誰もいない道・・・
滔々と、流れる大河のようなうねりをした道。
なんて、美しい道なんだろう…ゆっくりゆっくりおかあちゃんは歩いた。
すると、遠くから・・・一心不乱におかあちゃんをめがけて一匹の犬が走ってきた。
大きくしっぽを振り、ベロを出し、短い足を必死に動かし、おかあちゃんめがけて駆けてくる犬。
「メグ・・・」
おおきな耳が羽ばたいて、天使の羽根だ!
「メグ!」
おかあちゃんは、いつものようにしゃがんで両手を大きく広げた。
そう・・・いつもなら、メグはおかあちゃんが広げた両手の中に飛び込んでくるはず。
メグは、元気だ! 走って、走って・・・メグは元気!
走って、走って、あんなに一生懸命走って・・・
でも、メグはおかあちゃんの腕に飛び込んでこない。
誰もいない道・・・
おかあちゃんの涙がポトポト道に落ちた。
おかあちゃんは長い間、そこを動くことが出来なかった。
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