世界一周の記録

2006年8月から2008年9月まで2年1ヶ月の世界一周放浪の旅をしていました。その旅の記録です。

カリブ海。カンクン、そしてキューバへ

2007年10月04日 05時04分14秒 | 南北アメリカ

トリニダード・トバゴ以来のカリブ海に戻って来て、メキシコのリゾート地・カンクンと社会主義の国キューバを観光しました。

カンクンは、町の中心部で市民の生活の場となっているセントロと、ホテルゾーンと言われるアメリカと変わらないリゾート部分とに大きく分けられます。ホテルゾーンにあるホテルは一泊100ドルは下らない高級ホテルしか存在しないので、僕のような金の無い長期旅行者はセントロに泊まります(一泊8ドル)。しかしセントロにはビーチが無いので、ビーチに行くには、ホテルゾーンへバスで20分くらいかけて行き、ホテルのプライベートビーチへ宿泊客のような顔をして進入するのが一般的なやり方です。しかし!メキシコシティのペンション・アミーゴで知り合った友達Hくん(会社の休みで短期旅行で来ているリッチマン・神)がそのホテルゾーンに100ドルも出して泊まっているとの情報を得たので、彼のホテルに遊びに行きました。天気は雨にもかかわらず。

そこはまさにアメリカという感じで(アメリカにはまだ行ったことがないけど、想像で)巨大な高級ホテルが立ち並び、巨大ショッピングモールがあり、ほぼ全員が英語を話します。そして、海は驚くほどコバルトブルーでした。


普通海が水色になるのは晴れている時だけだと思っていました。同じカリブ海のトバゴでも晴れているときはターコイズ・ブルーだけれども、曇ったり雨が降ったりすると普通の濃い目の青色になっていました。しかし、ここカンクンのビーチはこんなにどんよりと曇っているのに綺麗なコバルトブルーなのです。びっくりです。なぜなのでしょうか?


荒れ気味の海にて。来ているシャツはシティでサッカー観戦したクルス・アスルというチームのシャツなのですが、これを着てメキシコの町を歩くとたまに声をかけられます。クルス・アスルが好きな人には「いいねー!クルス・アスル!」と笑顔で、嫌いな人には「は?クルス・アスル?お前ら弱いんだよ、どっかいけ!」と憎たらしい顔で。メキシコ人のこういう所は大好きです。


ホテルゾーンにあるまるで城のような巨大ホテル



日を改めて晴れている時にイスラ・ムヘーレスという島にも泳ぎに行きました。ここはひたすら遠浅で50mくらい沖に行っても足がつくというとっても安全なビーチでした。波もほとんどなかったし。でも、海の青色の綺麗さはホテルゾーンの方が上でしょうか。



そして、ついにカリブ海観光のメインディッシュのキューバへ行くことに。社会主義の国。アマチュア野球が強い国。チェ・ゲバラが革命をした国。キューバに行ったという旅行者からの話を聞いても評判は上々で、その印象は変わった不思議な国という感じです。どんな国なんだろう?と期待が高まります。その期待はキューバ行きの飛行機でいきなりかなえられます。キューバの航空会社クバーナを使って行くのですが、かなり年代物の古い機体な上に、出発直前に足元から白い煙がもくもくと立ち昇ってきて機内が真っ白になるのです。事前に他の旅行者から話を聞いていたので、落ち着いていられましたが、もし知らなかったらかなり焦っていただろうな。。。


キューバでは、まず首都ハバナを観光して、その後ビーチのあるバラデロを観光しました。

キューバの特徴は、建物が古い(まるで廃墟)、車も古い(まさにクラシックカー)、二重通貨で物価が高い(人民向けはとても安い)、割と暑い、早朝から深夜まで町には常にたくさんの人が出歩いている、暑いのか上半身裸の男が多い(たまにキャミソールのようなものを着ている男も)、白人・黒人・混血・中国人と多様な人種が入り乱れている、人種間でみんな仲が良さそう、旅行者に対して気さくで親切、といったところでしょうか。
では、写真でキューバを振り返ってみたいと思います。


古い建物。旧市街は全体的にこういう味のある建物で占められていました。


古い車。キューバは何十年も前のクラシックカーの宝庫です。



革命博物館にて、アメリカのレーガン大統領を痛烈に風刺した絵。「革命をさらに力強くした人物」

やっぱりアメリカが嫌いなのでしょうか。でも、地元のテレビでは毎日ハリウッド映画を流していたし、アメリカ人も普通に旅行をしていました。まあ、時代は変わっていくのですね。(コカコーラはさすがに売ってなかったけど。)

