松大かわティ ブログ

松本大学の学生からの質問回答です。心理学、発達心理学、生徒指導概論、教育相談の受講生の皆さんからです・

質問と回答:20201228 「生徒指導・進路指導」と「教育と発達」の授業感想レポートから

2020-12-29 12:12:12 | 日記

「発達障害の子どもたち」のレポートから
1. 「発達障害の子どもたち」の中で自閉症者の自伝を読むといいということが書いてありましたが、先生は自閉症者の自伝を読んだことがありますか。また読んだ場合、はおすすめはありますか。
  答:かなり以前ですがテンプル・グランディン―自閉症と生きる を読みました。たぶんよく知られているのは、ドナ ウィリアムズ 「自閉症だったわたしへ」だと思います。自閉症の映画はいろいろありますね。 ついでに、テンプル・グランディンは、TEDでも話をしていますよ。https://www.ted.com/talks/temple_grandin_the_world_needs_all_kinds_of_minds?language=ja
 自閉症といっても、程度や種類がいろいろなので、たくさんの本や資料を読む必要があるでしょう。


2. よく、二十歳になったら年をとったように衰えを感じるといいますが、それは本当ですか?また、人生で、一番額っと体力が落ちたりつかれば目立つようになったりしたのはいつぐらいですか。
  答:私は、60歳くらいまでは衰えたことは意識したことがなかったです。体力や筋力は、鍛えていないと若くても徐々に衰えていくのだと思います。たぶん、子どものころから若いうちは気がつかないうちに身体を使っているので感じないのでしょうね。その意味では60歳くらいまで何かと身体を動かしていたのかもしれません。私も一応、毎日20分くらいの運動をしているのですが、それでも60歳くらいからは衰えてきた気がします。特に物を持つ力が衰えてきました。日曜大工で材木を持つのですが、以前は2X4の6フィートを以前は8本くらい一度に持っていたのですが、最近は、5本くらいがせいぜいだとは思います。みなさんは、まだまだ、鍛えることで、体力を保つことができると思うので、ぜひ、何かスポーツをやりましょう。

友だち地獄のレポートから
3. 川島先生は、どういった「優しい関係」づくりをしていきたいですか。
  答:私は、基本的に、あまり深く人間関係を考えないようにしてきました。あるがままの自分しか見せることができないので、自分自身、ある意味ではKYな部分を持っていると思います。また青年期から歳をとるにつれて心理学を学んできたことから、自然な自分を見せるのが一番気楽だし、問題がおきにくいと知りました。ですので、特に「優しい関係」づくりを考えずに生きてきたような気がします。

4. 川島先生が今まで、受け持ったクラスやゼミで、自殺願望のある子はいましたか。いたとしたら、どのように対応しましたか。
  答:私は、大学生しかあったことがありませんが、自殺願望のある学生は何人か出会いました。対応としては、話は聞くけど、深くは聞かずに相手にしないというのを基本にしていました。ある意味では、話相手はするけど、内容によっては無視をするという対応をしていました。私の出あった範囲の学生は、リストカットなどの、ある意味では注意引きの部分があったからです。注意引きに対しては、内容に応じて深くは相手にしないのが基本だと思っています。


質問と回答:20201218 「生徒指導・進路指導」と「教育と発達」の授業感想レポートから

2020-12-18 19:49:20 | 日記

久しぶりに回答します。難しい質問が多いですね。

1. 川島先生は小学校の教員の経験はあるのですか?
  答:ありません。でも、教え子の卒業生などから、学校の様子や状況の話をよく聞いていました。なので、学校の状況はある程度分かりますが、実際に経験している教師のように実感というよりも理論的なブブが多いと思います。


2. 自分で自己肯定感を上げるにはどうすれば良いと思いますか。
  答:いろいろあると思いますが、自分で自分をほめることが大切です。また、自分が他の人と違うところを、考えてとり出し、それは、自分の誇り、他の人には持っていない部分だと考えることも自信につながります。自分自身のことでなく、自分は、こんな経験がある、こんな人を知っている、こんなことができる・・なども自信をつけることができる。他の人と違うところをネガティブにとらえないで、ポジティブにとらえることで自信になってゆきます。


