生徒指導・進路指導のレポートから
たまっていた質問をまとめて回答します。
1. トラウマはあると思いますか。
答:もちろん、あると思います。でも、それがトラウマといえるかどうかは本人がどのように考えるかにもよると思います。単なる嫌な思い出からそれがトラウマとなるかどうかは嫌な記憶として深く残るかどうかということになり、特に扁桃体や海馬の働きと恐怖記憶の忘却について「レスポンデント条件づけ」による嫌悪状態は残りやすいと考えられます。私の好きな本でジェームズ・L.マッガウというひとの「記憶と情動の脳科学」 に詳しく書かれています。でも、トラウマなんていうのはないという人もいます。単なる嫌な思い出だということでしょうか。
2. 発達障害の子どもたちのp.70の「他の発達障害への対応は容易である」という表現は適切ではないと思いますか。
答:確かに、障害に上下や差別はないのですが、単に扱いにくいということだと思います。それは障害によって援助しなければならない時間と労力が大きいだけで、差をつけているのではないと思います。しかし、実際にはいろいろな発達障害にあって、世話をしていたりするとこのように考えてしまうのだと思います。
3. 腹割って話すや、腹から声出す、腹黒い。といったように「腹」というのが自分の本心や会話において大事なことであるということがわかるのですが会話や人間観において物理的にその人のお腹は関係あるのでしょうか?
答:いやあ、たぶん物理的にはお腹は関係ないと思いますよ。でも、昔から「胆力」とか「肝がすわっている」とか、「下腹に力を入れろ」などと、やる気や活力と腹式呼吸という意味でお腹が関係あると考えられていますが・・・鬼滅の刃の「全集中の呼吸」なんかも関係しているかも?
3. 人の弱点を見たときに心からその人を知ることができた気がするような感覚があるのですが、それはなぜですか?
答:そうですね、弱みはなかなか他人には見せないようにするので、そのように感じるのだと思います。
4. これは、関係ない話かもしれないんですけど。手相占いなどが良くありますが手相の科学的根拠ってあるんですか?
答:全く科学的な根拠はないと思います。ただ、当たるも八卦のような、思い当たることがあると確率的にはめったにないことなどを信じてしまいがちなのです。また、手相くらい広く広まると、ある意味での易学は、根拠のなく偶然の確率を重視し意味づけるものだと思います。
5. 私は、頭では偏見を持ってはいけないとわかっているのですが、黒人を見たときに怖いな、近づきたくないなと感じてしまいます。差別は悪いことだと思うのですが、偏見は必ずしも悪いことではないと思うのですが、どう思いますか。
答: 基本的に、偏見は、そのタイプの人を「良く知らない」ことから生じてきます。偏見をなくす一番の方法は、偏見を持っている人と仲良くなることです。例えば、そのうち黒人の友人ができると、そんな偏見はなくなります。中国の人や韓国の人に対しても同じです。人は、自分の知らない種類の人は、何をするか予測がつかないので怖いと思ってしまうのです。例えば、黒人でも、エディマーフィー(ちょっと古い)とか、大阪なおみやオバマ大統領はあまり偏見を感じないのは、いろいろ情報があって、その人がどのように行動するのかが予測ができるからです。
6. 薬について、薬で軽減するのか・・・と少し思って。なぜか、その生涯を抑制剤のようなもので押さえつけているような印象しか持てなかった。それでいいのか。
答:ADHDの場合、先日も授業で話しましたが、発達障害は、健常児と比較して、ゆっくりとした発達をします。ですから、高校生くらいになって、前頭葉が発達してくると自分自身の行動に抑制力ができてきて薬を必要としなくなる場合があるのです。
7. 子供のために働くとふれあいが減ってしまう。これを解決するにはどうすればいいと思いますか。
答:難しいですね。まず、親が母親か父親かに関係なく、共同して子どもの世話をすることが基本なります。そして、できれば、祖母や祖父の力も借りることができると、いいですね。触れ合いが少なくなったら、その分、土日に解消するように努力するしかないでしょうね。なんか、当たり前の答えですみません。