野球の国というイメージだけど、ストリートサッカーをしている子供達がたくさんいました。

数年後には、サッカーも強くなるかもですね。

支倉常長という伊達政宗の家臣の像。

彼は数百年前のまだ戦国時代とか江戸時代とかに長い航海の末にキューバに辿り着いたのだそうです。それ以来、キューバと日本の関係は続いているとか。信じられないくらいの大冒険ですよね。なんという凄い冒険家なのでしょう!

人民用の通貨で買える数少ない食事の一つチャーハン。50円。味が薄くて不味かった。。。スプーンが入れ物の紙の切れ端というところが、チープでいい感じ。ちなみにビールも人民用通貨なら50円(旅行者用通貨では130円)。


お世話になった中華街。ハバナで最もコストパフォーマンスの高い食事ができる。しかし、中国人の姿はほとんどなく、チャイナ服を着たキューバ人が多数働いています。中国人はどこにいったんだろう?



内務省のビルの壁に浮かび上がるチェ・ゲバラの顔。めちゃくちゃかっこいい。


奮発してジャズバーへ。ジャズというかなんというかリズム中心の不思議な音楽が聴けました。かっこよかったです。かなり。

バンドメンバーも黒人、白人、混血、と様々な人種の混合でした。キューバらしく。

キューバ第一のビーチリゾート・バラデロのビーチ。

今まで見たビーチの中で最も綺麗だったかも。タンザニアのザンジバルと並んで。コバルトブルーでクリスタル・ウォーターな海。20kmに渡って延々と続く白い砂浜。人が少なくのんびりとした雰囲気。
やっぱりカリブ海は最高です。



最終日はハバナに戻って来ました。日曜日だったけど飲食店は大体開いていて(すばらしい!)仕事が休みの地元キューバ人で賑わっていました。昼間っから酔っ払って酒臭いです。人民通貨でビールを飲める店に一人でふらりと入るとそんな酔っ払いのキューバ人が僕に群がってきます。僕はスペイン語が話せないのに、血走った目で口角泡を飛ばしながらスペイン語で激しくしゃべりかけてきます。たまに少しだけ英語を話せる人がいて通訳してくれるのだけれど、その人も酔っているのでスペイン語と英語が半々なので、結局何を言っているのか判りません。一人が言いたいことが終わると、また次の一人が来て何かを僕に対してしゃべりかけてしばらくすると、満足したのかあるいは言葉の通じない相手と話すことに飽きたのか、また次の一人に代わるというのの繰り返しでした。あるキューバ人は僕のビール瓶の口にいきなり指を突っ込んできて「これがキューバスタイルだ」とかなんとか言ってきます。なんのこっちゃ。睡眠薬入れてるんじゃないだろうな?別のキューバ人は勝手に僕のビールを飲んで知らんふりしています。太った白人のキューバ人のおばちゃんは、「今日は私の誕生日なの。だからビールをおごって☆」などとタカリをかけてきます。別の黒人のキューバ人のおっさんは「日本はすばらしい。テクノロジーが良い。だからビールをおごれ」などと言ってきます。
まあ、こういう感じはアフリカで何度か経験したけど、うざいんだけど楽しい、という感じでしょうか。



キューバはやっぱりどこか変わった不思議な国でした。でも、観光に力を入れているだけあって旅行はしやすかったです。宿はずっと外国人が泊まれる民家に泊まっていましたが、どこもとても綺麗で快適で普通でした。そういう意味では刺激は少なくて、期待外れだったかもしれません。もっと何もかもが変わった国を想像していたので。


いよいよ明日ニューヨークに飛びます。そしてサンフランシスコを経由して10月13日に日本に一時帰国します。物価が高いアメリカと日本に行くのは少し気が重いけど、仕方が無いので思い切ってお金を使おうと思っています。10日間ほど日本に滞在して、中東からこの旅の最終フェーズのアジア編をスタートさせる予定です。


日本にいるみなさんへ。お暇なら帰国中の僕と是非遊んでください。色々と日本の話などを聞かせてもらえると嬉しいです。連絡お待ちしております。