3. 自分と違う性格の人とうまく関わって仲良くなるにはどうしたらいいですか?
  答:「人は人、自分は自分、だけど仲良し」、お互いに、違うところがあることを認め合うことで、お互いに尊敬し「〇〇君はすごいね!」といえる関係を持つことです。


4. 自分は良かれと思っても性格やタイプが異なっていれば、嫌がられることだってあると思うのですが、そのような場合の対応の仕方がわかりません。
  答:先述の回答と同じです。

5. 将来教師になって、「ネット上のいじめ」問題を解決しなければいけない時、どのような方法が有効か、川島先生の意見をお聞きしたいです。
  答:とても難しい問題なので長文になるし正しいかどうかわかりませんが、答えてみます。
 まず、「ネット上のいじめ」の問題が、なぜ難しいのだろうかと考えると、1.直接対面でない(匿名性を含む)と2.付和雷同(盛り上げや祭り)になりやすいことがあげられると思います。直接対面でない(匿名性を含む)は、例え、相手が誰であるかということがわかったとしても、遠く離れていて自分は危害を受けることがない場所にいて相手を攻撃できるために攻撃的になります。直接に対面で喧嘩をするのであれば、相手の顔や悲しそうな嫌悪の感情が見えるだけでなく、逆に殴られたりという危害を受ける可能性があるのですが、ネット上でのいじめは、安全なところにいて攻撃できるのです。ちょうど相手からは攻撃されない崖の上から石を投げているような感じなのだと思います。 また、付和雷同(盛り上げや祭り)は、誰かと一緒に攻撃することで連帯感(盛り上がりと連帯感)ができ、自分と同じ意見があることで安心し、っ過激になるのではないかと思います。そう考えてくると、学校現場での「ネット上のいじめ」問題を解決するためには、この二つの点を子どもたちに理解させることが大切です。ネット上で匿名ということはありえない。かならずいじめはバレルのだと。そして、付和雷同(盛り上げや祭り)は、相手の立場を考えて自分の行動を考えるように指導することだと思います。具体的にどのように行うかは皆さんの力だと思います。


6. 大学2年生の時、アメリカの臨床心理士アラングッケンピュールが提唱する「ミソドラマ」に関する本を読みました。物語の途中まで紙芝居で読み聞かせし、その先をグループワークで考えてもらい、劇で演じてもらうというもので、その物語や劇の中に子どもたちが潜在的に考えていることやクラスの様子が現れることが示されていました。学校現場で子供たちが考えていることを把握することは他にどんな機会があると思いますか。
  答:私は、アラングッケンピュールtという人の本は読んだことがありませんが、たぶん100年以上前から続いている精神分析の流れをくむ人だと思います。ここに書かれているように本を読んだり、夢の中での物語を語らせたり、何らかのきっかけ(心理学ではきっかけのことを刺激という)を与えることで内面的なことがわかると考えている心理学者がいます。そのような方法を「投影法」といいます。TAT(絵画を見て、現在、過去、未来の状況を話をしてもらう)やロールシャッハ(インクブロットを見て解釈をする)、風景構成法などの絵画を利用したり、漫画の吹き出しのようなものを使うPFスタディ、箱庭療法(人形やミニチュアを使って物語を作る)など、子どもや対象となる人の心が読めるように見えますが、確証(エビデンス)がないことが多く、それを扱う心理学者の勝手な解釈に陥りやすいために、信じる人は信じるようなことが多いことになります。とても、面白い考え方なのですが、心理学の領域では主流ではありません。臨床心理学の流れでは、精神分析から行動療法、認知行動療法へと変化をしてきています。臨床心理学を勉強すると投影法のあいまいさと解釈の難しさがわかります。