務員科では、公務員試験の最終合格が出ています。先日も授業の合間に学生が教務室に来て、「もうすぐ発表なんです。先生のパソコンで見てください。」と言ってきました。教務室で見るということは、自信があるんだろうと思いながら、ページを開き一緒に見ていると、「ありました、ありました。ヤッター!マジうれしい!!」と飛び上がって喜んでいました。私も感激して思わず両手で握手をしてしまいました。
 この学生の喜びは、単なる喜びではなく達成感なのだろう、と思います。これまで努力して1次筆記試験を合格し、2次面接試験の練習もきっとストレスを感じた日々だったろうと思いますが、最終合格を勝ち取ったことで、やり遂げた達成感が喜びとして表れているのですね。一生懸命取り組むことは、その結果以上のものが返って来ます。
 私たちは、学生一人一人とよく話をし、どんな些細なこともその時間を共有しながら話を聞くようにしています。ここに入学してきた学生たちとは真剣に向き合い、教員と学生が同じベクトルで目標に向かって進んでいきます。私たちは、そのことを一番に大切にしています。それは「人を大切にする」という、人間としては基本的なことを学生にも知ってもらいたいということでもあります。
 南直哉師が言われる相手に苦を与えないこと、認めてあげることは、改めて私たちの仕事にも必要な教訓だと思いました。また、同じ喜びを分かち合うことで、私たちもまた、幸せな気分にさせてもらっているということに感謝しないといけないと思います。
 今年も残り少なくなりましたが、購入したばかりの手帳に、新しい年のスケジュールをたてていくと同時に、この1年間の仕事のこと家庭のこと、そして何より人の役に立てたか、人を喜ばせることができたかを、振り返ってみようと思います。

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