1. 学生運動については歴史で習ったが、世代闘争については聞いたことがありませんでした。そのため、学生運動と世代闘争について、当時の社会の様子と共に、川島先生が感じていた
ことを教えてください。
答:そうですよね。私は、1970に大学を卒業したので、学生運動の真っただ中でした。大学の3年から4年の時は、学園紛争から大学封鎖になり授業が行われず、最終の12月から3か月で一日2回の授業を行って、授業日数をこなし卒業しました。私自身は、いわゆるノンポリ(どちらの意見も持たない)でしたが、友人たちが大学闘争に参加していたこともあり、集会などには参加していました。私に意識では、世代闘争の一つであり、当時の保守的、権威的な政権や大人(若者でなく)への反発から生じた部分が多かった気がします。また、意見を持たない人たちの付和雷同によって盛り上がった部分もかなりあったと思います。若者が権力を批判するということは多くの国で行われることのように思います。当時の社会は、現在よりも保守的、権威的で戦前の家長制度や伝統主義を守っていることが多く、個人主義的な発想はありませんでした。その当時が現在と一番異なるところは、個人の主張が大切にされるという部分であると同時に、逆に社会の一員としての意識が低いことにある気がします。
2. 川島先生は、「自分の担当学級に自傷行為を繰り返す子がいる。ただ、その自傷行為を辞めさせるだけではその子は自分という存在が見えなくなって自殺してしまう」という状況なら、どんな行動をとりますか?
答:難しいですね。自傷行為をやめさせると存在が見えなくなるということは、自傷行為への脳の自己報酬があるということでしょうね。そのようなケースの場合、周りができることは、自傷行為以上に自己報酬を生じさせるような(快を生ずる、うれしいと思う)行為を作り出すことが必要になると思います。すなわち、自傷行為以上に自分を見出すことのできる嬉しいことを見つけることです。ただ、自傷行為への報酬が他者の気を引くなどの場合は、例えば、恋愛のような他者との関係で上手く、ゆかなくなる可能性のあるので逆効果になる場合もある気がします。
3. 引きこもりの定義の中に「6か月以上続いた場合」となっており、私は短いと感じましたが、川島先生は、どのように考えますか。
答:うーん、私は、長いと思いました。というのは、基本的に、1か月以上ひきこもると、そこから先は、いくらでも長くなる可能性があると考えているからです。ここでいう「6か月以上続いた場合」というのは、その先は、いつまで続くかわからないという判断を基礎としているのではないでしょうか。
4. 不登校の生徒が出た場合の対処法や復帰させる良い方法はありますか。
答:また、不登校のところで、話をしますが、私は、不登校は個人の問題ではなく社会全体の問題であり、社会が子どもを比較しながら育てていることから生じていると考えています。その背景には、いろいろな要因があるので、個別の指導計画が必要になると思います。
5. 私は、前回の授業を欠席してしまい、レポートを提出しませんでした。前半のレポートを未提出としてしまった場合。後半はどのような扱いになるのでしょうか。
答:授業中にも話しましたが、一回ごとに切れることで、いつからでも、いつでも提出できるようにしています。すなわち、前半を出していなくても前半とは関係なく後半を出すことができるということです。そのために授業でレポートの締め切りを厳しくしているように見えるのですが、背景には先週はできなかったが、今週は書けるという人に対応するためです。