今日は校外清掃の日です。久しぶりに気温が下がり、寒風の中、学校横の公園に落ちている色付いたはっぱを学生たちと一緒に掃いて集めました。
この街なかの公園は、周辺の人たちの憩いの場になっています。お天気の日には、サラリーマンが休憩をしたりお弁当を食べたり、また、もう明らかに仕事をリタイアしたお父さん風な人たちが、あちこちで将棋版を囲んでその勝負の行方を見守っています。ちょっとしたブームのようです。小さな子供ずれのおばあちゃんも穏やかな表情です。
学生たちも、お昼休みや放課後に、サッカーボールを持ち出してフットサルをしたり、鉄棒やうんていで体力試験にそなえたりしています。公園を横切るとずいぶん近道になるので、そんな風に利用している人もいたり、街なかのコミュニティみたいな場です。
先月、南アジアの小国、ブータンから国王と王妃が来日されました。テレビの報道によると、日本の農業技術者がブータンの農業を指導して生産を増大させたことがきっかけで交流が始まり、それが日本との国交樹立につながったそうです。25年前のことです。それから親日国家として、先般の東日本大震災の翌日には、国王陛下主催のお祈りを捧げる式典が開催され、義捐金100万米ドルが日本赤十字社を通じて寄付されました。
今回の訪日でも、被災地の福島を訪問され、犠牲者の追悼が行われました。国王夫妻は新婚旅行を兼ねて来日されていましたが、民族衣装をまとった美男美女のカップルには、日本国中が注目しました。常に微笑を絶やさず、行く先々で合掌をして、真摯で真心のこもったあいさつには、周りを幸せにする力があるようでした。
ブータンでは、物質的な豊かさではなく心の充実感を指標とする「国民総幸福量(GNH)」を挙げています。「幸福」GNHは、GNPなどの経済指標とは違い、一人ひとりが幸せと感じているかの指標です。
ブータンでは、国民の97%が「幸福」と回答しているそうです。国家全体より個々人の感じ方の問題です。物質的に十分でなくても、ブータンのように医療や教育は無償で、一生涯生活するのには何の心配もないことのほうが、十分に幸福感を持つのでしょう。国民自身が「幸福」と感じることに意味があるのだと思います。
先週まで放送されていたNHK Eテレの「100分de 名著」で紹介された『幸福論』の中の、「幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」という著者アランの言葉を思い出します。いつも上機嫌であることが、幸福をもたらすというのです。また、逆に、不機嫌は周りを不幸にし、愛を奪うことにもなると言っています。
そんな風に考えると、自分が幸福になるためには、幸福になることを願い、自分で幸福を作り出さなければならないということです。そして自分自身の幸福が、人に幸福を与えることができるということでしょうか。
人が笑っている姿をみると、こちらもうれしくなります。反対に、不機嫌な人を見るとこちらも不快になります。
アランが言っているように、不機嫌である自分を克服し、幸せになるために上機嫌でいることが、自分も周りも、幸せにするのですね。
笑いは、心を平和にしてくれます。笑顔は、相手も笑顔にします。そしてそれだけで幸せを感じます。
先日、長崎校の入試の面接が終わった後、面接官を務めた私は、とても楽しい時間をすごしたような気分でした。面接を受ける人は、緊張して大変だっただろうと思いますが、今回の面接では、ほとんどの人が、笑顔で応対してくれました。和やかな雰囲気の中、3時間余りの面接でも、心は少しも疲れを感じませんでした。また、新しい人とかかわる事ができるという喜びと、何より、受験した人たちが笑顔でいきいきと応えてくれたからです。笑顔の効用ですね。全員合格をあげたくなりました。
さて、来年は、龍年。ブータンの国旗に描かれている飛龍のごとく、自ら幸せを掴むために力強く天を目指して登っていきたいものです。
今月の写真は、色鮮やかなシャコバサボテンです。冬に花を付けるので、別名クリスマスカクタスともいいます。町のイルミネーションにも負けないくらい華やかです。
