「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ウクライナの国防相人事(ルステム・ウメロウ新国防相)<2023年9月

2023-09-07 16:43:45 | ウクライナ紛争

ウクライナ国防相人事、クリミア・タタール人を起用へ 反攻の重大局面で
2023.09.05 Tue posted at 16:00 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208673.html
ウクライナの新国防相に指名されたウメロフ氏とは クリミア・タタール人の中心的存在
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66714172

前任のレズニコウ国防相が不正を働いたとか能力が足りないという意味ではないと思います。
レズニコウ国防相は2022年11月に国防相に就任し、これまでロシアとの戦争を支えてきました。そしてその間、西側諸国からの支持や支援の取り付けに大きな功績がありました。実は去年の暮にも更迭説が流れたことがありました。この時は、話は立ち消えになりました。

その後の流れを見るならば、年が明けてから戦車の供与が決まりました。イギリスからのミサイルの供与もありました。ドイツの戦車メーカーの現地生産の話がまとまりました。トルコのドローンメーカーの現地生産の話がまとまりました。Fー16戦闘機の訓練も始まりましたし機体の供与も決まりました。最後には、イギリスの軍需メーカー大手のBAEシステムズのウクライナ進出も決まりました。これらを進めてきたのが、レズニコウ国防相です。本来であれば、更迭はあり得ない話です。

しかし、去年から続いているウクライナ政府の腐敗と汚職の摘発と追放の動きがあります。最後に残ったのが国防省です。大鉈を振るう前にレズニコウ国防相が辞任しました。

ルステム・ウメロウ新国防相就任後は、国防省の腐敗と汚職に徹底的にメスが入ると思います。だから、大きな功績のあるレズニコウ前国防相が辞任する必要がありました。

ルステム・ウメロウ新国防相は、少数民族クリミア・タタール人です。そこには、ウクライナ政府の明確なメッセージが見えます。
「この戦争は、クリミアで終わる。」と言うことです。

もう一つは、ルステム・ウメロウ新国防相はタタール人でありイスラム教徒です。クリミアのタタール人の多くは、ウクライナを支持する可能性が大きくなりました。ウクライナにも少数民族はいます。これまでその人々がウクライナの社会で公平に扱われていたかと言えば、そうではないと思います。少数民族も含めて一つのウクライナだというメッセージもあります。

そしてイスラム教徒を抜擢するならばアラブ圏からの支持も得られやすくなると思います。トルコとの関係、サウジとの関係は大切です。そこにも良い影響があると思います。

更には、ロシア国内の少数民族もロシアに弾圧支配されてきた長い歴史を思い出すでしょう。ロシア国内にもイスラム教を信仰する民族は、沢山あります。

ゼレンスキー大統領は、国防相の交代を上手く利用したと思います。非常にメッセージ性の大きな人事だと思います。



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