ウクライナの海上ドローン、ロシアのミサイル艦を攻撃=関係筋
2023年9月16日午前 2:18 GMT+97時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/SAHKVO6RARPAZEZ44VTDOVWF3M-2023-09-15/
クリミア半島の港湾都市セバストポリの港湾入り口で、ウクライナの海上ドローンがロシアの小型ミサイル艦「サムーム」を攻撃し、攻撃したようです。
『攻撃を受けたミサイル艦は片側に傾き、修理のためにえい航されたという。』
と言うことですから、自力航行が出来ない程度の損傷を受けたようです。
これまで戦闘不能に陥ったロシアの黒海艦隊の艦艇は・・
タピール級揚陸艦「サラトフ」(2022年3月、弾道ミサイル攻撃で大破)
ミサイル巡洋艦「モスクワ」(2022年4月、対艦ミサイル攻撃で穴が空いた)⇒曳航中沈没
救助曳船「ワシリー・ベフ」(2022年6月、同じく対艦ミサイル攻撃の犠牲に)
オレネゴルスキー・ゴルニャク(大型揚陸艦)⇒数日後にドライドック入り(多分、戦争中の復帰はムリ)
<先日のセバストポリの乾ドック攻撃>
ロプーチャ級揚陸艦
キロ型潜水艦
※推定、破壊ないし大破
かなりの数が、これまで大破または撃沈されています。現在の海上での戦闘では、ミサイルやドローンの射程内にある海上戦力はほぼ無力であることを証明しています。
黒海のような狭い湖のような海に大きな海上戦力を配備しても大した意味がないことをウクライナ軍が証明しつつあると言えます。
クリミアのセバストポリのロシア海軍基地に配備されているロシアの艦艇は、全部危ないでしょう。しかも、今回港湾の入り口で攻撃されていますから、さっさと逃げ出さないと全部破壊されそうです。
ウクライナの方には、そもそも攻撃対象になる海上戦力がほとんどありません。今ウクライナ海軍が保有しているのは、高速の沿岸警備艇だけです。
こうなってくるとロシア海軍の艦艇が一方的に攻撃され、順次破壊されるだけのようです。狭い海域では、旧来の海上戦力はほとんど役に立たないことが判明しました。
クリミアのセバストポリのロシア軍の艦艇を全部、撃破したらロシア南部の港湾を狙うのでしょうね。そうなるとロシア海軍の艦艇は、居場所がなくなって内海のアゾフ海の奥のロストフ・ナ・ドヌー(ロシア南部軍管区の司令部がある都市)近くの港に逃げ込むしかありません。
ここだってウクライナ軍がマリウポリМаріупольを奪還したら、100kmくらいしか離れていません。ミサイルを簡単に撃ち込めますし、無人艇でも攻撃できます。
クリミア半島は、黒海に対する海の砦のような位置にあります。黒海でもアゾフ海でも全域が攻撃範囲です。黒海の南の向かい側は、NATO加盟国のトルコです。しかも黒海の外界への出入り口は、トルコのイスタンブールにあるすごく狭い通路です。トルコが許可しないと黒海への出入りが出来ないようになっています。
ロシアの黒海艦隊は、トルコの同意がなければ黒海の外に逃げ出すことすら出来ません。
ロシアが自分の海のようにこれまで振舞ってきた黒海は実は、周辺諸国のどこかがミサイルなどの攻撃兵器を持てばたちまち艦艇の墓場に変身する海です。これまでは、その国はトルコしかありませんでした。今、ウクライナがそうなりつつあります。
しかもロシアの穀物輸送船にしろ原油を運ぶタンカーにせよ、全部黒海の西を通り狭いトルコのイスタンブールを通過しないとエーゲ海に出られません。
ウクライナの穀物輸送船を海上戦力で妨害してきたロシアは、クリミアをウクライナに奪還されると?
反対にウクライナにロシアの穀物輸送船と原油を運ぶタンカーが人質に取られると言うわけです。
ウクライナが、せっせとロシアの黒海艦隊を削るのには単にクリミア奪還だけでなく、黒海を逆封鎖する意味があります。ロシアは、ここを封鎖されると穀物は陸路でしか輸送出来なくなります。
陸上の戦争に気を取られている(間抜けな)ロシアは、段々(賢い)ウクライナに黒海を逆封鎖されつつあります。
大陸国家は、こういう点で間が抜けています。
つまり、これまではロシアの海であった黒海をロシアが放棄したのと同じ結果が生まれつつあります。
※これが、セバストポリのオルジョニキーゼ艦船修理工場を攻撃した時の映像だそうです。
Ukraine strikes Russia’s Black Sea fleet in major attack
https://www.youtube.com/watch?v=7n-CzWZzNi8