11月に入っても、最高気温を記録して全国版ニュースに取り上げらるほど、季節感のない秋を迎えています。佐世保では、「おくんち」がしめやかに行われています。私が若いころは、着物を着た人やおしゃれに着飾った人たちが出かけてきていましたが、今年は、先月行われた「よさこい」の余韻のような、静かに歴史を感じる「おくんち」でした。
最近では、就職試験というと必ず面接があります。筆記試験がないところでも、書類審査と面接は実施され、人物を重視されるようになってきました。また、一部では性格検査も実施され、それも1種類ではなく2種類3種類と併用されるようになってきています。学力だけでなく、その人となり、人間性を見るようになってきているのでしょう。
公務員試験でも、二次試験の面接の時期になると、学生との練習ではいろんな質問をして、学生に答えさせることをします。いきなりの質問にも、練習を重ねることによって、自分のことならなんでも答えられるようになります。そうやって自分の引き出しをたくさん作りながら自己分析をしているのですね。
日常の様子、趣味や特技など聞くことによって、その答え方からもその人となりがよくわかります。
私たちは、本試験の面接官の立場になって、一人ひとりをできるだけ客観的に見るように努めて練習をするのですが、やっぱり学生の発言の中でこちらが興味をもったことには、そのことに対してどんどん質問をしていきます。そして、その学生に好感を持つようになるのです。面接官もきっと同じでしょう。
それから入退室はとても大切です。その人の第一印象が決まるといわれています。お辞儀の仕方や目線も、真剣であるか、熱意があるかを表すポイントになります。私は、学生たちに、「ドアを開けて入って椅子に座るまでに、あなたの評価は7割決まるのよ。」としつこいくらいに言っています。
練習のなかでは、長所やこれまでがんばったことなど自分をアピールしていきますが、そのなかに、両親への感謝の気持ちや家族への思いが述べられることがあります。きっと直接はなかなか言えないことなのだろうけれど、心の中では、本当に素直に感謝していることがわかります。そんなときは、こちらがうれしくなり、涙が出そうになることもあります。いろんな思いを、このように素直に表現することができる人は、社会に出て、仕事でも周りの人から慕われ、信頼され、力をつけていく人なのだろうと思います。
学生が発する家族への感謝の言葉を、私一人で聞くのはもったいない気がします。この思いをご両親や家族の方に、伝えてあげたくなります。本当にいい子に育ってきていることを、ご両親にも知らせてあげたくなるのです。
先日、訃報が届きました。先月までこの学校で公務員試験の勉強をしてきた上級コースの学生が、交通事故で亡くなったのです。
こんなことがあるのだろうかと、信じ切れない気持ちでした。この1年半、公務員試験に合格するために寝る間も惜しんで勉強してきたと、面接練習のときに言っていたのが思い出されます。あと少し、最終内定まで、あと少しだったのに。
彼は、仕事をされているご両親のために、毎日夕食を作るのが趣味であり特技であり、家族への感謝の気持ちでした。その日も夕方買い物に出かけていたのではないでしょうか。夕刻薄暗くなりかけのとき、横断歩道を渡っていたにもかかわらず、事故に遭ってしまったのです。
彼が練習のときに言っていた、家族への思いをぜひとも伝えなくてはと思い、私は、ご両親に会ってそのことをお話しました。そして、「尊敬する人は誰ですか?」という私の問いに、「はい、それは私の両親です。」と言った彼の誇らしげな表情と言葉も、ご両親に伝えてあげなくては。
彼は、本当なら、これから先、直接ご両親に感謝の言葉を述べたり、私はお父さんとお母さんのことを尊敬しているよ、という機会があったかも知れませんが、今ではそれも叶わないからです。
今、ただそれだけが、私にできることでした。
今年も、公務員だけでなく、ブライダルや葬祭にも、全員が希望のところに就職が決まりますよう、あとは祈るばかりです。
今月の花は、秋の花、大輪の菊です。
来週は気温もぐっと下がり、秋が深まっていくのでしょう。
Photo by Mizutani
最近では、就職試験というと必ず面接があります。筆記試験がないところでも、書類審査と面接は実施され、人物を重視されるようになってきました。また、一部では性格検査も実施され、それも1種類ではなく2種類3種類と併用されるようになってきています。学力だけでなく、その人となり、人間性を見るようになってきているのでしょう。
公務員試験でも、二次試験の面接の時期になると、学生との練習ではいろんな質問をして、学生に答えさせることをします。いきなりの質問にも、練習を重ねることによって、自分のことならなんでも答えられるようになります。そうやって自分の引き出しをたくさん作りながら自己分析をしているのですね。
日常の様子、趣味や特技など聞くことによって、その答え方からもその人となりがよくわかります。
私たちは、本試験の面接官の立場になって、一人ひとりをできるだけ客観的に見るように努めて練習をするのですが、やっぱり学生の発言の中でこちらが興味をもったことには、そのことに対してどんどん質問をしていきます。そして、その学生に好感を持つようになるのです。面接官もきっと同じでしょう。
それから入退室はとても大切です。その人の第一印象が決まるといわれています。お辞儀の仕方や目線も、真剣であるか、熱意があるかを表すポイントになります。私は、学生たちに、「ドアを開けて入って椅子に座るまでに、あなたの評価は7割決まるのよ。」としつこいくらいに言っています。
練習のなかでは、長所やこれまでがんばったことなど自分をアピールしていきますが、そのなかに、両親への感謝の気持ちや家族への思いが述べられることがあります。きっと直接はなかなか言えないことなのだろうけれど、心の中では、本当に素直に感謝していることがわかります。そんなときは、こちらがうれしくなり、涙が出そうになることもあります。いろんな思いを、このように素直に表現することができる人は、社会に出て、仕事でも周りの人から慕われ、信頼され、力をつけていく人なのだろうと思います。
学生が発する家族への感謝の言葉を、私一人で聞くのはもったいない気がします。この思いをご両親や家族の方に、伝えてあげたくなります。本当にいい子に育ってきていることを、ご両親にも知らせてあげたくなるのです。
先日、訃報が届きました。先月までこの学校で公務員試験の勉強をしてきた上級コースの学生が、交通事故で亡くなったのです。
こんなことがあるのだろうかと、信じ切れない気持ちでした。この1年半、公務員試験に合格するために寝る間も惜しんで勉強してきたと、面接練習のときに言っていたのが思い出されます。あと少し、最終内定まで、あと少しだったのに。
彼は、仕事をされているご両親のために、毎日夕食を作るのが趣味であり特技であり、家族への感謝の気持ちでした。その日も夕方買い物に出かけていたのではないでしょうか。夕刻薄暗くなりかけのとき、横断歩道を渡っていたにもかかわらず、事故に遭ってしまったのです。
彼が練習のときに言っていた、家族への思いをぜひとも伝えなくてはと思い、私は、ご両親に会ってそのことをお話しました。そして、「尊敬する人は誰ですか?」という私の問いに、「はい、それは私の両親です。」と言った彼の誇らしげな表情と言葉も、ご両親に伝えてあげなくては。
彼は、本当なら、これから先、直接ご両親に感謝の言葉を述べたり、私はお父さんとお母さんのことを尊敬しているよ、という機会があったかも知れませんが、今ではそれも叶わないからです。
今、ただそれだけが、私にできることでした。
今年も、公務員だけでなく、ブライダルや葬祭にも、全員が希望のところに就職が決まりますよう、あとは祈るばかりです。
今月の花は、秋の花、大輪の菊です。
来週は気温もぐっと下がり、秋が深まっていくのでしょう。
Photo by Mizutani