Photo by mizutani
この街なかの公園は、周辺の人たちの憩いの場になっています。お天気の日には、サラリーマンが休憩をしたりお弁当を食べたり、また、もう明らかに仕事をリタイアしたお父さん風な人たちが、あちこちで将棋版を囲んでその勝負の行方を見守っています。ちょっとしたブームのようです。小さな子供ずれのおばあちゃんも穏やかな表情です。
学生たちも、お昼休みや放課後に、サッカーボールを持ち出してフットサルをしたり、鉄棒やうんていで体力試験にそなえたりしています。公園を横切るとずいぶん近道になるので、そんな風に利用している人もいたり、街なかのコミュニティみたいな場です。
先月、南アジアの小国、ブータンから国王と王妃が来日されました。テレビの報道によると、日本の農業技術者がブータンの農業を指導して生産を増大させたことがきっかけで交流が始まり、それが日本との国交樹立につながったそうです。25年前のことです。それから親日国家として、先般の東日本大震災の翌日には、国王陛下主催のお祈りを捧げる式典が開催され、義捐金100万米ドルが日本赤十字社を通じて寄付されました。
今回の訪日でも、被災地の福島を訪問され、犠牲者の追悼が行われました。国王夫妻は新婚旅行を兼ねて来日されていましたが、民族衣装をまとった美男美女のカップルには、日本国中が注目しました。常に微笑を絶やさず、行く先々で合掌をして、真摯で真心のこもったあいさつには、周りを幸せにする力があるようでした。
ブータンでは、物質的な豊かさではなく心の充実感を指標とする「国民総幸福量(GNH)」を挙げています。「幸福」GNHは、GNPなどの経済指標とは違い、一人ひとりが幸せと感じているかの指標です。
ブータンでは、国民の97%が「幸福」と回答しているそうです。国家全体より個々人の感じ方の問題です。物質的に十分でなくても、ブータンのように医療や教育は無償で、一生涯生活するのには何の心配もないことのほうが、十分に幸福感を持つのでしょう。国民自身が「幸福」と感じることに意味があるのだと思います。
先週まで放送されていたNHK Eテレの「100分de 名著」で紹介された『幸福論』の中の、「幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」という著者アランの言葉を思い出します。いつも上機嫌であることが、幸福をもたらすというのです。また、逆に、不機嫌は周りを不幸にし、愛を奪うことにもなると言っています。
そんな風に考えると、自分が幸福になるためには、幸福になることを願い、自分で幸福を作り出さなければならないということです。そして自分自身の幸福が、人に幸福を与えることができるということでしょうか。
人が笑っている姿をみると、こちらもうれしくなります。反対に、不機嫌な人を見るとこちらも不快になります。
アランが言っているように、不機嫌である自分を克服し、幸せになるために上機嫌でいることが、自分も周りも、幸せにするのですね。
笑いは、心を平和にしてくれます。笑顔は、相手も笑顔にします。そしてそれだけで幸せを感じます。
先日、長崎校の入試の面接が終わった後、面接官を務めた私は、とても楽しい時間をすごしたような気分でした。面接を受ける人は、緊張して大変だっただろうと思いますが、今回の面接では、ほとんどの人が、笑顔で応対してくれました。和やかな雰囲気の中、3時間余りの面接でも、心は少しも疲れを感じませんでした。また、新しい人とかかわる事ができるという喜びと、何より、受験した人たちが笑顔でいきいきと応えてくれたからです。笑顔の効用ですね。全員合格をあげたくなりました。
さて、来年は、龍年。ブータンの国旗に描かれている飛龍のごとく、自ら幸せを掴むために力強く天を目指して登っていきたいものです。
今月の写真は、色鮮やかなシャコバサボテンです。冬に花を付けるので、別名クリスマスカクタスともいいます。町のイルミネーションにも負けないくらい華やかです。
Photo by mizutani